劣等騎士にSSS級ゲーマーが乗り込んだら、課金スキルとゲームの力で無双になりました。

不機嫌なお嬢様と質素な部屋

 3  ――時刻を再び、『ハルト着替えガン見事変後』へと針を進める。 「変態、ここを使うと良い」 「おお! 質素」 「ふん! ささっと入れだっちゃ」 「――痛い! 痛い!」  着替えをガン見されてまだ腹の虫が収まらないここの主の娘に囚人の如く案内されて、ラッキースケベはケツを連続に蹴られて押し込まれた。 「馬鹿め、平民風情に高級な部屋をあてがうわけないだっちゃ。凄い感謝はしているが、まだ、お前の事を勘づかれる訳にはいかないんだ。諜報も動いてる。何処で敵に知れ渡るか分からないっちゃ」 「ヴァージニアさんありがとう。気を使ってくれているんだね」 「なななな! ふん! お前みたいな変態、私が面倒見ないとそこら辺で野良犬みたく野たれ死んでいるのがオチ。だから嫌々アリンコ程度の価値しかなくても、手を差し伸べている。感謝しろだっちゃ!」  本心かそれとも素直になれないでいるのか分からないが、赤面しながらトレーで運んできたティーセットを木製のテーブルの上に置いた。  質素ながら調度品も中々の物を取り揃えている。  財力はないが貴族として最低限の気配りであり、領主が見せる最高の見栄だった。  疲れからか思わずベットに埋もれたハルト。  心地良さそうなもふもふ感の誘惑には抗えなかった。  息を大きく吸い込むと、天日干しした毛布からお日様の香りして、緊張していた糸を緩めてくれる。 「シュレリア男爵も良い人で良かったよ。見た目は虎や熊みたいだけど…………」  だが、男の子なので目に見えぬ威圧でオシッコちびる所だったとは言えなかった。 「父上は戦場では猛将と言われているけど、普段は思いやりのある人徳者なんだっちゃ。そうでなければ領民にあれだけ好かれてはいない」 「お父さんは分かったけど、ヴァージニアさんのお母さんは?」 「…………………ここにはいないだっちゃよ」  今の間で、もしかしてまずい事を聞いたかとハルトは表情を窺うが、本人からは情報引き出す程の変化を確認する事は無駄に終わる。 「どんな人なの? 差し支えがなかったら教えてよ」 「廊下に肖像画が掛かっていたろ?」 「あの凛凛しい女軍人さんか。じゃ、将来はヴァージニアさんもあんな美人さんになるんだね」  ハルトは女神のような美しさの母とヴァージニアを比べ、子供のように素直な感想を述べた。

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