偉大なる奇跡にこそ裏がある

読了目安時間:14分

不安と安心と

とある世界と世界の狭間と呼ばれる境界にて。 この場所に、悪意のサーカスに所属する団員が数名集まっていた。団員たちは皆、サーカスの団長に呼ばれここに召集されたのだ。 彼等は一様に外出着にしては奇抜な装いに身を包み、一般人では大凡出す事が不可能な雰囲気をその身に纏っていた。皆一様に、悪魔らしく見目は淡麗であり、各々が違う地域に属していたであろう容姿。 凡庸な空気を持つ者は、誰一人とておらず。それがより、この場所に威圧感というものをもたらしている。 サーカスという名を冠するだけあってか、彼等が揃うだけで別世界へと誘われた感覚に陥るのは、恐らく彼等が人間ではなく悪魔であるからこそか、或いは元来から持ち合わせていた魅力が成す業か。 人々が悪魔という存在に対し恐怖と畏怖の念を持ちつつも、己が死をも恐れず文献を残すのは、そういう部分が起因しているに違いない。 そんな中、待ち合わせの時間になったその瞬間。 突如、一人の男がこの場に姿を現した。 形の綺麗なシルクハットが印象的な、綺麗と言う言葉でしか形容し難い容姿を持っているであろう男は、その長いマントに似た外套を軽やかに翻す。すると外套の中から仕立ての良いスーツと、上等な杖が手元から顔を覗かせた。 帽子の鍔が影となり、表情等は読み取れないものの、威厳に満ち溢れたその風貌は、見る者全てを傅かせる程の風格を持ち合わせており。又、彼に付き従う事こそが、この先の安寧を約束されたも同然と錯覚する程に、その雰囲気は荘重且つ洗練されていた。 そして男は二人の団員を無言のまま、軽く顎を動かし自身の傍へと呼び付ける。 二人の団員はその対応に慣れているからか、顔色一つ変えずに速やかに移動を行う。 一人は、代赭色の癖のある髪を肩上程の長さの高めなツインテールにし、乙女色の瞳が特徴的な容貌の少女。 猫耳に似た三角巾風の髪飾りに、細いベルベットのリボンで縛られたバルーンスリーブの袖が可愛らしいワンピースは、胸前を同じリボンで編み上げられ。首元や少し開いたスイートハートの胸元も、同じリボンであしらわれている。ふんわりと広がるスカートの裾には、同じリボンで縛られたギャザーフリルが細かく縫い付けられており、彼女が動く度に軽やかに揺れ動く。 足元はタイツにショートブーツという組み合わせなためか、見た目以上に動き易そうだ。 もう一人は、光沢のある白銀の髪を二つに分け、上半分を三つ編みの平らなお団子にし、下半分を胸上程の長さのゆるい三つ編みにした少々凝った髪型をし、曙色の瞳が美しい少女。 パフスリーブの膨らみを肘上迄二つ作られた、特徴的な袖のブラウスに、金釦が連なるベストを着用し、布をふんだんに使ったフレアスカートの裾にはラッセルレースが飾られている。手元には、サテンリボンで結ばれた、細かな刺繍の入ったチュールレースの手袋。足元には小さな花のパーツが散りばめられた、飾り紐で編み上げられた繊細なデザインのハイヒール。 先方よりも戦闘には些か向かないその装いは、控えめな雰囲気の彼女にとても似合う。 「ここへ行けばいいの?団長。」 ツインテールの少女事、Ⅱ.猛獣使い・カーチェは団長と呼ばれた男の方を向き尋ねる。人好きそうな表情に、見た目通りの年齢に見合った、年相応の雰囲気は成熟した感性を持つ団員が多い中では、珍しい方で。 ツインテールの先が揺れる度にコロコロと変わる表情は、見ているだけで飽きない。 「ああ、たのんだよ。カーチェ、エリーゼ。」 低く落ち着いた団長と呼ばれる青年の声が、耳にとても心地良く響く。これが現世での悪名高き集団を統括する者の声だとは、誰も思わない程の音色を、団員たちの誰もが好み進んで耳を傾ける。 すると、その傍で聞いていたであろう、指示を出されなかった団員の一人である、この中で一番幼い容姿を持つ少女が、団長に呼び出されたもう一人の方、三つ編みの少女事、Ⅻ.占い師・エリーゼの傍へと寄ってきた。 その幼い少女は、髪を二つに分け上半分を大きなお団子にし、下半分を小さなお団子にした、絹の様に光沢のあるプラチナブロンドに、晴天を思わせる碧天の瞳という、誰もが美少女と呼称するであろう容姿を持った、神の最高傑作と言っても過言ではない輝きを放っており。 頭にはエンブロイダリーレースで出来た透け感のあるベールと、小さなハートの王冠を縫い付けられたリボンを使い首元で結んでいる。 主な装いは、丸襟にパフスリーブと、ロングパフスリーブを組み合わせたブラウスに、タータンチェック柄の生地に、ケミカルレースがあしらわれたプリーツのミニスカート。ウエスト部分には、髑髏マークの厳つい太めのベルトが通されている。 太めの横ストライプのニーハイソックスに、リボンのついた光沢のあるエナメル素材の厚底靴が、彼女の身長を少し高く見せているためか、“早く大人になりたい”という何処か背伸びをした、幼児らしい願望が見え隠れしているのも又可愛らしい。 「………ハンナ、どうしたの?」 今回集められた団員の中でも、一番精神年齢の低い少女事ハンナに対し、一番精神年齢の高いであろうエリーゼは、まるで母親にも似た包み込む様な声で尋ねた。 時代が時代であれば、聖母と崇め奉られたであろう、慈愛に満ちたその表情は何処までもハンナを愛しむもので。 「エリーゼ…、ハンナもいっちゃダメ?」 上目使いで目を潤ませ、おねだりするかの様に言うハンナの可愛らしさに、これがもし相手が他の団員であれば、迷わず承諾してしまう程には、イチコロと呼ぶに相応しいものだっただろう。もう一人の幼い少女の容姿をした団員とは大違いなほど、彼女は他の団員からも愛されている。 何せ彼女は己の魅力を知り尽くしており、どの様な仕草をすれば、相手が自身の言いなりとなるかをよく理解していたのだ。悪魔としては適正とも言えるのだろうが、自覚がある分、良くも悪くもタチが悪い。 しかしながら、今回は相手が悪かった。 ハンナがエリーゼを母の様に慕うのに対し、エリーゼも又、ハンナを娘の様に扱っているのだ。 そんな彼女には、全くハンナの甘えるそぶりや仕草等、効果がある訳も無く。 「ごめんなさいね。団長のご命令なの。」 エリーゼはハンナの目の前に軽く屈むと、両頬に軽く手を当て、柔らかな声と共に謝罪の言葉を口にする。それは何処か、外出する親を呼び止める子供を諭すのにも近く。 ハンナは頬を膨らませ、少し涙目になりながら、そんな事は関係ないと言わんばかりに駄々をこね始めた。 「カーチェが一番新参者なのにぃっ、ずるーいっずるーいっ。」 小さな両手で拳をつくり、上下に振り回す様がとても可愛いらしく、周囲の団員は仰ぎ見たくもないであろう天を仰ぎ悶えている。 ただ釈明するならば、ハンナのいう通り、カーチェが悪意のサーカスに入ったのは、全団員の中でも一番遅い。そのため、今回は団員の中でも古参に位置する彼女事、演目の相性が非常に良いエリーゼに連れ添って貰いながら、任務に慣れるための采配だったのだ。 もし、こらがいつも通りの指示であれば、ハンナはエリーゼと任務を共にするのだが、今回はそうではない。されども、ハンナが愚図るのも無理は無く。 ならば、ハンナを同行させれば良いのでは、と言う案もなくはないのだが、事はそう簡単には上手くいかない。 何せ、ハンナが付いていくとエリーゼはカーチェよりも確実に彼女を優先してしまうため、それも危惧して除外したのだろう。 それは概ね間違っていないのだが、その様な理由のみでハンナが容易に納得する筈も無く。 「す、すいませんっ!?」 事の原因が自分自身にあると察知したカーチェは、何故か疑問符をつけながらも、腰を低くし謝罪を行う。 新入りであるからか、その様な反応をされるのも仕方がない話なののだが、今回の任務はそんな彼女の肩の力を抜く事も兼ねているため、今から緊張されては困る。 そんな結論を頭に思い浮かべ、エリーゼはハンナとカーチェの二人の顔色を交互に見ると、取り敢えず、ハンナを宥める事から彼女は着手した。 「ハンナ、帰ったら一緒に遊びましょう。」 何処から如何見ても聖母としか形容し難い微笑みを浮かべ、エリーゼは一発でハンナを宥める事に成功した。 他の団員ではハンナを宥めるには、小一時間を要するというのに、彼女の手にかかれば直様解決してしまうのだ。これが悪魔の所業か、等と言うふざけた言葉もこのばでは、あながち間違いでは無いのが恐ろしい所だ。 「ほんと!!やくそくよ!!!」 その言葉を聞くやいなや、ハンナは即行で顔色を変え、周囲に花を満開にさせる程の満面の笑みを見せた。 その顔をみたカーチェは、ホッとした様子でようやっとの思いで胸を撫で下ろす。 エリーゼは予定通り、二人共の機嫌が治ったのを見ると再びハンナの方を向いて儚げな笑顔を見せた。 「ええ、約束。」 周囲で見守っていた団員たちは、心の中で密かにエリーゼの手腕に拍手喝采を送っている。 彼女はたった一言で、ハンナの損なわれた機嫌もカーチェの度の過ぎた緊張感も、同時に且つ短時間で拭い去ったのだ。全員がエリーゼの事を手放しで褒めちぎらずにはいられなかった。 しかし、事態を悪化させないためにも全員が、まるで予め示し合わせていたかの様に、その言葉を心の中だけで留めておいたのは、一応ここだけの話。 「じゃあ、ハンナちゃんとおるすばんしてる!」 「偉いわね、ハンナ。」 ハンナは小さな両手を胸上で握りしめ、さも得意げ且つ自身がいかに良い子である事を主張し始めれば、一々挙動が可愛らしい彼女のその様子を見て、周囲の団員たちが口から溢れ出る声を抑える事に精一杯な状況が完成する。 そんな中でさえも、エリーゼは何ら変わる事のないまま、優しくハンナの頭をそっと撫でた。 それから再び団長が他の団員たちにも、滞っていた指示を全て出し、全員が移動しこの場から姿を消した後。境界には団長とエリーゼ、そしてカーチェだけが残った。 団長はエリーゼと少し話があるとカーチェに言い、少し離れた所で待って貰う。 「………、ハンナはやはり娘に似ているのかい?」 団長は先程迄行われていたやり取りを思い出しながら、何処か申し訳なさそうな声で呟く。その憂いに満ちた表情から、彼の発言が懺悔じみたものに聞こえるのは、彼女自身がそう解釈してしまったからか、或いは。 エリーゼは遠い過去を思い出しながら、物思いに耽る様に目蓋を密やかに閉じる。そしてゆっくりと、肯定の意を示すために頷いた。 「ええ、私の娘も離れたときはあのくらいだったので。」 自分が亡くなった時、まだ幼かった娘の事をエリーゼは思い出していた。 懐かしい旋律を紡ぐが如く、彼女の脳裏に浮かび上がるのは愛し子の面影ばかりで。 (あの子には結局、母親としては何もしてあげられなかった。親子として再び出会えたら、どれ程嬉しい事かと…。確かにそう願った事は何度もある。しかし同じ位、もう過去には戻りたくはないのだ、と考えている自分もいる。だからこそ、けじめをつけるためにも、…団長の誘いに乗った。もう戻らないために、過去を捨てるために、契約を交わしたのだから。) 嘗て交わした誓いは、破られぬまま今に至る。 底冷えする程に激動し続ける世界に別れを告げた今、彼女が抱くこの感情も又、母性というには些か憚れるものであり。 それを知っているからこそ、彼女はこうして己の心の内に只管、言い聞かせ続けてきたのだ。 「…………。そうか。」 団長はエリーゼの顔を見ると静かに呟いた。 そして、エリーゼの緩く編まれた三つ編みをそっと、まるで割れ物を触る様な手つきで触れる。 団長と契約を交わした時に唯一、命令でも、契約でもなく、“お願い”として言われた事。 それはこの、緩く編まれたエリーゼの三つ編み。 何故その様な項目を入れたのか、そう理由を聞けば、彼は忘れられない人と同じ髪型だ、と寂しげな声色で言葉を返した。その様な相手と己を重ね合わせられる事は、相手が相手であれば、相当嫌がられそうな話ではあるのだが、エリーゼはその対象には入らないらしく。 その様な経緯から、忘れられない人がいるのは、此方も理解できる事情だ、という意思表示を加え、昔の自分の髪型を半分だけするのを条件に、彼の“お願い”をエリーゼはあっさりと呑んだ。 「三つ編みは、やめない方が良いですか?」 少し心配そうな声でエリーゼは尋ねた。 この三つ編みに触れる時、団長は決まって懺悔するかの様な、物悲しげな表情を向けるのだ。 そこ迄して、この髪型を己にさせ続け、自身の罪を再確認しては打ちのめされる彼に対し、エリーゼが思う所がなかった訳ではない。そうでなければ、今、この様な質問を空気をよく読み、常に聞き役へと回る彼女が行う訳が無い事位、団長もよく理解していた。 又、彼女がこの場でこの言葉を選んだのには、もう一つ理由がある。 一度だけ、ほんの一度だけだが。 彼は彼女にさえ聞こえるか聞こえないかという、小さくもかき消されても仕方のない声で、ひっそりと呟いていた事があるのだ。 『なぜ、私はあの時あの場所に居なかったのか。』 そう嘆く様に、後悔する様に。 耳の近くで紡がれた言葉を、彼女は今でも覚えている。 (自分も団長も後悔せずにはいられないのだ、過去の自分に対して。) それでも縋らずにはいられない。 だから自分もこうして、昔の髪型を半分だけだが、今でも未練たらしくし続けているのだ、と彼女は思う。 断ち切りたくても、けじめをつけたくても、弱さというものはどうしても付き纏って離れない。 まるで、そこに留まらせ様とするためだけの重りに等しく。付いている事を忘れる位の、しかしふと気がつき足元を見ると付いている様な、そんな重りが。 (その位の重さしかないため、いつまでも態々外す事なく、つけたままでいるのだろう。自分も、彼も。) どれだけの長い時間を、このサーカスで過ごしたか、今ではもうわからない。 “悪意のサーカス”。 “悪魔”。 自分たちの事を、いつしか人間はそう呼ぶようになっていた。 始まりさえも、果たしていつだかよく分からないまま。 ただ、そう呼ばれる様になった頃、団長は何処か諦めた風な、もうどうにもならないと言った様な顔で、笑いながら言っていた。 “これは罰だ”、と。 エリーゼも彼と契約した身だからこそ、理解せざるを得なかった。その言葉の真意を。 そして、もう少しで彼と団員たちの目的も、終盤へと駒を進めている。団員たちを待ち受けるものは、いつだって変わらず、破滅である事には間違いない。 それでも。 エリーゼも、彼も、団員たちもきっと。 もう、覚悟はできているのだろう。それだけの揺るがぬ意思がなければ、団長との契約は成立しないし、耐えうる事等、決してできないのだから。 「ああ……。」 団長はそう小さく声を零すと、エリーゼの髪にそっと口付けを落とした。 親愛でもなければ友愛の意味も持たない、ただの懺悔の接吻を落とす。 その行為がどれだけ彼の心を蝕むものか、エリーゼには想像がつかなかったが、ある程度の予測をつける事はできた。 その結果、彼女はただ沈黙を選ぶ。 ただ、見守るだけ。 ただ、その行為に触れないだけ。 ただ、その行為を甘んじて受け入れるだけ。 それだけしか結局の所、彼女にはできないのだから。 「どうしたんですか?二人共。」 少々長い沈黙に不安を覚えたカーチェは、心配そうな表情を伴って二人の元へと赴く。 少し残念な所もあるが、素直でとても良い子であり、この行為には全く下心が無い事を二人は知っている。 こんな子でさえも、悪魔となる契約を結ばざるを得ない世界。そのせいか、彼女も例には漏れず不穏な気配を察知する能力に長けていた。 だから現状、まるで何も無かったかの様に敢えて、エリーゼは彼女に対して振る舞う。そこには、もうその様な世界を彷彿とさせるものを見せたく無い、という親心らしい意図も備えて。 「いいえ、何でもないわ。待たせてしまってごめんなさいね。」 エリーゼはいつも通り、優しく包み込む様な笑顔をカーチェに向け、彼女を安心させる事に重点を置く。 「?別に大丈夫ですけど。」 恐らく状況をよく分かっていないであろうカーチェは、疑問符を浮かべながらもそれに応える。小首を傾げながらも取り繕わないその言動は、団員内でも好感度が高い。 何せ、元を辿れば皆一様に、現世というものに嫌気が差した者たちの集いなのだ。その様な記憶を彷彿とさせない彼女の発言は、狡猾な悪魔らしくは無いものの、決して悪いものであるとは、誰も口にはして来なかった上、この先もしないのだろう。 そんな思惑もあってか、見た団長とエリーゼは目を合わせて微笑み合った。反対に、カーチェはそれを不思議そうに見つめている。 そして、話という名の私情を終えた団長は、エリーゼを解放しカーチェの元へと向かう様促す。彼女はその指示の下、速やかに今回の任務の相方の方へと向かって行った。 「では、行ってきます。団長。」 出発の準備が整っている事を確認すると、元気な声でカーチェが出かけの挨拶を行う。大きく手を振る彼女の横で、エリーゼも微笑を浮かべながら、それに合わせ軽く首を下げている。 「ああ、宜しく頼むよ。二人共。」 それから二人は境界から姿を消した。 二人が姿を消した後も、団長は二人を静かに見送り続ける。 まるで、家族の帰りを待つ者の様に。

読んで頂きありがとうございました。 女の子の登場人物で一番好みなこ二人が漸く登場し、気分は絶好調です。髪型や服装にも大分思い入れがあるので、説明文が長くなりましたが、決して贔屓しているつもりはありません。 宜しければ、次回も読んで頂けると幸いです。

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