エルフは淑女ですか?

甘い婚約と未来

 早朝の陽光は、ウィンドウの硝子(ガラス)()しに、キラキラとした芸術(アート)をもたらす。  エルフの美少女シルキスは、(さわ)やか()らめく日向(ひなた)で、(あさ)く寝返りを打つ……  ゆったりとした、(なご)やかな裸身の動きは、朝の情景に麗しい。  彼女の瞼に(まぶた )、瞳の碧色(ブルー)が、(のぞ)きはじめる。  シルキスは、クズキの寝顔を、(なが)めている――  野暮(やぼ)ったい髪をした、裸の美少年に、(やさ)しい眼差(まなざ)しである。  ――ただし、彼の弱点は、目付きの悪さなので、目覚(めざ)めたりすると……  しかし、目覚めて、格好(かっこ)(わる)くなる前の顔は、最高に絵に()っている。  もっとも、彼女は、真性レズビアンで、異性関係はボランティアである。  シルキスは、クズキの寝顔で……正義を刺激(しげき)された!  無駄(むだ)にお節介(せっかい)を、実行したくなる。  ――しばらく考えている。 「結婚してあげれば    万事(ばんじ)……   最高なんじゃない?!」  いつも通り、(あさ)はかな考えで、お節介をするつもりだ。  ……という、経緯(けいい)により、シルキスとクズキは、不動産屋に居る(汗) 「希望物件は――    実体AR対応   プール付きの一軒家で……」  彼女は、まくし立てる。 「もちろん    買取で……   予算10億ぐらいで……」  ――不動産屋が、憤死(ふんし)しかける。 「現金で    支払うから……   銀行に着いてきて!」  ――不動産屋は、洗脳された。  彼女は、実体ARメイド付きの、最新鋭の豪邸を手に入れる。  笑顔の秘訣(ひけつ)は、現金払いである。  繁華街で、シルキスは、クズキを連れて、必要なものを物色していた。  彼は、契約結婚とは言え……甘い新婚生活を、夢見て浮足立っている。  ――それが、トラブルを招いた。  美少女を連れて、()えない男が、浮足立っている事で……  数人ほど、町のゴロツキを、呼び寄せてしまう。  連中は、シルキスを、()わし甲斐(がい)があると、好色に値踏(ねぶ)みする。  ――彼女は、クズキと戦って、勝てたら要求を聞くと、条件を提示(ていじ)した。  不運は、不幸である。  移動先で……クズキは、シルキスの明るさに、思わず(まゆ)を細める。 「クズ君……ボコボコに()るのよ    しばらく(から)まれなく   成るようにね~♪」  ゴロツキ共は、徒党を呼び集め……全部で十数人も、海岸に集まって来た。  ――しょぼい男を、海に沈めた後で、シルキスを()る気満々である。  撮影機材や、アダルトグッズまで準備して、せせら笑っていた。  ゴロツキ共は、クズキを取り囲み、後方の奴らが、鉄パイプで殴りかかった。  刹那(せつな)……逆に、連中の内、数人が悶絶(もんぜつ)する。  クズキは、ああ見えて、特殊戦闘要員を、年もやっていた。  こうなってくると、敵は卑怯(ひきょう)な本性を、()き出しにする。  ――数人が、シルキスの方へ向かい、取り囲み襲い始めた。  驚くべき事に、クズキが、気を取られた(すき)に……  全高10メートルの、機械の巨人が、体も召喚されて、出現したのだ。  ――その名称は、ソロネ級機体バハムート。  重課金兵と呼ばれる、強力なレンタル兵器である。  シルキスは、ビームソードを、スタンモードで()るい……  立ち向かう奴らを、卒倒(そっとう)させて行く。  さらに、ゴロツキの生き残りは、軍用機アーミガーを召喚する。  ――その数は、体……それぞれの全高は、メートル程度である。  バハムートはクズキを、アーミガーはシルキスを、取り囲んでいる。  シルキスは、面倒くさそうな態度で―― 「きゃあ   犯される~ぅ!!」  そんな風に、叫んでいる……油断させて、時間稼ぎの作戦らしい。 「くたばれ   間抜け野郎!!」  クズキを、バハムートが、一斉に砲撃する。  詳細不明、砲撃が遮断(しゃだん)されている?  ――クズキは、防御フィールドに、取り囲まれていた。  光と共に、上空に、まだ誰も見た事の無い、謎の機体が出現する。  まるで、機械の天使……バハムート程の大きさがあった。 『過去と決別しますか?』  突然、クズキの目の前に、メッセージが表示された。  ――彼は、殴る様に、OKボタンをクリックする。  瞬間……クズキは、レガリオン『フューチャー』の中に居る。  レガリオンとは、ソロネ級エース機体の、型式名称である。  フューチャーは、レガリオン『ホーント』の後継機(こうけいき)らしい……  ホーントは、クズキが以前、乗っていた機体である。  やがて、フューチャーは、転移するように、降下すると……  バハムートの体を、指で一瞬の(うち)に、バラバラに解体した。  フューチャーは、両手を残った、体の方に向ける。  ――敵の砲撃は、実体弾は地面に落下して、エネルギー弾は消滅する。 「お前達の……命運にベットした    賭けの報酬は   ――お前達の破滅だ!!」  クズキが、高らかに言い放つ! 「ボケが……ほざくな!!」  バハムート共が、一斉突撃を行う……  その瞬間、マシントラブルで、体同時に爆発四散した。  残ったアーミガーは、退散しながら、シルキスを射撃する。  ……彼女は、フューチャーの、結界に守られて、無傷の状態だ。  事後処理は、町の衛兵やギルドでは無く、国家警察によって行われた。  ――シルキスが、裏工作をしたのだ。  クズキは、勝利した。

Revision 3.00-001

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