エルフは淑女ですか?

決戦、バハムート!!

 全裸の美少女が、ドラゴンと対峙している。  舞台は、美しき精霊の森の、近くの開けた場所であった。  ――美少女は、エルフで――ドラゴンは、魔界の破壊竜である。  ただし、エルフは、生贄(いけにえ)ではなく……歴戦(れきせん)の勇者だ!  美少女(エルフ)は、美麗なる勇者(スーパーヒーロー)に、転身(スイッチ)しようとする。 「凄艶(せいえん)変身!!」  彼女は、量子重力スフィアによって、周囲の時間から独立した。  真裸に、デバイスゲートが、ボゾン(げん)レーザーで、描画定着される。  素肌が、物理シールドに覆われて、肌理(きめ)処理された。  ――同時――エンボスやカラーリング等、光学処理も()される。  少女の身体は、フェニックスの祝福によって、以前よりも強化されている。  ――ゲノムレベルで、完璧な進化だ。  勇気だけを、裸身にまといて…… 「凄艶(せいえん)勇者シルキス   ――見参!!」  その姿は、戦乙女(バルキリー)(ひき)いる女神(フレイヤ)の如きである……  直後を、壊乱(かいらん)なる白熱(はくねつ)が包んだ。  広大な地面が、オレンジ色に、溶解している。  破壊竜の顎頤(あぎと)から、吐き出された、灼熱の火炎によるものだ。  ――溶解箇所は、カルデラ状で、溶岩池――地獄の有様である。  天空には、壊乱の覇者たるドラゴン――バハムートの威風があった。  しかし、勇者(ヒーロー)シルキスは、美しく舞い跳び、天空にある。  彼女は、武装の機能で、舞い駆る様に、飛翔していた。  ――さりげなく、歌詠唱する声が、優美である。  バハムートは、(かん)を入れずに、力任せに殴りつけた。  彼女は、姿勢制御システムで、華麗に身をひるがえして――回避する。  ――同時に、勇壮な回し蹴りで、竜の腕に打撃を加えた。  双方の攻防……相互の連撃が、続いている。  バハムートの攻撃は、連続回避されて……  ――シルキスの連続打撃は、竜鱗(うろこ)に遮断される。  一進一退、譲らぬ闘志――せめぎ合いが、繰り返された。  シルキスの美と、バハムートの豪の技が、(しの)ぎ合っている。  不意に、バハムートが、わずかながらの距離を取る。 「(らち)()かぬならば――    神滅ぼす器(ラグナロク)たる……レーバテインよ……   魔界より(きた)りて     我が依代(よりしろ)と成れ――    我が名において      我が声に答えよ!!」  破壊竜の言葉で、その躰から――強壮たる白炎が、舞い上がった……が…… 「重力波照射!!」  しかし、シルキスの凛とした言葉が、バハムートを捕捉した。  遥かなる軌道上、シルキスの宇宙艦――リーファイン号――  ……その艦底(かんてい)から、重力波が照射されたのである。  バハムートの動きが、緩慢に成った(クロックダウンした)上に、それは苦悶していた。  自明(じめい)は、決着な(けっちゃくな)り。  シルキスは、優雅にムーンサルトする。  刹那(せつな)に、壮大に炸裂(ズガーン)音が、響き渡った。  ――空中に、ふたつの空薬莢(やっきょう)が、踊る…… 「シルキス・キィーック!!」  彼女の蹴りが、命中すると同時に、衝撃波が天空を舞った。  衝撃で、縦にプレスされる……バハムートであった死骸(むくろ)がある。 「勇気があれば   誰にも負けない!!」  死骸(むくろ)を背景に、華麗に勇ましく――彼女は、口上し(こうじょうし)た。  シルキスは、勝利したのだ。  やがて、バハムートの崩壊と共に、ひと振りの剣が出現する。  伝説の剣――レーバテイン――である。  ――しかし、権限が高すぎて……シルキスには、満足に扱えない……  ともあれ――シルキスは、レーバテインの所有者になった。  偉業(いぎょう)は、喜ば(よろこば)しきて……  舞台は、場所変わりて、緋色の部屋である。  緋色(ひいろ)侠妓(きょうぎ)クラインは、ご満悦の様子だ。  ――部屋は、淫靡(いんび)(にお)いと、美艶な音楽で、彩られている。 「まさか…戦利品で   レーバテインを手に入れるなんて……」  クラインは、己の裸身を、手淫しながら呟い(つぶやい)ている。 「あの()……    シルキスの守護神としては   嬉しすぎる♡」  もしも、シルキスの守護神が、クラインである事を、知る者が居れば……  シルキスの事を、ロクな死に方をしない奴だと、必ず思うであろう。

Revision 2.00-002

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