異世界領主『サーリスト戦記』~最弱だけど天下統一目指します~

第31話 カイトの思案と妙案

 焔暦144年 3月 「カイト様!誕生月!おめでとうございます!!」 『おめでとうございます!!』 「あ、あぁ……ありがとう」  玉座の間に兵長以上の人間が集まったと思ったらいきなり祝われた  サーリストでは誕生日ではなく誕生月で歳を重ねる  ゲームの仕様がこんな風になるとは……  朝起きたらティンクにも祝われたのはこう言う事か 「早速オーシャン領全土で祭りを開催します!」  レリスが生き生きしながら言う 「えっ?祭りって……」  いやいや大袈裟じゃね? 「祝いの品が多く献上されてます!!」  なんか色々運ばれてきた 「あ、あぁ……」  えっ?なに?まさか毎年こんな感じで祝われるの?  止めて!!恥ずかしい!! 「あ、あのさ!」 「おめでとうございますカイト様!!」 「…………」  や、止めろなんて言えねぇぇぇぇ!?  耐えるしかないのかこの羞恥プレイに!?  勘弁してくれぇぇぇぇ!!  こうして3月は俺の羞恥プレイから始まったのだった  ・・・・・・・  数日後  朝、起きた俺は自室のバルコニーに出ていた 「だいぶ暖かくなってきたな……」  朝の風は涼しく感じる温度だ 「……3月か……」  俺はバルコニーに置いてある椅子に座る 「……来月は結婚式か」  俺とティンクの結婚式……  年齢で考えたら1712の結婚式か……現代だとアウトだな、法律違反じゃないか  でもサーリストだとなんも問題ないんだよな……昔の日本もこうだったんだっけ……  有名な所だと前田利家と芳春院……まつだな  確か利家が20歳でまつが11歳だったか?  ……9歳差……そう考えたら5歳差は大したこと無い様に考えられる 「いやまあ何かするつもりはないけど……」  結婚はするが俺はティンクと子作りをするつもりはない  ティンクはまだ子供だし、俺はただティンクを保護しただけだしな……その方法が結婚だったって話だ  ティンクが嫌いなのか?って聞かれたら「そんな訳ないと」俺は答える  ティンクの事は好きだ、でもこの好きは恋ではない……そうだな……アルスやミルム……この2人と同じような『好き』だ  家族として接するし大事にする……俺はそのつもりだ  もしティンクが恋をしたとしよう、その相手が誰であれ俺は身を引くつもりだ  レリス辺りが怒るかもしれないが俺はあの子が幸せになれればそれで良いのだ 「出来る限りの支援はするしな……」  まあその時が来たらその時に方法を考えよう……うん 「…………」  そうだ、ガガルガを攻める時期もそろそろ決めておかないとな……  4月は結婚式や収穫で忙しいから避けよう 「やはり5月から8月の間に動いた方がいいな……」  9月も収穫や祭があるし……戦は時間がかかるしな…… 「そう考えたらのんびり出来るのも今月くらいか……」  今年中にガガルガを攻略しないと酷しくなる  カイナスがいつ攻めてくるかわからないし……  ガガルガを攻めたら間違えなくカイナスは行動を起こす 「オーシャンを攻めるか……一緒にガガルガを攻めて領土を求めてくるか……」  それはわからない 「まあその時に考えるか……」  今考えても意味はない…… 「それにカイナスには手を回してるしな……」  実はカイナスとの戦に備えて準備をしていたりする  まだ万全ではないが……いざというときは利用する  今の段階なら勝率は五分五分と言った所だ……  万全な状態なら確実に勝てる  そんな備えだ…… 「…………はぁ」  こう考えたら本当に忙しくなるな……  アルスの事も解決してないのに………… 「どうするかな……」 「どうしたのですか?」 「あ、起きたのか?」  ティンクがバルコニーに出てきた 「はい……先程から考え事をしてるみたいでしたけど?」  ティンクは俺の膝に座る  出会ってヶ月以上経った  今はこんな風に甘えるくらいまで心を開いてくれた 「来月の結婚式から忙しくなるなって思ってな」  俺はティンクの頭を撫でる 「あ、そうですね……もう来月なんですよね」  ティンクは赤くなりながら俺に寄りかかる 「不安だったりするか?」 「不安は無いです……ただ……緊張します」  そうだよな、結婚って人生の晴れ舞台だしな……  ……今更だけど俺が相手で良かったのかな……  結婚式はしないで形だけ夫婦にして、ティンクが本当に恋をしたらその相手と初めての結婚式をした方が……  あ、駄目だ、レリスとかがうるさいだろうし……メルセデスの耳に入ったら厄介だ 「なんか申し訳ないな……」 「はい?」 「ああ、何でもないから気にしないで良い」  それにしてもティンクはだいぶ明るくなったな……  今では笑顔も良く見せるようになった  ヤークレンでの彼女の扱いは本当に酷かったらしいしな  親や兄や姉からはゴミ扱い……なんでも妹として接してくれたのは人だけらしい  兵からも奴隷扱いだったらしい……話を聞いたらサンドバッグみたいな感じらしい……鞭の練習台とか  八将軍は見て見ぬふりしてたらしい……オーディンに 『私達は貴女を傷つけたりはしませんが、助けたりもしませんのでそのように』  なんて言われたらしい  どいつもこいつも屑だな……なんで母親が奴隷ってだけでそこまで酷いことが出来るのか……俺には理解できない  まあそんなティンクも今が楽しいならそれでいいが……  ……あれ? 「そう言えばティンク」 「はい」 「君がヘイナスに来てからだけど……城から出たこと有った?」 「いいえ、ずっと城に居ましたね……」  …………マジか 「悪いな……退屈させてなかったか?」 「いいえ、ミルムちゃんもアルス君も良くお話してくれますし……皆さんが優しいから退屈はしてませんよ?……私、読書なんて初めてしました!」  嬉しそうに話すティンク 「そっか……」  …………あっ!!  良いこと思い付いた!!  ・・・・・・・・ 「そんな訳でピクニックに行こうと思う!」 「……はぁ」  玉座の間でレリスに言う 「まあ来月からは忙しくなりますし……息抜きは必要ですが……」 「だろ?最近はアルスやミルムとも接して無かったし……家族の時間も大事だろ?」 「そうですね、ミルム様もカイト様に構ってもらえないから不満そうでした」  レリスは書類の束を確認する 「今日はちょうど午後から時間が空きますし……今から準備しても充分に用意が出来ますね」 「なら決行していいか?」 「勿論です、貴方様の決定に反対する者はおりません」  ……いやそれはそれでどうかと思うぞ? 「あ、しかしヘルド殿とケーニッヒ殿は砦の補強や警備等で同行出来ませんね」 「むっ?そうなのか?」  まあ砦は大事だしな…… 「同行出来るのはオルベリン殿とサルリラとレルガ殿ですね……まあ護衛としたら充分な戦力かと……これに数十人の兵と数人の使用人を連れていきましょう」  結構大人数になるな……まあ仕方ないか……  国境での襲撃の件もあるし……マイルスがいつ仕掛けてくるかわからないから護衛は多目に必要だ 「さて……何処に向かうか……」 「『ヤール山』が手頃では?」  ヤール山……ヘイナスから馬車で東に30分の所にある山だ  確か山頂は花畑だったな……  森もあるし……川もある……今なら良い景色だろうな…… 「そうだな!ヤール山にしよう!」 「では手配して参ります」 「ありがとうレリス」  ・・・・・・  そして午後  時刻として11時頃だ  メンバーは 「ピクニック!ピクニック!!」  馬車の中ではしゃぐミルム 「ミルム様、暴れると酔いますよ?」  そのミルムを膝に乗せたヤンユ 「…………」  俺とティンクをたまに見ては視線を外に外すアルス 「ピクニック……」  俺の隣で初めてのピクニックに感動してるティンク  そして俺  これが馬車の中のメンバーだ  馬車は後つあって  そっちにはメイド達が乗っている  そして護衛として 「ふむ……」  オルベリン 「ヤール山ってどんなところっすか?」  サルリラ 「花畑が確か山頂に有ったな……それと野鳥が多い」  レルガ 「ピクニック!!」  ……あれ?ルミル?なんでサルリラの馬に一緒に乗ってるんだ?  レムレと一緒に馬車に乗ってるんじゃないかと思ったが……  まあいいか……  こうしてヤール山を目指して俺達は出発した

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