講評道場Ⅱ【休業中】

佐竹 めぐる様「巨大毛玉の不幸進化論~巨大毛玉をモフっていたら毛玉が美少女になりました~」(辛口)

 馴染みやすい文体で主人公の喜怒哀楽を交えつつ「毛玉」ことケサラとの交流を描く本作は、その怪しげなタイトルと裏腹に多くの人に読みやすいものなのではないかと思う。  しかし、それは単なる文章として消化されることを言うのであって、本作が何ほどのものを伝えようとするのかは未だ不明であり、先行きは限りなく不透明である。それは期待感というより不安定なもろさであり、確たる芯のありかがわからない/触れられないことに起因する。というのも、本作は正体不明な要素・情報が多すぎるのだ。ケサラの存在意義を伏せておくのは良いとしても、「不幸の素」の定義と位置づけ、主人公とケサラの関係性、「毛玉」の意味、「社畜」という設定と主人公の人格…。その多くが自明なものとして、しかも雪崩式に与えられるので読者は混乱するに違いない。  ゆえに作者においては、折角のこの馴染みやすい文体を馴染みやすい作品へと練磨しようというならば読者に設定の説明を丁寧に行うべきではないか、そう提案したい。無論、それを文章に織り込んで一つの作品に仕上げる必要があるのは言うまでもない。あるいは、いっそ文章の構成を練り直しても良いだろう。今は時系列に語られているが、この時間軸を多少いじっても面白いのでは。ケサラの重要な要素として成長があるが、それを逆手に取るのも一興だろう。いずれにせよ、作者が工夫すべきは説明と構成、その二つが取っ掛かりとなると思われた。

https://novelup.plus/story/928295411

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