エルフは淑女ですか?

第1奏(1)おはよう、お帰りなさい

港町トリバサンにて

 異世界アスタリス、トリバード女王国、港町トリバサン――  風と共に、晴天を背に、港湾を()けると……  そこに、キラキラと、()()りた、港町が有る。  その光景で、エルフの美少女シルキスは、明るい表情をする。  彼女は、(すず)し気に、露出(ろしゅつ)した、特撮(ヒーロー)系のセクシー衣装(スタイル)である。  ――そして、金髪碧眼(ブロンドとブルー)が、宝石の様な、魅力を(はな)つ。  町の雑踏(ざっとう)が、勝ち気なビートを、(かな)でている。  港湾の外側……港側市場は、午後である。  太陽は、真上に、光栄え(ひかりさか )て、人々の笑顔を、彩っ(いろど )ている。  ――そこでは、綺麗(きれい)な金貨が、取引で(きら)めく。  シルキスは、精巧(せいこう)な芸術品……交易用の天秤(てんびん)を、(なが)めて(たの)しむ。  その天秤は、ドワーフ族による品で、真銀(ミスリル)と純鋼に( オリハルコン )て、構成されている。  ――その仕組みは、まるで精密時計である。  まあ、華奢(きゃしゃ)なだけに……真銀と、純鋼で無いと、潮風(しおかぜ)簡単(かんたん)に、()びそうだ……  不意に、市場で、怒鳴り声が、(ひび)く―― 「このドアホ    そこの干物を……   (かさ)ねんじゃねえ!!」  乾物屋台の主人が、使用人を(しか)る。  使用人の少年を見て、シルキスは(まゆ)をひそめる。  ――彼の瞳に(ひとみ )尋常な(じんじょう )らざる、深い闇が刻まれていた。  シルキスは、お節介(せっかい)を、実行するつもりだ。  少年が、屋台の裏に、移動すると…… 「いつまでも    希望を……捨てて生きる   つもりかしら?」  シルキスが、力強い声で、少年に語りかけた。  彼は、唖然(あぜん)として、彼女を見る。  ――彼女は、彼に手を、差し伸べて、発言する。 「おはよう   希望に……目覚めなさい」  シルキスは、少年の手を(つか)んで、彼を引き寄せる。 「そして    幸せな……時間に   お帰りなさい!」  彼女は、彼を、やさしく抱きしめる。  彼は、号泣しながら……彼女に、強く抱き付く。  少年は、シルキスに、身元を引き取られた。  美しい夕暮れが、暖かく町を、染める――  宿屋の、簡素な寝室で、エルフの美少女が、少年を抱擁(ほうよう)している。  ――湯立(ゆだ)つ様に、優しくも情熱的に……  現在、シルキスの精神は、仮想空間にある。  少年の、心の壁を、消し去る為に、現実の身体を、操作している。  しかし、結果は……別の情報が、割り込んできた。  彼女は、妊娠したらしい。  自然妊娠では、無いが……胎内で、生成された、受精卵データが……  代理母サーバーに、送信された。  そして、育生の為に……身体が、代理母サーバーに、非同期連動される。  彼女は、子供の養育期間を、18年に設定した。  ――子供は、仮想出産から18年後に、現実世界に有機出力される。  肝心(かんじん)の情報は、妊娠に伴う(ともな )手続き後に、表示された。  シルキスは、少年が射精する事で、記憶にアクセスする、権限を得ている。  ――さらに、彼女は、少年のプライバシーを、慎重に(しんちょう )セキュア化した。  彼女は、セキュア内から、必要最低限な、情報のみ引き出す。  少年の名前は、クズキである。  ――年前に、地球から召喚された、18才であった。  年間、特殊戦闘に、従事した……  その時に、トラウマが、出来たらしい。  彼女は、丁寧(ていねい)に、トラウマを、データ修復した。  シルキスは、(なま)めかしく汗ばんで、ベッドに横たわっている。 「大人になると   こういう気分なんですね……」  照れながら……クズキは、服を着る。 「そうね……()り入った話は    ディナーの時に   ゆっくりとね……」  彼女は、(あで)やかに、汗だくの金髪(ブロンド)を、かき上げる。  ……彼は、指示されて、食堂へ向かう。  シルキスは、全裸のまま、ベッドから起き上がり……  空間に、自己システムで、機能構築して……ドライシャワーモードにした。  またたく間に、彼女の裸身が、洗浄されて……しっとりと、(かわ)かされる。  さらに、床に脱ぎ、散らかされた、衣類と靴や、下着類が……  裸身へと、自動的に、装着される。  彼女も、身支度(みじたく)を終えて、食堂へと向かう。  光明が、ロウソクに、()らめいている。  こうして、クズキの、トラウマは、克服(こくふく)された。

Revision 3.00-001

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