魔童貞殺し

読了目安時間:11分

エピソード:15 / 34

助太刀

「ヴィック!」  緊張した様子で、サラが呼びかけてきた。 「ああ、おれも聞こえた。どこかで()り合ってるな……」  ヴィックも顔を強張らせながら答える。 「なんだか、右の方向から聞こえるような気がするんだけど?」  そう言いながら、サラは右に目を向ける。ヴィックもそれにならうが、目に映るのは生い茂る木々ばかりであった。 「森の中で戦ってるような感じじゃないな?」  彼はかぶりを振る。 「なんとなく、あれは開けた場所から聞こえるような気がするんだが……」  言うや否や、彼は目を前に向ける。前方は北へ向かってまっすぐ伸びる道は、いくらか進んだ所で十字路になっていた。その十字路を西へ左折する道は、川に架かった幅の広い石橋を越えて、川向こうの森の中へと伸びている。その反対側、東へ右折する道を見ると、森と森との途切れ目、そこそこ開けた草原へと伸びていた。戦いが繰り広げているのは、その先だと思われる。  ヴィックとサラは黙ったまま顔を合わせ、互いにうなずき合うと、木に結び付けていた手綱をほどいて手に取り、馬を連れてゆっくりと十字路まで進む。  そしてそこに辿り着くと、大きな木の陰に身を隠しつつ、十字路を右に折れた先を覗き見る。その道は、左右を森を挟まれたかたちで真っすぐに東へと伸びていた。  そして彼らのいる場所からおよそ百二十イェルテ(約百八メートル)くらい離れた先、左右の森の木々が後退してかなり開けた場所になった所で、小競り合いが起こっているのが見える。一台の(ほろ)付き荷馬車が街道から外れ、草原の上に停められていた。それはどうやら商人の荷馬車らしい。さらに、この荷馬車の近くには四頭ほどの乗用馬が怯えたようにしており、二人の者が荷馬車の馬や乗用馬たちをなだめていた。  さらにその護衛と思われる者たちが八人、武器を手にして荷馬車や馬や二人の者たちの周りをぐるりと囲み、迫り来る敵たちからそれらを守っている。彼らの敵である、山賊の(たぐい)だと思われる連中は数が多く、二十人近くもいた。賊どもの力量は遠目から見てもお粗末なものではあったが、いかんせん多勢に無勢で、護衛側は明らかに押されつつあった。 「ヴィック、あの護衛たちに手を貸すよ!?」  言うが早いが、サラは栗毛の軍馬にひらりと飛び乗る。 「了解だ。我が淑女(しゅくじょ)殿」  ヴィックも彼女にならい、青毛のそれに(またが)った。二人は異口同音に発進の声掛けをする。 「「――はっ!」」  すると、二頭の軍馬は勢いよく駆け出した(今や彼らはすっかり乗り手に慣れており、わき腹を蹴らずともこの声掛けのみでそうするようになっていたのである)。  しばし馬を走らせると見る見る「主戦場」が迫って来る。先ほどまでは人が豆粒くらいにしか見えなかったが、そこまであと六十イェルテ(約五十四メートル)くらいまで距離を縮めた今となっては、守り手と攻め手の両者の姿がはっきりと見て取れる。  護衛側は若い男たちばかりで彼らは皆、厚手の布の防護服や革の胴着といった軽装で身を固め、剣や槍などを手に襲撃者たちを迎え撃っていた。  対する攻撃側の山賊もどきどもは皆、この手の連中の例に漏れず、薄汚い身なりかつ、見るからに悪どい面構えをしている。  護衛も山賊どもも、突然二人の騎馬武者たちが現れた事に驚いたようだった(しかも、うち一人が「肌も露な姿の若い女」と来れば、なおさらだろう)。護衛側に敵の新手だと勘違いさせないためか、ヴィックの前方に馬を進めていたサラが名乗りを上げる。 「我ら、旅の者なり。不埒(ふらち)な賊どもと戦いし貴殿らに加勢いたす!」  いつもと異なるその口調にヴィックが目を丸くしていると護衛側の一人、防護服の上に、煮固(にかた)めた革に(びょう)を打った胴当(どうあ)てを着け、頭に革の保護帽子を被った、リーダーらしき若者が「かたじけない!」と返事をする。彼は剣を手に、二人の山賊を相手取っていた。  若者の返事を受けるや否や、サラは「不死鳥」を鞘から抜き、それを右手に構えて左手で手綱を操りながら、馬に拍車を当ててその速度を上げる。ヴィックもそれにならい、腰の鞘から鉈刀(なたがたな)を引き抜く。すると彼の前を行くサラの元に、前方から二人の賊が迫り来るのが見えた。それは鍛冶(かじ)仕事に使うような両手用の大金鎚(おおかなづち)を持った太った男と、全長七ペーデ(約二メートル十センチ)くらいの槍を手にした痩せた男で、二人とも下品なにやけ笑いを浮かべながら無遠慮な目をサラに向け、彼女とその馬を左右から挟みこむように、全速力で走って向かって来ている。  それを見たヴィックが馬に拍車を当てたその時、太った方の男がどすどすと走って右手方向からサラの軍馬に肉薄しつつあった。ある程度距離を縮めると、男は大金鎚を大きく振りかぶる。恐らく、軍馬の脚を狙っているものだと思われた。しかし、それが放たれるよりも早く、サラは不死鳥を一閃させて男の喉を斬り付ける。馬の突進力も加わった強烈なその斬撃により、分厚い脂肪で覆われた男の喉は深々と斬り裂かれ、そこから噴水じみて血がまき散らされた。男はその手から大金鎚を取り落とし、がくりと両膝を地に付けると、そのままうつ伏せに倒れて動かなくなる。  すると、仲間の死に表情一つ変える事無く、今度は槍持ちの痩せ男が左手方向からサラに迫る。彼は、両手で構えた槍を突き出さずに振りかぶると、彼女の左肩の辺りをめがけてそれを横に振るった。恐らく、その()で殴打して落馬させようという魂胆なのだろう。しかし、サラは素早く腰を曲げると馬の背に抱き着くかのように上半身を深く屈め、横なぎの槍を回避した。  そのけちな攻撃をかわされた痩せ男は、自分の横を通り抜けて今やその後方を駆けてゆく獲物をしばし呆然と見つめるも、気を取り直したのか前に向き直る。そこでヴィックとその馬が迫り来るのを見た彼は、意地の悪げな笑みを浮かべて勢いよく駆け出し、ヴィックの左手方向から迫ってきた。恐らく、この新手の獲物を仕留める事で、先ほど獲物を逃した失態の憂さをはらすつもりなのだろう。  一方、ヴィックは馬を駆りながら、先ほどサラが仕留めた太った男と、今や彼に迫り来る痩せ男たちの行動を思い返す。太った男はサラの馬を狙い、痩せ男はサラの落馬を狙っており、二人とも彼女を仕留めようとはしていなかった。それが意味する事を思い、ヴィックは顔をしかめる。  もちろん、サラがこんな男どもの思い通りにされるような事は無いだろう。しかし、この連中は彼女にしようとしたのと同じ事を、これまでに何度も行ってきたと思われ、その犠牲になった気の毒な女たちはきっと、奴らに生き地獄を味わわされたに違いない。そこまで考えた時、ヴィックは己の腹の中に、何やらどす黒いものがどろどろと溜まってゆくのを感じる。しかし、(いきどお)りや殺意といった負の感情を抱きつつも彼の顔は彫像じみて無表情であった。  と、その時、甲高い叫び声が聞こえた。例の槍持ち痩せ男が、手にした槍の穂先をヴィックに向けて突進しつつ、けたたましく叫んでいたのである。恐らく、本人にとっては勇壮な雄叫びのつもりなのだろうが、場違いなほどに甲高(かんだか)いそれは、絞め殺される鶏が上げる断末魔の鳴き声か、あるいは燐家のすけべえ(じじい)に行水を覗かれた老婆の上げる悲鳴じみて聞こえ、どこか滑稽(こっけい)に感じられた。  と、彼が忍び笑いを浮かべそうになったその時。痩せ男が槍を真っすぐ突き出して来た。その穂先がヴィックの左胸に迫ったその刹那、彼は下げていた右手に構えた鉈刀(なたがたな)を振り上げるように動かして、相手の得物を()ぎ払う。がきんという音と共に痩せ男の槍は大きく()れ、彼は次の攻撃に移れるよう慌てて槍を引き戻す。しかしその一瞬後、眼前にあるものを目にして、彼は表情を凍りつかせた。軍馬は自分のすぐ(そば)に迫っており、その背には乗り手である黒髪の若者が(なた)のようでもあり、はたまた牛刀(ぎゅうとう)包丁(ぼうちょう)じみてもいる得物を振り上げていたからであろう。まるで鎌を手にした死神の姿でも見たかのように、ヴィックを見上げる痩せ男の目が恐怖に見開かれる。  一方、ヴィックは相変わらずの無表情で痩せ男を見下ろしながら、その黒い瞳に冷たい殺意の光をぎらりと宿らせた。 (――死ね)  心中でつぶやくと、彼は鉈刀(なたがたな)を痩せ男の頭に振り下ろす。と、西瓜(すいか)を叩き潰したようなぐしゃりという音が響き、痩せ男の両の眼窩(がんか)から眼球が勢いよく飛び出る。さらにその重い斬撃を放った刃は肉を叩き切り、頭蓋を割り、男の眉間にまで達した。  ヴィックは仕留めた敵の頭に深々と埋まった刃を、馬の駆ける勢いを利用して引き抜く。するとその大きく開いた傷口から、血と脳漿(のうしょう)を派手に飛び散らせながら、すでにこと切れた痩せ男の身体はどうと大地に倒れ伏した。ヴィックは振り向きもせずに刀を大きく振るい、その刃にべっとりと付いた敵の血と、少々こびり付いた不快な欠片(かけら)を払い落とし、馬を急がせる。  「主戦場」まであと二十イェルテ(約十八メートル)くらいとなった時、この厄介な騎馬武者たちを何とかしようとでも思ったのか、あらたに五人の男たちが走って向かってきた。そのうちの一人、斧を構えた男が他の四人を追い越して、頭上に(かかげ)げた斧をぐるぐると回して威嚇(いかく)しながら、ヴィックの先を行くサラの軍馬に全速力で迫り来る。しかし、馬まであと五イェルテ(約四・五メートル)くらいまで迫ったところでその足が止まる。間近に迫ったところで、改めて軍馬の大きさに気付き、圧倒されたらしく、彼の表情が恐怖に染まった。  実際、騎兵を乗せて全速力で迫り来る巨大な軍馬を間近にすれば、誰しも恐怖を覚えるものである。事実、訓練を積んだ兵士や、何度か実戦を経験した傭兵でさえも恐慌をきたすほどで、騎馬突撃からの守りに()てられた熟練の古強者(ふるつわもの)たちですら、長槍(ながやり)による槍ぶすまをずらりと立てながら、時に失禁する事があるのだという。  それほどの迫力を伴ったものを眼前に控えて、大して強くも無く、できる事といえば弱い者いじめくらいの、けちな山賊ふぜいが耐えられるはずがないと言えよう(そう考えると先刻、サラやヴィックに挑んで散って行った二人の男達は存外、度胸があったのかもしれない)。  はっと我にかえった斧持ち男はくるりと背を向け、逃げ出そうとした。しかし時すでに遅し。彼の背後に巨大な影が迫っていた。サラの軍馬である。徒歩で馬から逃げる事など、不可能だと言えよう。そして無慈悲な乗り手は目前の愚か者を避けるわけでもなく、そのまま前進する。大きな獣に踏みつけられ、男は短い悲鳴を上げた。同時に、ぼきぼきと骨の砕ける音が上がる。  うつ伏せに倒れた男は、瀕死の状態で弱々しくその身を震わせた。と、その時、背後から新たな(ひずめ)の音が聞こえる。ヴィックの軍馬だった。男は後ろを振り向く暇も無く、新たに走り来る獣に踏みにじられる。吐き気を催す、ぐしゃぐしゃという音が聞こえた後、彼は息絶えた。  その亡骸(なきがら)はしばらく観察して、ようやくそれがかつては生きた人間であった事が分かるほどに酷いありさまの「何やらぐしゃついた赤黒いかたまり」となっていたのである。まるで「床を這っていたゴキブリを踏みつけるも、まだ生きていたために何度も踏みにじって、ようやく殺す」ような周到さであると言えよう。  斧持ち男に「完膚無きとどめ」をさしたヴィックはようやくサラの馬に追いつき、その右横に(くつわ)を並べる。一方、目の前で斧持ち男が踏み殺されるのを見た四人の男たちは、恐慌をきたし、背を向けて我先に逃げ出そうとした。しかし彼らもまた二騎の騎馬武者たちに追いつかれ、ある者は斬り裂かれ、またある者は叩き斬られ、別の者は突き刺され、また別の者は踏みつぶされ、あっという間に絶命する。  ここへ来て、(いくさ)の流れが変わった。「主戦場」で護衛の若者たちと矛を交えていた山賊どもは、(ともがら)たちが瞬く間に(ほふ)られるのを目の当たりにして、もはや士気を下げつつあった。そして、押され気味だった護衛側が逆に押し返しはじめたのである。 「相手は(ひる)みつつあるぞ!」  賊どもの様子に気付いた革保護帽のリーダーが、水平に構えた剣を頭上に掲げて、目の前の敵が振り下ろした手斧を食い止めながら、仲間に向けて呼びかけた。 「今だ(みんな)! ここで一気に押し返すぞ!!」  続きを叫ぶと、彼は右足で相手の突き出た腹を蹴って、後ろに押し退ける。そして自分の呼びかけに仲間たちが口々に(おう)、と答えたのを耳にした後、彼は返す刀で、蹴られたはずみでたたらを踏んでいた男のどてっ(ぱら)を素早く横薙ぎに切り裂いた。男は血も凍るような絶叫を上げながら手斧を取り落とし、裂かれた腹から血と内臓をぶちまけながら倒れ、二、三回ほど痙攣した後、完全に動かなくなった。  そのすぐ近くにいた、()びだらけの小剣を持った小男が、仲間の死に恐れをなしたのか、小さく叫び、逃げようとする。しかしそれを見たリーダーは彼に突き進むと、背後から無慈悲な剣の一撃をお見舞いした。その背を(つか)まで通れと言わんばかりに刺し貫かれ、小男は口から断末魔の悲鳴の代わりに血を吐き散らしながらどっと倒れる。矢継ぎ早に二人の敵を始末したリーダーは、息を吐きつつ周りを見る。すると、彼の仲間たちも獅子粉塵の戦いぶりを見せており、数で勝っていたはずの山賊どもは見る見るうちにその人数を減らしてゆく。    その内、サラとヴィックもついに「主戦場」に辿り着き、敵の数減らしに協力する。やがて、気付けば生き残っているのは自分一人である事に気付いたらしい山賊の(かしら)――防護服の上に革の袖なし胴着を着た、(ちぢ)れた(ひげ)の中年男――は剣を投げ捨て、降伏した。  こうして、戦いは護衛側の圧倒的な勝利となる。しかも幸いな事に、こちら側に戦死者はおろか深い傷を負った者すら、誰一人としていなかったのであった。

 読んで頂き、大変ありがとうございます。  そう言えば、申し遅れておりました。ヴィックの得物である「鉈刀」ですが、これは英語では「Falchion」、ゲーム等では「ファルシオン」とか「フォールチョン」などの名で呼ばれる、かの刀剣であります。  さる本によりますと、「Falchion」と一口に申しましてもその形状は大まかに分けて二通りあるようで、一つは中東あたりの刀剣じみて刀身が湾曲したもの、もう一つは刀身が真っすぐかつ先端が広いものです(映画「1■日の■曜日」シリーズの仮面の殺人鬼、ジェイ■ン・ボー■ーズ君が好んで使う、マチェットとかいう蛮刀じみた鉈に、何となく形が似てます)。  ヴィックの「鉈刀」は後者のタイプとしておりまして、それは「Conyeras Falchion(コンヤーズ・ファルシオン)」というのだそうです。もし「『鉈刀』って、どんなんだ?」と思われた方。恐縮ながら、お時間ありましたら「Conyeras Falchion」で画像検索してみて頂けましたらば幸いかと……。

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  • 文豪猫

    夢華 沙紅也

    ♡500pt 2021年9月2日 7時33分

    う~ん、さすがのバトル描写ですね😍とてもイメージしやすい文章で、めちゃくちゃ面白かったです😆鉈刀への補足もありがたい🥰次回も楽しみにしております☺️

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    夢華 沙紅也

    2021年9月2日 7時33分

    文豪猫
  • ドワーフ親父

    須留米(するめ) いかを

    2021年9月2日 17時14分

    読んで頂き、ありがとうございます。個人的に戦闘描写は苦手で、四苦八苦しながら書いたものですが、勿体なきお褒めのお言葉を頂き嬉しく存じます、ありがとうございます! 次回もなにとぞ、よろしくお願いいたします。

    ※ 注意!この返信には
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