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アフリカ小説が増えて欲しいので解説するメモ

読了目安時間:8分

祖霊信仰というもの・下

  アフリカの祖霊信仰感は我々日本人的な認識からするとちょっと変わっているかもしれません。  というかぶっちゃけると「信仰……?」っという感想すら抱くもの。  私も信仰っていう言葉を当てはめるにはちと違うんじゃねぇかなとは……崇拝なら適当とは思うけど、信仰というには難しいかな。  葬式とかを盛大に明るくやって死者を弔うぐらい陽気な人々……と、考えればなんとなくわからなくもないんですけどね。  アフリカの祖霊信仰の関係性は「神々」「祖霊」「人間」の三すくみ? なので、それぞれ二者ずつに注目して書いていきます。 *神話の神々と現世の人々*  結論から申し上げますと、アフリカの神々と現世の人間はまっっったく接点とかありません。(ズコー  三すくみじゃないじゃん! だって? だから上にハテナマーク付いてんだろ。  だいたいのアフリカ神話において神々というのは天変地異を起こしたりする(できる)超常的存在として描かれます。  アシャンティのオニャンコポンはあらゆる精霊を作り出した創造神だし、ズールーのムヴェリンクァンギなんかも世界を作った神ですね。引き出し少なくて申し訳ないのだが、ズールーだと稲妻で大地を破壊するソマツウィとか、干ばつで破壊するノムクブルワネ(ズールーの最高神にあたる女神)なんかもいる。  ちなみにノムクブルワネは破壊の女神とかではなくて“変化と究極的な均衡の女神”なんですが、この辺のズールー的世界観を書くと五千字ぐらいかかるので書きません。まだ理解し切れてないのもあるけど。  ほんで創造神とかがいるタイプの宗教において、現世の人々の最終目標は「神々のもとへ到達すること」「神々の国へと入っていくこと」となるわけです。  この辺はキリスト経や仏教なんかともあんまり変わらないよね。そのまま天国とか極楽浄土と同じものだと考えて良いんじゃないか。(その神の国に行って、どんな生活をするのが夢になるのか……までは知らんけど(神の下で働くのか、踊って暮らすのかまではしりゃん)    んで人間は神様にあこがれるわけですが……超越者の神からすれば人間なんぞ木っ端もいいとこなわけですよ。  いや作った世界の主役的な扱いなことが多いので、ほかの動物よりは目をかけられてますけど……所詮作ったら何か増えてる生き物だし……。  現世の人間が神に向かって祈りを捧げたところで、神様はいちいち耳なんて貸してくれません。 *神話の神々と祖霊*  死者はある程度の期間を置いたのち弔い上げのような儀式を受け、やがて祖霊の仲間入りをします。  その時、神の国へと行きたいわけなのですが……例え話をしましょう。  弔い上げの後にあの世へ行くと、目の前に広がっているのは道が幾つにも分かれた迷路のような道です。あまりに入り組んだ道に誤った道を選んでしまえば、もう神の国へと入ることさえできそうにありません。  途方に暮れる新しい祖霊の前に、一人の人物が迷路の中から出てきます。  古い時代の祖霊。新しい祖霊の先祖にあたる存在です。彼が先導する後ろを歩いて道を進むと、やがて憧れの神の国が目の前に現れたのです。  例えじゃないなこれ。まあいいか。  祖霊というものは「死者を神の下へと連れていく案内人」となるのです。  ここ自己解釈。  例えの「分かれ道」というのはなんらかの“罪”だとでも思ってほしい。罪によって目の前は迷路に塞がれて、どうしても神の下へはたどり着けない。  しかし迷路を容易く通り抜け、いかなる子孫をも神の下へと連れていくことが出来るのが祖霊なのです。  ズールーの宗教観でしか確認できてはいないんですが……彼らにとって「いかなる罪を現世で働いたとしても、死んだ時点で罪は雪がれる」ことになるのです。流石にちゃんとした処刑を受けるとかの条件はあるでしょうが。  ですので、大虐殺を行ったとんでもない存在でも、正当な儀式さえ受けてしまえば神の下へと到達できるのですよ。    祖霊はあの世における案内人であり。  つまり“現世の人間と神々を繋ぐ者”になるのです。  地上にいる有象無象はともかくすぐ足元にいる霊魂が相手ならば、神々の耳にも声は届くことでしょう。  神々の国へと入った祖霊たちの仕事とは、「現世に暮らす人間たちの訴えを神々に届ける」ことでもあるのです。 *祖霊と司祭*  三すくみってわけじゃないんだけど密接に関係する“司祭”もしくは“呪術師”もしくは“シャーマン”と呼ばれる人について説明するよ。  司祭とは現世の人々と、祖霊や精霊、神々を繋ぐ者たちです。部族社会でも特権階級中の特権階級で、なまじっかそこらの王よりも発言力があったりします。とはいえそこは宗教的立ち位置の人。基本的に集落の人間たちと関わることはなく、後継たちに呪術を教えながら独自の生活を行っているのです。  アフリカの司祭たちは男やら女やらの区別はありません。基本的に物事が部族単位で落ち着いているからか、性別や生まれなどよりも「司祭としての教育」をうけたかどうかを重要視してるように思うよ。コミュニティが小さければそんな把握も簡単なので、当然といえば当然。  教育ってのが何かというと、呪術の方法だとか神々や祖霊との向き合い方とか、それに薬草についての知識の伝承なども。司祭たちは東洋的に言う漢方医的な存在でもあるので、長年積み重ねた薬草の知識を伝承するのは簡単なことではないのです。(大きな社会にもなると司祭教育のための教育機関があったりするほど、ガチのマジで重要な存在)  それにまぁ、部族の者の霊的・精神的な事象への悩みの相談を受けたりもする。過去の事象や口伝の積み重ねから対処法を導き出し、部族の者の悩みを吹き飛ばすアドバイスを出したりもするのです。  そして、シャーマンの名のとおり、彼らには神々や祖霊や精霊と、交信をする能力があります。  集落に重大な事件が起こったとき、冠婚葬祭を行うとき、死を賭した戦いへと赴くとき。司祭たちはその身に祖霊や精霊を宿し、予言や神託を告げるのです。  司祭たちはアフリカ社会においても特別で異質な存在でありながら、一方で人々の生活にかかせない社会システムの一つでもあるのだ。  アフリカの呪術とか聞くと呪って人を殺すようなイメージもあるでしょうが、生まれた部族社会を抜け出した“匪賊(ひぞく)”などと呼ばれる奴でもなければ、ます呪術を悪用することはありませんよ。  彼らは敬虔に神や祖霊に祈る者たちであり、たとい王の命令であっても、呪術で人を害することはまずやらぬものなのです。 *祖霊と現世の人々*  人々と祖霊との関係はいかなるものになるのか。  わかりやすい例えをするなら、祖霊はコールセンター、人間は消費者って感じですかね。神が会社本体で。  おかしな例えだなって? でも実際こんな感じなんだよ。私もひどいと思う。  まず会社がこれまで生産していた商品を、金をケチってめちゃくちゃ劣化させたとしましょう。  それを購入・使用していた消費者は「なんやこれクソやんけ! ふざけんな!」ってぶちぎれるわけですね。  激おこ消費者くんは会社に抗議をしたい……。そんなときに連絡をするのは、そう、コールセンターだよ。  「お前の会社どうなってんねん! 何度も抗議してんだから会社に伝えてはよ改善しろや!!」と消費者。  「はいご意見としてお伝えしておきます、申し訳ございません申し訳ございません」とコールセンター可哀そう。  しかし大企業会社くん。自分が決めたことはいくらクレーム来ても変えようとしない。 祖霊信仰というもの・下の挿絵1  そしてコールセンターには抗議の電話が今日も鳴り響くのである。  嘘だと思うだろ? これ本当に祖霊と現世の人間の関係なんだぜ。    普段の現世の人々は祖霊たちを重んじいて、崇拝していたりするんです。何も問題を起こしていないときなら、製品をべた褒めして愛用してる消費者みたいにね。  しかし大かんばつやらが起きればさぁ大変。人々と神々を繋ぐ存在である祖霊には、人々の声をしっかり神に伝える責務があるのです。  「祖霊まじしっかり神に抗議しろや!」「飢えでめっちゃきついんですけど!?」「仕事しろボケカス!」  みたいに(いや流石にここまで口悪くはないけど)、めっちゃ糾弾されるんですな。  働かざるもの食うべからずではないけど、やはり仕事をしていない判定をされちゃうと崇拝対象から一時的に外れちゃうのだな。  アフリカは祖霊「信仰」ではなく、祖霊「崇拝」のほうが近い。というのはこういう意味。  祖霊は崇拝もされるけれど、同時に糾弾もされる存在なのである。  単純に「ご先祖様は凄い凄い!」なんかじゃなくて、「頑張って生きたご先祖様みたいに僕らも頑張るから、あんた達もそっちで頑張ってくれよ!」みたいな感じなのです。結構人間と祖霊の距離感が近いのだ。  というか実はですね。ぶっちゃけ爺さん婆さんぐらいの祖霊だと大して尊敬されてませんのよ。実は。  英雄とか偉業を成し遂げれば個別に尊敬もされるでしょうが……そんなんは滅多に居ないし。  どこまでも無条件で崇拝されるのは一族の基礎中の基礎、「開祖とその直径の子孫」だけなのです。  自分たちの最も重要なルーツである初代の者たちこそ、先人を崇拝するという行為において崇め(たてまつ)るべき存在でしょう。危険を賭して生活の基盤を築きあげ、子孫に道を示した“開祖”なのですから。 *まとめ*  “祖霊”という先祖の霊たちを崇拝することはあれど、大災厄などが起きたときには非難をする。  “先祖”といっても個人的に崇拝されるような存在は「開祖とその直系の子孫の祖霊」だけ。  現世の人々は冠婚葬祭にて祖霊への祈りをささげ、祖霊の定めたルールにしたがって生活を行うのです。  祖霊崇拝はアフリカの社会システムを作り上げている根本的な要素となるものであり、いかに大きな社会であってもその原則は変わりません。なにせ、現代のキリスト教が布教されたアフリカ社会でも、そのルールや祖霊崇拝の様式が残っているのですから。  アフリカを舞台にして創作をするならば、祖霊信仰は限りなく重要な要素になることでしょう。  オリジナル部族とか作るならまず祖霊周りから設定固めるんじゃ!

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  • れびゅにゃ~

    大澤伝兵衛

    ♡500pt 2020年5月25日 20時21分

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    筆文字「これは良い!」

    大澤伝兵衛

    2020年5月25日 20時21分

    れびゅにゃ~
  • ステラ

    亜桜趙蝶

    2020年5月25日 21時19分

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    ありがたき幸せ

    亜桜趙蝶

    2020年5月25日 21時19分

    ステラ
  • ひよこランチャー

    石川織羽

    ♡500pt 2020年5月23日 22時54分

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    これは興味深い

    石川織羽

    2020年5月23日 22時54分

    ひよこランチャー
  • ステラ

    亜桜趙蝶

    2020年5月24日 1時10分

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    ありがとうです

    亜桜趙蝶

    2020年5月24日 1時10分

    ステラ
  • 女魔法使い

    性癖山脈

    ♡500pt 2020年5月23日 5時42分

    ちょうどアフリカ小説がなくて困っていました。いま私は小説の舞台で世界一周の旅をしています。ドキュメンタリーは多いんですが、フィクションはなぜここまで少ないのでしょうか? 知っていたら教えて欲しいです。

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    性癖山脈

    2020年5月23日 5時42分

    女魔法使い
  • ステラ

    亜桜趙蝶

    2020年5月23日 9時47分

    需要がない。他文化に比べ馴染みが薄い。→それに伴うテンプレ的世界観の未構築。圧倒的な資料不足。原始的な生活のイメージによるストーリー作りの難解さ。歌やダンスという重要ながら描写の難しい文化の存在。……ざっと考えましたが、この辺りでしょうかねぇ…(悲しい)

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    亜桜趙蝶

    2020年5月23日 9時47分

    ステラ
  • 男戦士

    ハッシー

    ♡500pt 2020年5月21日 9時39分

    コールセンターって……

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    ハッシー

    2020年5月21日 9時39分

    男戦士
  • ステラ

    亜桜趙蝶

    2020年5月21日 11時31分

    我ながら酷い例えなんだけどでも実際あの理不尽さはコールセンターに近しいものを感じる

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    亜桜趙蝶

    2020年5月21日 11時31分

    ステラ
  • 1周年記念ノベラ&ステラ

    ジップ・zip7894

    ♡300pt 2021年6月1日 23時19分

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    これは興味深い

    ジップ・zip7894

    2021年6月1日 23時19分

    1周年記念ノベラ&ステラ
  • ステラ

    亜桜趙蝶

    2021年6月3日 9時24分

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    感謝の極み!!

    亜桜趙蝶

    2021年6月3日 9時24分

    ステラ

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