エルフは淑女ですか?

修道女院と模倣犯と性廃物

 (りん)とした、静かな月夜である――  夜空には、銀河が人々の安息を、見守るが(ごと)く輝いていた。  野外では、(すず)やかに、透明(クリアー)運河(うんが)が、(なが)るるリズムを(きざ)む。  ――そよ風が、静寂(しじま)に、果樹(オレンジ)芳香(ほうこう)(はこ)ぶ。  港町では、街路樹が、月光に()らいでいた。  エルフの美少女シルキスは、バイブレーターに、性感剤(トニック)再装填(リロード)する。  彼女は、愛液(にくじる)(にじ)み付いた、シーツの上で、百合(レズ)ビデオを鑑賞し(かんしょう )ている。  ――耽美(たんび)な、姉妹ものである。  親友の美少女へと、恋を告白(こくはく)できずにいる妹に、実の姉が愛を教える。  場面(シーン)では、処女(しょじょ)を守りたい妹の(ため)に、姉が電動アナルパールを挿入し(そうにゅう )ている。  ――そして……いきなりの最大出力だ。  妹は、失禁(しっきん)する……  泣き(さけ)ぶ妹を、姉が……(きび)しくも、(やさ)しく……性欲(リビドー)、むき出しである。  シルキスが、電動アナルパールを、セルフで使用していると――  クズキが、百合書斎(サンクチュアリ)に、飛び()んでくる!  性愛ギルドから、緊急召集(エマージェンシー)らしい……  ――アラームを切って、ビデオ鑑賞し(かんしょう )ていたのだ。  彼女は、電源を入れたままの、アナルパールを引き()いて……  全裸のまま、(くつ)だけを()いて、現場へと向かったのだ。 「凄艶変身(せいえんへんしん)!!」  エルフの美少女(びしょうじょ)は、重力(ホロ)スフィアに(つつ)まれ、現実(リアル)時間法則(じかんほうそく)から独立(どくりつ)した。  ――瞬時(しゅんじ)に、()長靴(ブーツ)が、量子(ホロ)データ()して、美し(うつく )真裸(まはだか)になった。  純裸体(キャンバス)に、軍用機甲(バトルデバイス)が、ボゾン(げん)レーザーで、描画実装(プリントアウト)される。  身体(からだ)が、物理シ(エネルギー )ールドに(おお)われ、淫美に(センシャル )肌理処理(テクスチャー)されて()く……  ――同時(どうじ)に、魅惑部位(チャームポイント)が、戦化粧(ペイント)やエンボス効果他(エフェクト)で、光学処理(マスク)された。  最後(さいご)に、胸部(きょうぶ)股間(こかん)が、開閉式(ギミック)外部接続器(セックスゲートウェイ)で、束縛さ(ボンデージ )れたのだ。  勇気(パワー)だけを、裸身(セクシー)にまとい…… 「凄艶勇者(せいえんゆうしゃ)シルキス   ――見参(けんざん)!!」  その勇姿(ブレイブ)戦乙女(バルキリー)麗帝王(リジャイナ)……戦女神(フレイヤ)(ごと)きである。  戦いは、熾烈(しれつ)(きわ)めている―― 「シルキス・キィーック!!」  体目……ベリアルワームを撃破(げきは)する。  ベリアルワームとは、貴族級(きぞくきゅう)デーモンに、魂を( たましい )売った者の事である。  修道女院の(しゅうどうじょいん )玄関(げんかん)ホールで、宙に(ちゅう )浮く悪魔ベリアル……  魔神だが、蔑ま(さげす)れて、悪魔と呼ばれる道化師(クラウン)。  修道女院では、異世界ファンタジアの無法者(たち)……  ――非公認の冒険者(ども)、凌辱を( りょうじょく )続けている。 「そこの貴方――    偉大なるウィザードに   してあげましょう……  足りない才能は    わたくしが   貸してあげましょう」  その言葉に、自称(じしょう)冒険者は、凌辱の前戯(ぜんぎ)を中断する。  ――そして、ベリアルに身を任せた存在、ベリアルワームと化した。  この修道女院は、性廃物(せいはいぶつ)騒動(そうどう)を起こした、司教の流派(りゅうは)である。  それ(ゆえ)、肩身が(せま)く、町による警備(けいび)手薄(てうす)で、模倣犯(もほうはん)餌食(えじき)にされた。  ――模倣犯とは、ファンタジア出身の無法者共である。  性愛ギルドが、修道女院に到着し(とうちゃく )たのは……事態発生(じたいはっせい)時間後である。  冒険者ギルドは、まだ来ていない……  ――当然である。  冒険者にとっては、友人(ゆうじん)の商店(ほか)での、防衛(ぼうえい)の方が大事だからだ。  前衛(ぜんえい)が、入口を突破(とっぱ)すると、ベリアルが宙に浮いている。 「シルキス・キィーック!!」  いきなり、ベリアルを、粉砕(ふんさい)するが……すぐさま、復活(ふっかつ)される。 「姑息(こそく)にも――    入口防衛の連中を   見捨てている間に……  量子(ホロ)グラフィクを    強化したみたいね?」 「御名答(ごめいとう)」  シルキスと、ベリアルが交戦状態に入る。  ――今の対話で……後衛(こうえい)が、アンチ重力(ホロ)グラフィクを開始する。 「猪突猛進(ちょとつもうしん)のバカ(よめ)!!    いったん下がって   破城(はじょう)攻撃をチャージしろ!!」  クズキが怒鳴(どな)る。  シルキスは、中衛に(ちゅうえい )まで()がった。  シルキスが、パワーチャージを()える―― 「はあぁーっ!!」  彼女の背後に、サイバーエンブレムが浮かぶ……  そして、冷却薬莢(ラジエーター)炸裂(さくれつ)音が、玄関ホールに()(ひび)いた。 「シルキス・パンチィーッ!!」  シルキスが、ベリアルの見た目……量子グラフィクを攻撃した。  ――瞬間、クズキが、ベリアルの背後に居る。  クズキが、サバイバルナイフで、ベリアルの全身を解体する。  さらに、中衛が魔力放射(ほうしゃ)、後衛がアンチ量子グラフィクで、破片(はへん)(めっ)する。  ベリアル本体は、消滅し(しょうめつ )たようだが……(さわ)ぎが(おさ)まらない。  この事態に、シルキスは―― 「ベリアルを支えている    依代(よりしろ)を   治療(ちりょう)します」  依代とは、凌辱被害者(ひがいしゃ)の事である。 「()かせ(ぐる)いの座薬(ざやく)を    依代に   ()()むからね♡」 「15秒程(ほど)で    逝き()るって   無防備化したら……  依代達の大脳に    リモートアクセスを   仕掛けて治療します!」 「なに?    ()れてるの……  野郎(やろう)共も    ぶち込むの   手伝いなさい!!」  30分弱で……ベリアルワームが、無力化したのだ。  小一時間(こいちじかん)後には、ベリアルの気配(けはい)が、無くなった……  事後処理は、修道女達にとって、最低最悪である。  まず、彼女達の流派は、彼女達を破門(はもん)して、国外追放処分に仕向ける。  ――かつ、今回の経費負担を、彼女達に押し付けたのだ。  結果(けっか)、彼女達は、異世界アストリアのセクスポッド社で……  軍需改造(ぐんじゅかいぞう)を、受ける事になった。  その後は、軍隊で管理される。  後味の悪い、結末(けつまつ)だが……  港町トリバサンには、平和が戻ったのである。

Revision 3.00

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