#3

第3話 秘密と約束

帰り道、友里と別れた大真は 叔父さんと叔母さんの待つ 家へと向かっていた。 「そうだ1本連絡入れとかないとなぁ」 大真は立ち止まりズボンのポケットから ケータイを取り出す。 ピロリン♪ 不意に通知音が鳴る。 画面を見ると一通メールが届いていた。 「なんだこのメール?」 大真のケータイに届いたメールにはこう書かれていた。 『茜に染まる山間に、響き渡るは  悲しき悲鳴。重い思いが伸し掛かり  息もできずにもがくのみ。  流れる水が血に染まり、終わることなく  いつまでも・・・。』 一見詩のようにも見えたが、大真はこのメールを見て 何かに気づいた。 「これって・・あの日の・・・一体誰がっ」 その瞬間、不意に後ろに人の気配を感じた。 恐怖のあまり大真は、急いでに家に戻り 叔母さんたちへの挨拶も早々に階段を駆け上がり 自室へと逃げ込んだ。 「さっき・・確かに後ろに誰かいた・・」 大真は一度自分を落ち着かせるためにベットに横になり深く 目を閉じると、ゆっくりと深呼吸をする。 「すぅ〜はぁ〜・・・落ち着け俺。  きっと近所の人か、野良猫でもいたんだろう・・」 正気を保つには自分を無理にでも納得させるしかなかった。 大真は起き上がりベットに腰掛けると、 自宅から持ってきたバックを漁る。 「あった・・・」 バックの内ポケットから彼はあるものを取り出す。 「ここに来るときに、何故かこれも持って行こうと  思ったんだよな・・」 それは1本のシャーペンだった。 オレンジと白のストライプ柄で尖った先の方には 赤黒く錆びている。 「・・あの日のまま・・」 シャーペンを眺めていると、窓に何かがあたる音がした。 コツン コツン コツン 何か小さなものが窓のあたるような。 大真は恐るおそるカーテンを開けて、外を見た。 すると下から小石が飛び上がって窓をノックしている。 「下に誰かいるの・・・・」 大真は窓から下を見下ろして言葉を失った。 そこには昼間一緒に遊んでいた日乃空が真っ暗な中 たった一人でこちらを見上げていたのだった。 (あいつ何やって・・・やっぱりさっき後ろに 感じた気配は・・・) 大真が固まっていると日乃空は少し笑って、 彼に向けて何かをつぶやくと、その場から去って行った。 「あいつ今なんて・・・」 プルルル♪プルルル♪ 窓際で立ち尽くしていると、ケータイが鳴った。 着信画面を見ると日乃空からだった。 大真は怖くなってケータイに出られなかった。 プルルル♪プルルル♪プルルル♪プルルル♪ プルルル♪プルルル♪プルルル♪プルルル♪ プルルル♪プルルル♪プルルル♪プルルル♪ なんどもなんども鳴り続ける着信音。 すると着信音は留守番電話にいきり変わった。 ピィー 「約束・・約束・・約束・・約束・・約束・・  約束・・約束・・約束・・約束・・約束・・  フッハハハハハハハハハハッ」 ガチャッ プープープー 大真は身を屈めていることしかできなかった。 ドアの方から声がした。 「たいちゃん?大丈夫かい。すごい勢いで  二階に上がって行ったもんだから  気になって見に来たけど、入ってもいい?」 「はっはい、どうぞ!」 ドアが開くとそこには、心配そうな顔の 叔母さんが立っていた。 「何かあったの?」 「あぁ〜いえ大したことじゃないですよ、  さっき外で友達と電話してたら少し口論になって」 「それで気が立ってたんだね、それならいいんだけど。  そう言えばさっき、日乃空ちゃんが玄関まで来ててね  おばさんからたいちゃんに渡しておいてって  これ預かったのよ。」 叔母さんはそう言うと片手に持っている紙袋を 大真に手渡す。 「えっ日乃空が来てたんですか?」 「ええ、なんでも昼間たいちゃんと少し喧嘩しちゃって  謝ってなかったから、そのお詫びにって」 「そっそうですか・・」 「まぁ、昔からの仲なんだから友達は大事にね♪  お夕飯はもうできてるから、早く降りてらっしゃいよ」 叔母さんはそう言って部屋を出ると階段を降りて行った。 「日乃空・・一体何を俺に・・・」 大真は叔母さんから手渡された紙袋をそっと開けた。 「これって・・・」 紙袋の中には数枚の写真が入っていた。 「なんで俺と乃明のツーショットの写真をあいつ・・」 それは大真がまだこの町にいた頃に乃明と撮った ものだった。 「んっ?まだ何かあるな」 大真は紙袋の中のあるものを取り出した。 「手紙っ?この字は・・日乃空かっ」 写真と一緒に入っていたのは日乃空からの 手紙だった。 開いてみるとこう綴られていた。 大真へ 昼間は怒鳴ったりしてごめんなさい。 大真からあの話が出るなんて思ってなくて、 他のみんなもやっと『アレ』を乗り越えて 平穏に過ごしていたから正直かなり動揺したの。 それに、警察の人たちが最近この町で 『アレ』について聞き込みしてるみたいで、 私ますます不安で・・・。 でも、誰よりも辛いのは大真だよね。 私もみんなもわかってるから。 本当だったら直接謝りたかったんだけど、 怒鳴ってちゃったのもあって 顔合わせにくくて、手紙での謝罪になっちゃったけど 許してもらえるかな・・。 あと、大真が中学を卒業するときに渡すはずだった あの子との思い出の写真も入れておきます。 暮西 日乃空 追伸 友里ちゃんと電話で何を話してたの? ヘヤピンの話だよね、そうだよね? 大真は目疑った。 「友里との電話のことをなんで日乃空が・・」 大真が町に戻る前日に友里と電話で話したこと、 自分と友里の二人以外絶対に知りようのない 電話の内容を日乃空は知っていた。 翌日、大真は昨日のことが気がかりで 外に出る気力すらなかった。 コンコン♪ 「たいちゃん♪起きてる?  もうお昼だけど〜」 ドアを軽くノックして叔母さんが入ってくる。 「あぁ、おはようございます。  すみません、昨日はなんだか眠れなくて  起きるのが遅くなってしまって。」 「あらそうだったの、寝不足のとこ悪いんだけどね  スーパーでお醤油買って来てくれないかしら?  昨日の夕飯の煮物で使っちゃってもう空なのよ。  それにあたし、今から婦人会の集まりがあってね  頼めるかしら?」 「もちろん、いいですよ!」 「あら、嬉しい♪たいちゃんがうちの子なら  良かったのに〜アッハハハ♪  じゃあお願いするわね、これ買い物袋とお金。  今日はお昼用意できなかったから、  たいちゃんのお昼代も入れてあるわ。  お外で好きな物食べてきてね♪」 「はい、ありがとうございます。」 「15時には戻るから、それまでお留守番よろしくね。  それじゃ行ってきます♪」 叔母さんはニコニコしながら大真の部屋を出ると、 そのまま出かけて行った。 大真もニコニコと笑って見送った。 「さて、出掛けるとするか。  スーパーは駅の近くだったよな。」 多少家からは離れているが、歩いていけない 距離でもないので大真は買い物袋と財布を持って家を出た。 高い建物なんてほとんどないので、 日の光が容赦なく大真の体を襲う。 ふらふらと歩いていると、不意に後ろから 声をかけられる。 「あのすみません、斎藤大真さんでお間違い  ないでしょうか?」 「はっはい、そうですけど・・あなたは?」 「あぁ〜いきなり呼び止めてすみません。  申し遅れました、私隣町の警察署の刑事で  日津見 知人といいます。  斎藤大真さんあなたに少しお聞きしたいことが  ございまして、お時間はとらせませんので  2、3質問よろしいですか?」 「・・・わかりました。」 「外ではなんですので、私の車でお話を  すぐそこに止めてありますから。」 大真はあたりを警戒しながら日津見の車に乗り込んだ。 「ご安心ください、この辺は滅多に人は通りません。  お聞きしたいことって言うのは、これのことなんですよ。」 そう言って日津見が取り出したのは 友里が電話で言っていた、オレンジのヘアピンだった。 「これがこの町の名所としても知られる、  ほらここからでも見えるあの山。確か名前は〜」 「与域山・・・」 「そうそう与域山!その山中で見つかったんですよ、これ。  まぁ登山客や地元の人の落とし物かもしれないの  ですがね、少し気になりましてね〜今調べてるんですよ。」 「・・調べてるって何を?」 「この町で起こった神隠しについて。」 大真は少しうつむいた。 「ん〜まぁ〜知らない訳はありませんよね、  当時は地元でもニュースにまでなって幾度となく  取材班やらがこの町に来てましたから。  与域田 乃明さん、あなたとは中学まで  同じ学校に通っていて仲も良かったとか。」 「ええ、よく遊んでましたよ。  家族ぐるみの付き合いでしたから・・・」 「そうでしたか、こんな話本当なら避けるべき  なんでしょうが、これが仕事ですからね。  率直に聞きます、与域田 乃明さんが消えたあの日  あなたどこで何をしていました?」 「俺は・・あの日、学校から自宅についてすぐに、  自転車でいつも友人数人で集まるひまわり畑に  行きました。」 「ひまわり畑?この町にそんな場所あるんですか?」 「与域山の裏にあるんです。昔から地元の子供たちには  人気の遊び場ですよ。地元の人しか知らない場所です。」 「ほぉ〜それは興味深い、でぇ〜時間の方はどうですか?」 「着いたのが夕方の17時頃で、そこから2時間ほど友人たちと  遊んでました。」 「なるほど、その時いたお友達のお名前は  教えて頂けますか?」 「・・・・・」 「あぁ〜斎藤さん?」 大真は他の4人の名前を言うのを躊躇った。 そして一瞬だが脳裏に日乃空の顔が浮かんだ。 「あの俺そろそろ買い物に行かないとっ」 「あぁ〜そうでしたねぇ。  貴重なお話ありがとうございました。」 「それじゃあ・・・」 大真は車を降り、あたりを見回した。 「あの〜斎藤さん、これ私の電話番号です。  もし何か思い出したり、気になることが  ありましたらいつでも御連絡ください。」 「あぁ、わかりました。」 「あぁ〜後もう一つ」 日津見はそう言うと、大真の耳元でこう告げた。 「あくまでもこれは私の推測なんですが、  与域田 乃明さんは既に亡くなられてると思うんですよ。  そしてこれは事故でも自殺でもなく他殺ではないかと。」 「・・・それじゃあ犯人は・・・」 「この町の人物でしょう、しかもあなたの  お知り合いの中にいる可能性が非常に高いと  私は踏んでます。」 「なぜ・・そう思うんですか・・」 「あなたが来てから既にこの町で2人死んでるんですよ。  しかもあなたが来たその日のうちにね。  遺体が見つかったのは駅から少し離れたとこにある  神社の裏手でした。うちの警官なんですがね、  それはもう酷い有様でして。ただ不思議なことに  二人分の頭部が未だに見つかってないんですよ。」 「・・そっそれじゃあ・・・」 「お気をつけて・・・」 大真は怖くなり夢中で走り出した。 スーパーに着き中にはいるやいなや、 大真はトイレへ駆け込んだ。 「ヴッ・・うっくっぐっおえぇぇえゲホッゲホッ  あの首・・・見つかってないっ・・・」 彼の脳裏には昨日の夜に見た日乃空の顔が浮かび、 そして友里との会話、日津見と言う刑事の話、 それぞれのピースが一気に大真の中でつながり始めていた。 「はぁはぁ、とりあえず頼まれた買い物を・・」 大真がトイレから出て買い物をしていると 向こうからこちらに笑顔を向ける女子がいた。 「大真くん昨日ぶりだね♪一人でお買い物?」 「あぁ、叔母さんにおつかい頼まれてな。  ミヨも一人か?」 「そうなの、近くまで来たからついでに  今日の夕飯の買い物をと思ってね♪」 ニコニコとどこか照れ臭そうに笑うのは、 大真の後輩の夕四ミヨだった。 「ミヨはおばあちゃんと二人暮らしだったよな、  おばあちゃん元気か?」 「うん、今年で72歳になるけど相変わらず元気だよ。」 「昔はよく叱られたよなぁ〜アッハハ」 「そうそう、大真くんよく私達のこと庇って  代わりに叱られてくれたっけエヘヘ♪」 「おばあちゃんもかなり厳しかったよな、  門限を1分でも過ぎたら縁側に正座だったよな。  俺も何度正座させられたことかっアッハハハ」 「本当は私たちが遊びすぎて遅くなったのに、  大真くんは『俺が連れましてたから、罰なら俺が受けます』  って代わりに正座してくれたよね、あの時はごめんね♪」 「まぁ、今となっては懐かしい思い出のひとつだけどな。」 二人は思い出話に花を咲かせ、そのままレジへと向かうと 支払いを済ませスーパーを出た。 「じゃあ、大真くんまたね。」 「おぉ、気をつけてな〜」 ミヨは大真に大きく手を振ると、山手の方へ帰って行った。 「そうか、ミヨの家は山の方だったけ。  あの大荷物を結構な距離歩いて帰るのは大変だよな・・  よしっ」 大真は彼女を追いかけ声をかけた。 「お〜い、ミヨ!」 「ん?大真くんどうかしたの?」 「いやさぁ〜ミヨの家山の方だろう、ここからだと  結構距離あるし女子一人がその大荷物じゃ  大変だろ?俺が家まで持ってやるよ。」 「えっいいの?大真くんのお家から離れちゃうけど・・」 「いいって、久々におばあちゃんにも会ってみたいし♪」 「ごめんね、私いまだに自転車乗れなくて  どこ行くにも基本的に徒歩だから。」 「散々ひまわり畑で練習したのになぁ〜アッハハハ  今年もたくさん咲いてるのかな?」 「きっと咲いてると思うよ・・」 「ん?どうしたミヨ。」 「えへへ、なんでもないよ♪」 大真はひまわり畑の話の際にミヨが一瞬見せた暗い顔を 見逃さなかった。 二人で話しながら歩いているとミヨの家に着く 「しかしあの坂道を毎日歩きとは、ミヨも大変だな。」 「まぁね、あのよかったらお昼家で食べていかない?  もっと色々お話ししたいし♪」 「いいのか?玄関先でおばあちゃんに挨拶したら  帰ろうと思ってたんだけど。」 「おばあちゃんもきっと喜ぶと思う♪」 ミヨはニコニコと笑うと玄関を上がり、 家の中へと走っていく。 「おばあちゃん、ただいま!」 「おぉ、おかえりミヨ。」 「実はね、買い物の途中で大真くんに会って  玄関まで荷物運んでくれたんだよ♪」 「大真?あいつ帰って来とるんか。」 「夏休みだから一ヶ月はこっちにいるんだって♪」 「そうかい、ほんじゃちぃと顔でも見とこうかね。」 「私はお茶の準備しとくね♪」 大真が玄関で待っていると、奥からミヨとおばあちゃんが 出てきた。 「おぉ〜久ぶりやねぇ、あの悪そう坊主が  こげん大きゅうなって〜」 「ご無沙汰してます、おばあちゃんもお元気そうで。」 「昔に比べたら礼儀もきちんとしとる。暑かったやろ  上がっていきんさい。」 「それじゃあ、お邪魔します」 中に入るとミヨが人数分のお茶をテーブの上に用意していた。 「まぁかけんさい、お昼はまだやろ?」 「あぁ、スーパーで買ったのがありますからお気遣いなく。」 「そうけ、ならあたしらも食事にすっかね。  ミヨ今朝の残りば出してきんさい。」 「はーい♪」 おばあちゃんに言われミヨは台所の方へ走っていく。 「大真、最近なぁこの辺を警官やら刑事が  聞き込みをしちょってなお前のとこにも来たか?」 「・・ええ、刑事の方に幾つか質問されました。」 「・・そうかい、実はな家にも刑事が来てな  色々聞いていったんよ・・・与域田さんとこの娘さんの  ことでな。」 一気に部屋の空気が重くなる。 「帰って来て早々に嫌なこと思い出させたな、すまなんだ。  しかしなぁ、あれからもう1年か。」 「まだ見つかってないんですよね・・乃空。」 「あん時は乃空のご両親、叔父と叔母、近隣住民が総動員で  探して回っとったな。山に各家々に至るまで」 「警察も動いてくれてましたね。・・でも結局は  なんの手がかりもなかったって・・」 「無念でならんよ。家のミヨも一時期えらく  塞ぎこんどったしなぁ。」 二人が話しているとミヨが台所から戻ってきた。 「お待ちどうさまです、じゃあ食べようか♪」 「大真もよかったら食べな、ミヨの料理の腕前は  この夕四鈴音が保証する!」 「それじゃあいただきます。」 「いただきまーす♪お客さんなんて久しぶりで  なんか嬉しいなぁ。」 ミヨは嬉しそうに笑う。 「お粗末様でした♪」 「ふぅご馳走様でした、洗い物手伝うよ。」 「うん、ありがとう♪」 二人は台所で洗い物をしながら話をしていた。 「さっき二人の会話ちょっと聞いちゃったんだけど、  乃空ちゃんのこと・・・刑事さんが調べてるみたい・・」 「隣町の刑事さんだろ、日津見とか言うさぁ・・・  ヘアピンが見つかったんだってな。」 「私も刑事さんから見せられた時は正直動揺したよ・・  与域山の中で見つかったんだってね。」 「ミヨは他に何か話した?」 「当時どこで何してたか、友達は何にだったとか  変わったことはなかったかとか・・・」 「山にはもういってないんだろ?」 「大真くんが引っ越してからは、山は大人と一緒でないと  入っちゃいけませんって学校や町内会で決まってね。  子供だけじゃ今はもう入れないよ。あのひまわり畑も・・」 「山の裏手にあるからな・・・っと長居しすぎたな  俺そろそろ帰るよ。」 「またいつでも遊びに来て!」 大真はおばあちゃんとミヨに挨拶をし、夕四家を後にした。 「ミヨのとこにも来てたのか・・やっぱり  あの、日津見って刑事に過去のことを話したほうが・・・」 大真が一人考え事をしながら歩いていると、 少し先の曲がり角からこちらを見つめる人物がいた。 「日乃空・・なんであいつが・・」 大真はその場から逃げ出そうと思った。 しかし、あろうことかここは大きな一本道。 引き返すのと怪しまれるし、このまま進めば 必ず日乃空と出くわすことになる。 「しかたない・・・」 大真は意を決して日乃空のいる方へ歩いていく。 その間、彼女はじっとこちらを凝視している。 そして大真がちょうど曲がり角に差し掛かった時、 「昼食美味しかった?」と声をかけられた。 「えっ・・・なんで・・」 「ミヨちゃんは料理上手だからね、きっと美味しかったよね?」 「・・・日乃空はこんなとこで何してんだ?」 「刑事さんとも話してたよね?アレについてさ」 大真は固唾を呑んだ。 日乃空は朝から今になるまでずっと、彼をつけていたのだった。 「約束やぶったら嫌だよ・・それじゃあね。  叔母さんによろしく・・」 そう言い残すと彼女は一人で自宅の方へと帰っていった。 「あいつ・・・ずっと俺をつけて・・・」 大真は途端に怖くなり副島家へと帰った。 ガチャ 彼が玄関ん扉に手をかけると、すでに鍵が開いていた。 「あれ、行く時は閉めて行ったはず・・」 大真は不審に思いそっと中へに入った。 玄関には叔母さんの靴が脱いであった。 「なんだ叔母さん帰ってきてたのか、鍵もかけずに  不用心だなぁ〜」 大真はホッと胸をなでおろし、 明かりついた居間の方へと進んだ。 「叔母さん玄関開けっ放しでしたよ」 彼が居間に入ると叔母さんがソファーに座って テレビを見ていた。 「随分早かったですね、頼まれたお醤油台所に  置いておきますね・・ん?叔母さん?」 大層は不審に思い叔母さんの方を軽く叩いた。 すると、叔母さんはゆっくりと横に倒れた。 「叔母さん・・・・うっ・・うああああああああああ!!!」 彼が叔母さんの前に回り込んで見ると、 叔母さんの体はお腹から裂かれ中からは内臓が 引きずり出されており、顔は血まみれで皮を剥がれていた。 つづく

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