魔童貞殺し

読了目安時間:9分

エピソード:19 / 34

盗賊団

「そうだったのかい」  自分はかつて盗賊団の一員だった、というヴィックの告白に、サラはそれがどうした、とでも言わんばかりの表情で感想を述べる。それを受けて、ヴィックは拍子抜けした気分になった。 「え、ええと、それだけかい? てっきり、軽蔑される事を覚悟していたんだが……」 「軽蔑なんてしやしないさ」  サラは苦笑いを浮かべて答える。 「そりゃ、あんたが快楽殺人鬼だとか変態強姦魔だっていうんなら、軽蔑するけどさ?」 「そう言ってもらえて、ほっとしたよ」 「それにしても、あんたが元、泥棒一味だったなんてさ。何とも意外だねえ」 「ああ、それなんだが。『盗賊団』なんて呼ばれてるが、あれは昔の名残(なごり)で、実際は裏稼業(うらかぎょう)集団(しゅうだん)、といった感じかもしれないな――」  ヴィックはサラに説明する。  ラドルヌスの「盗賊団」こと<多彩(たさい)なる(けもの)団>は、結成当時――百年前とも二百年前とも言われている――は、「盗賊」の名に恥ずべき事無く(?)すりや空き巣などを生業(なりわい)としていた。しかし、ある程度稼ぎが貯まると、その手の稼業から身を引いて、今度は儲けた金を元手に娼館や賭博場、それに高利貸しといった「世間的にあまり良い目で見られない商売」の経営をはじめたのである。それが軌道に乗り始めると、やがて彼らの考えも変わって来る。  かつては盗人(ぬすっと)稼業(かぎょう)で街を荒らし回って来たわけだが、商売をはじめてからは、商業都市であるこの街が平和に保たれ、潤っている方がむしろ儲かると気付いたのだ。そこで彼らは、街で(あるいは街の近くで)悪行を行う者を見つけて捕らえ、「上納金」や「慰謝料」を払わせた上で、見どころある者は配下にしたり、そうでない者に対してはそれなりの「処罰」を下すようになった。こうして、彼ら<多彩(たさい)なる(けもの)団>は裏社会の(おさ)としてラドルヌスに君臨するようになったのである。 「なるほどねえ……」  ヴィックの言葉にサラは相槌を打つ。 「確かに、それじゃあ泥棒だとは言えないね?」 「ところが一応、団員はすりや『錠前(じょうまえ)(やぶ)り』の技なんかを教わるし、『お得意様』からの依頼を受ければ、それらの技を駆使して盗みを働くのさ。だから『盗賊でもある』、と言えるかな」 「『お得意様』って、何なんだい?」  サラの質問を受け、ヴィックは再び説明を行う。  <多彩(たさい)なる(けもの)団>が、裏からラドルヌスの秩序を守っていると知られるようになると、街の大物たちが彼らに興味を持ち、接触を試みるようになる。その大物とは、街の領主である伯爵家や、その配下の貴族たち、あるいは街の(まつりごと)を行う評議会員、そして街の財力に大きく貢献する、商人組合員の上層部である、富豪たる大商人たちといった面々であった。  やがて<多彩(たさい)なる(けもの)団>はそう言った面々から時に「依頼」を受けるようになる。その内容は、街の秩序を乱すような行いをしでかしたり、あるいはしでかそうと企んでいる者――たいてい貴族や富豪、評議員やそれらに近しい者、といった身分が高いがために裁かれにくい大物たち――に、「処罰」や「警告」を与えるというものだ。  具体的な内容は、対象から何かを「盗む」事なのだが、罪の重さでその程度は変わる。例えば、罪があまりに軽ければ、財布をすられる程度で済むのだが(とは言え、その程度で済む事は滅多にないのだが)、もっと重い罪だと財産のいくらかを、あるいは神々をも恐れぬような重罪ともなると全財産に加え、対象の命までもが奪われてしまうのだ。  もっとも、これらを行うにあたり、まず「対象が本当に罰を受けるに値するかどうか」を入念に調べた上で依頼を受けるか否かが決まる事になっている。<多彩(たさい)なる(けもの)団>は、いくら依頼料を積まれようとも、決して依頼者の私怨だけのために、罰するに値せぬ「罪なき者」から盗みを働いたりはしないのであった。 「へえ……」  ヴィックの説明を聞き、サラは驚きとも呆れともつきかねない表情でうなずくと、彼女なりの見解を述べる。 「それじゃあ、言うなれば『泥棒(どろぼう)()』さんだったんだね?」  サラの言い回しに、ヴィックは苦笑を漏らしつつ答える。 「確かに。依頼されて、報酬付きで盗むんだから『泥棒屋』だな?」 「けどさ、ヴィック。あんた、最初(はな)から泥棒屋やってたわけじゃないんだろ?」  なんでそうなったか事情は知らないけど、あんた、貴族とか富豪の家の生まれなんじゃないのかい、と問う彼女を、ヴィックは目を丸くして見つめた。 「そこまで金持ちじゃないが、生まれついての盗賊じゃない事は確かだ」 「やっぱりね」 「まあ、中堅くらいの商人の家だったから、中産階級ってところかな。しかし、良く分かったな?」  ただただ驚くヴィックを見てサラはにこりと微笑むと、思い出したように手元の酒杯を手に取り、白葡萄酒(しろぶどうしゅ)を一口飲む。 「――あ。おいしいよ、これ?」  その感想を聞き、ヴィックも彼女にならう。 「本当だ。赤より、こっちのがいい。ここのは渋みが気にならなかったとは言え、やっぱり、それの無い白の方が飲みやすいな?」 「あたしも同感だね」  二人はしばし無言で飲み続け、気付けばお互い、杯を空にしていた。ヴィックは酒壺の中身を注ぎ、二人の杯を再度満たす。 「――そう言えば、さっきのあんたの問いなんだけどさ」  サラは杯の中身をちびりと舐めるように一口飲んでから続けた。 「何で分かったかって言うとね。あんたの仕草とか見てると、育ちがいいなって思うんだよ」 「そうなのか。自分では分からなかったが?」 「あと、人が良いってのもあるね。正直、こんなお人好しに、よく裏稼業が務まったなって思うよ」 「そう言えば当時、仲間から同じ事を言われたよ……」  ヴィックはかつての仲間であったとある女の顔を思い浮かべ、ほろ苦い気持ちに浸りかけるもすぐにそれを頭からかき消し、告げた。 「お人好しなのはきっと、親父から受け継いだんだろうな」 「じゃあ、あんたのお父さんも人が良いのかい?」 「良い、と言うか良かった、と言うか。いや、『良い人だった』、と言うべきかな……」  ヴィックの言葉を聞くとサラははっと息を飲み、頭を下げる。 「ごめんよ……」 「いや、気にしないでくれ」 「じゃあ、あんた。お父さんを亡くしたから、裏稼業に……?」 「まあ、そんな所かな」  ヴィックは再び話し始める。  彼の父、商人であるロニ・ケレドゥローネを知る人は皆、彼の事を「人が良い」と評していた。しかし、ヴィックは知っていたのである。父の知り合い達は、本人のいない所ではロニの事を「お人好しのうすらばか」と言って嘲笑(あざわら)っていた事を。  そしてヴィックが七歳の時、ロニはその呆れるほどのお人好しのために破滅する。父の友人の、破産しかけていた商人に頼まれ、ロニは周囲の者達が止めるのも聞かずに、その友の借金の保証人になったのだ。その結果、友人は夜逃げし、保証人になったロニは借金のかたに財産のほぼすべてを奪われる事になる。しかし、小さな借家に住まうようになっても父はめげずに「命があるだけ、まだましだ」などと呑気に笑っていたのだった。そんな夫に愛想をつかし、ヴィックの母は彼の妹を連れて実家に帰ってしまう。だが、ヴィックは父の元に残る事を選ぶ。なぜなら、愚かしいほどのお人好しではあっても、善良で温厚な父を彼は愛していたからだ。  そんな彼に父は、これから行商として身を立てる事を告げ、借家に彼を残して荷馬車に乗って旅立って行く。とびきりの葡萄酒(ぶどうしゅ)を仕入れて来るからな。きっと街で飛ぶように売れるさ、などと相変わらず呑気な事を言い残して。しかし、一週間経っても、半月経っても、ついに、ひと月が過ぎても、父は戻ってこなかった(恐らく、山賊ふぜいに襲われて殺されたのだと思われていた)。さらには家賃未払いのかどでヴィックは大家から家を追い出されてしまう。  だが、そんな彼を探してやって来た者がいたのである。その者こそ、<多彩(たさい)なる(けもの)団>の当時の首領、<金色マムシ(ゴールドヴァイパー)>こと、アルバーノであった。  アルバーノはロニには恩があったらしく、その恩人の息子を見捨ててはおけない、と言ってヴィックを引き取る。彼は息子がいたにも関わらず、ヴィックの事も自分の実の子のように育て、彼の息子もまた、ヴィックを実の弟のように可愛がってくれたのだ。そしてヴィックもまた、二人の事を実の親兄弟のように慕い、特にアルバーノに対しては、自分の事を救ってくれた恩を忘れる事は無かった。  だからこそヴィックが十歳になった時、彼を知り合いの商人に預けようとしたアルバーノに反対し、<多彩(たさい)なる(けもの)団>の一員になる事を強く望んだのである。例え、裏社会に足を踏み入れる事になろうとも、アルバーノとその息子の間近で、そして同じ立場で、恩を返したい、そう思っての事だった。 「そんな事があったんだね……」  色々苦労したんだね、と言うと彼女は白葡萄酒(しろぶどうしゅ)を一口飲む。 「けど、お父さんのお人好しのお陰で、救われもしたじゃないか?」 「それなんだけどな――」  ヴィックも白葡萄酒(しろぶどうしゅ)で喉を潤すと、続けた。 「恐らく、アル――アルバーノの事だが――の言った、彼が親父に恩があったというのは嘘だろうと思ってる」 「どうしてだい?」 「後で知った話だが、逃げた親父の友人ってのは、高利貸しから金を借りてたらしいんだ――」  ヴィックは自論を話す。  彼の父、ロニはその保証人になっていたために、それを肩代わりせざるを得なくなった。そして、その高利貸しを経営してるのは<多彩(たさい)なる(けもの)団>である。その首領だったアルバーノは、保証人であるロニから金を取り立てた事が彼を死なせる結果となり、そして、さらにその息子までもが窮地に立たされた事に、心を痛めたのではないだろうか、と。  ヴィックの話を聞いたサラは、眉をしかめながら問い返す。 「それが本当なら、あんたにありのままを話すんじゃないのかい。どうしてそんな回りくどい事する必要があるのさ?」 「そりゃきみ、アルが裏社会の人間だからさ」  不思議そうな顔をしているサラに、ヴィックは説明する。 「おれの親父は人が良かったかもしれないが、疑うべき相手の保証人なんかになって破滅したのは、自業自得と言えるだろう」  彼は唇を噛みしめる思いで言うと、続けた。 「とは言え、その結果、殺されるはめになった事や、それでおれを孤児にしてしまったと聞いて、さすがに心を痛めたんだろうな。だが、非情な裏社会の人間にとって、慈悲深さは『甘さ』であり、即ち『弱さ』であると見なされる。やくざ連中を統括するアルにとって、弱さを見せるわけにはいかなかったんだ。  しかし、『実は親父は恩人だった』って事にしておれを助けたのなら、それは弱さと見なされず、むしろ『美徳』とされるんだ。なぜなら非情な裏社会にあっても、恩義はおろそかにはできないものだと考えられているからな」 「なるほど。裏社会ってのも色々面倒なんだねえ」  感想を述べた後、サラは微笑しながら言った。 「けど、そのアルバーノって首領さん、悪党かもしれないけど、人間らしい心を持ってた人だったんだね」 「ああ。おれの恩人であり、尊敬すべきもう一人の父親でもあったよ……」  そう答えて少し悲しげな表情を浮かべるヴィックを、サラはじっと見つめて訊ねる。 「そう言えば道中、ジュスティアーノさんが今の首領になってから盗賊団は外道になった、なんて言ったけど、どうしてそんな事になったんだい?」  アルさんには息子さんがいたそうだけど、彼は首領にならなかったのかい、と質問する彼女にヴィックは答えた。 「それについても、話すよ。おれが、かの団を抜ける事になった顛末をね――」  そう言うとヴィックは長話に備えて、白葡萄酒(しろぶどうしゅ)で喉を潤したのであった。

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