魔女とよばれた悪役令嬢は剣を選びました

part20

「やはり、俺は知ろうとしていないでただ逃げていただけなのかもな」 「今から知っていけば良いのではないでしょうか」 「もしかしたら知るには遅すぎたのかもしれない」  「知ろうとすることに遅いも早いも無いと俺は思いますが」 「え?」  また余計なことを言ったと感じた私は自分に喝を入れるためにテーブルにおでこをぶつけた。  それを見ていたマークはかなり動揺したようで、即座に私に近寄って来た。 「ローズ!いきなりどうしたの!?」 「なにもない、気にしないでくれ」 「いや、気にしない方が逆に無理だと思うけど!?」  私は「クロッカス先生、すみません。先程の言葉は独り言なので気にしないでください」の一言と、心配してくれたマークをその場に残して席を立った。  少し残してしまったオムライスとスープとデザートのりんごをカウンターに持っていく。勿体無いことをしたと感じるが、あの場に居れば話は長くなってしまう。ボロを出してしまう恐れを考えればこの場を離れるのが妥当の選択だとこの時の私は考えた。  ◆  あの日以降、状況が一変した。  クロッカスは何かあれば私に関わってくるようになった。なぜかと考えた時、真っ先に思い浮かぶのが「気に入られた」と「私がイベリスだと勘付かれた」だが、イベリスだと勘付かれていれば関わって来るはずが無いので前者だと思われる。  今思えば、私はクロッカスに対して様々な話をしたが、それらはクロッカスにとって求めていた「何か」または「答え」だったのかもしれない。だからこそ、私に関わってくるし、何かと気にかけてくれる。  そして、今のところ「イベリス」の名前は一度も出てきていないので、ちょっとやそっとの失態では「イベリス」という単語が出てこないのではと感じている。そのため、最近は気を張りすぎないで接している。正直、気を張るということはそれなりに体力を使うので、気を張らないで済むのなら張らないにこしたことはない。  そしてあの日以降、マークにも変化が起きた。  彼はさらにクロッカスに対してツンとすることが多くなり、私が毎回止めに入るぐらいには悪化している。何が気に入らないのかは不明だが、元々貴族に対して良いイメージを持っていなかったので、もしかしたら貴族であるクロッカスが気に入らないのかもしらない。 「あれが魔王か」  後、加護感知石粉砕時の噂は効力が消えるどころが効力を増して健在である。

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