アルソウムの双剣 The Swords of Arthoum

読了目安時間:6分

エピソード:32 / 501

蚊帳

 この日は峠を下りて三つ目の村に差し掛かった頃に日が暮れた。だが、一晩を過ごせるような場所は見つけられなかった。ここまで旅をしてきた尾根道の周りには山の兄弟が建てた小屋があちこちにあって、ブレイといる限りはそこを自由に使うことが出来る。だが、尾根道から下りてしまうと小屋は無い。ブレイの話では、尾根沿いにカリュベスを目指す道もあるというのだが、早さで言えばどうしても里の道に負ける。  旅籠のようなものがあれば、もちろんそこを使うのだが、道ですれ違った農夫たちの話では、宿はもう少し先に行かなければ無いらしい。では、多少の金を払うから泊めてもらえないかと頼んでみても、よそを当たってくれと断られるばかりだ。クレフェからアルカンに抜けるダスティ峠はまだしも商人の行き来があり、谷沿いに住む人々はよそ者が集落の中を通ることにも馴れていたようだが、この谷間を通る道は地元の人間しか使わないらしい。ヤファイ海賊の血を引いて彫りが深い顔立ちのイェビ=ジェミと、見るからに里の人間ではなさそうな服を着たブレイという二人組を泊めてやろうという家は、一軒も無かった。  イェビ=ジェミはブレイの横顔を見た。あまり困っているような顔には見えない。 「さあて、どうしたものかな」 「野宿しかないだろうね」  イェビ=ジェミの言葉に、ブレイはあっさりと答えた。 「野宿はしたことがある?」 「無い。危ないからね。山の兄弟は男でも野宿は滅多にしないよ」  一〇日前のイェビ=ジェミならば、この話を意外に感じただろう。山賊という言葉の響きからすると、いかにも野山を自由に駆け回って、気が向いた場所で野宿をしている連中というように思える。だが、実際には「山の兄弟」はそれぞれの縄張りを持ち、木や薬草や毛皮や鉱石や金属など山で得られるものを里の人間に売り、里の人間から米や布を買い、峠道を手入れし、家族を持って淡々と暮らしている、ごく普通の人々であった。だから、里に住むごく普通の人々が気軽に野宿などしないように、山の兄弟も気軽に野宿などしないのだろう。  一方のイェビ=ジェミは軍人をやっていたから、野宿の経験はそれなりにある。しかし、今までにイェビ=ジェミがやってきたのは、少なくとも一個分隊一〇人はいるような状態での野営ばかりだ。一人で野宿をしたことは無い。若い娘と二人で野宿をしたことも、もちろん無い。  どうするべきか。  まずは、集落から少し離れることにする。 「あそこを曲がると、こちらからは見えなくなる。まずはあそこまで行ってみよう」 「そうだね」  わざわざ説明しなくとも、ブレイにはイェビ=ジェミの提案の理由がわかったらしい。集落から見えるところで野宿の準備を始めれば、集落の住民から追い払われるかもしれないのだ。その上で、水が確保出来る平らな場所。ただし水場に近すぎると蚊が寄って来るから、多少は距離を取らなければならないだろう。  幸い、牧草地と牧草地の間の生け垣の脇のところに、集落と街道から死角になっている具合の良さそうな場所を見つけることが出来た。完全に平らではなかったが、頭の置き場所を工夫すれば眠れるだろう。地面は丈の高い草が生えているが、これは上から帆布を敷けば良い緩衝材になる。大きな石が幾つか転がっていたので、それは取り除く。水は牧草地の端を流れている小川から汲む。  あとはいつも通りである。  イェビ=ジェミが手早く薪を集めている間にブレイが米を研ぎ、適当な野草と干し肉を入れて粥にする。荷物を下ろされたロバは、その辺に生えている牧草を齧っている。イェビ=ジェミは、少し離れたところにある灌木の茂みに入って行って、適当な枝を数本、剣で切り落とした。この剣を使ったのは初めてであったが、イェビ=ジェミがこれまでに使った剣とは別物のような切れ味である。片手で軽く振るだけで、気持ち良いほどに簡単に枝が落ちる。  いつものように長めの枝を三本麻ひもで束ねて鍋を下げる三脚を作ってから、イェビ=ジェミはふと思いついて、それの三倍ほどの高さの三脚を作ってみた。ここから蚊帳を吊れば、寝ている間も蚊に襲われることは無さそうだ。その様子を見ていたブレイがくすりと笑う。 「頭いいね」 「もっと大きな布があれば、これにかけて天幕に出来るかもな」 「また野宿するつもり?」 「……あれ?」  多分、明日の夜はどこかの町の宿に泊まれるだろう。その翌日はカリュベスだ。もう野宿の機会は無い。だが、アレバ山までブレイを送って行くならば、もう少しましな野宿が出来る準備を整えておいても良いのかもしれない。 「でも、面白いな。その中で寝てみたい」 「そのうち作ってみるよ」 「ありがとう」  思わずイェビ=ジェミはブレイを見た。本当にそんなものの中で寝るつもりなのだろうか? ブレイはもうこちらを見ていない。ヒグラシの鳴き声が聞こえる。  この日の夕食もまた、一つの鍋を分け合って食べた。粥の中身も毎日三食、ほとんど変わらない。先を急ぐ旅だから、あるものを食べられる状態にして食べるだけなのだ。だが、そろそろ持ち合わせの食料も底をついてきた。明日にはどこかで食料を調達しなければならないだろう。  食事を終えて鍋を洗い、ついでに口をゆすいで身体を拭くと、ブレイは三脚に吊られた蚊帳の中に潜り込んで、あっという間に寝てしまった。日没からは二時間ほど経っている。東の山の端から現れた満月が、少しずつ北の空へと動いてゆく。今日の夜空には雲一つ無い。  蚊帳がぼんやりと白く見えていた。イェビ=ジェミは武器類を両手に持って、そっと蚊帳の中に入った。ブレイはすやすやと寝息を立てている。短銃に火薬と弾が装填されているのを確認し、撃鉄は起こさないまま銃口を外に向けて、蚊帳の出来るだけ隅に置く。それから剣と短剣と並べて右手の脇にそっと置いた。鍔飾りが触れ合って微かに音を立てた。  突然ブレイが思い切り脚を伸ばし、寝返りをうった。  起こしてしまったのかと思ったが、そうでもないようだ。  ふと、イェビ=ジェミは悪戯心を起こした。今、ブレイの頬に触れたら、ブレイは目を覚ますだろうか。もしもブレイが目を覚ましたならば、何を言うのだろうか。  このままずっとブレイと二人で旅を続けていくのも良いな、とイェビ=ジェミは思った。何故そんなことを思ったのだろうか。自分でも不思議だった。イェビ=ジェミはそのまま横になって目を閉じた。  翌朝は日の出の瞬間に、二人とも目が覚めた。なにしろ日光を遮るものが無い場所で寝ていたから、眩しいのだ。そして、暑い。どちらも山の中での宿泊では経験しなかったものである。そそくさと蚊帳をたたみ、焚き火の跡を始末して街道に出る。朝食は歩きながら、適当に干し肉や果物をかじるだけだ。あまりのんびりしていると牧童が家畜を連れて放牧地に来てしまう。そうなれば揉め事が起こらないとも限らない。今は揉め事に巻き込まれている時間は無い。  イェビ=ジェミがブレイに声をかけた。 「昨日はよく眠れた?」  ブレイは空を見上げながら答える。 「うん。ああいうのも悪くないね」  それだけのやりとりだった。ブレイの横顔からも、口調からも、何の表情も読み取れない。だが、イェビ=ジェミはほっとしていた。屋根のないところで野宿する羽目になったのも、ゆっくり朝食を食べる暇も無く出発したのも、自分のせいのような気がしていたからだ。

コメント

もっと見る

コメント投稿

スタンプ投稿


  • セリア(精霊幻想記)

    エスティ

    ♡1,000pt 2023年3月6日 15時26分

    ※ 注意!このコメントには
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    頑張ってくださいね

    エスティ

    2023年3月6日 15時26分

    セリア(精霊幻想記)
  • 男戦士

    ムルコラカ

    ♡1,000pt 2022年6月29日 17時59分

    イェビ=ジェミとブレイの微笑ましいやり取りも相変わらず良いものですが、いよいよイェビ=ジェミが持ってきた剣に話が及んできましたね。今後の展望が楽しみです。

    ※ 注意!このコメントには
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    ムルコラカ

    2022年6月29日 17時59分

    男戦士
  • 男盗賊

    akiwoK

    2022年6月29日 18時54分

    主人公に似て地味で控えめな魔剣なのでなかなか発動しないんです(笑)

    ※ 注意!この返信には
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    akiwoK

    2022年6月29日 18時54分

    男盗賊
  • 水着ステラ

    かぶき六號

    ビビッと ♡877pt 2022年6月29日 16時52分

    《ふと、イェビ=ジェミは悪戯心を起こした。今、ブレイの頬に触れたら、ブレイは目を覚ますだろうか。もしもブレイが目を覚ましたならば、何を言うのだろうか。》にビビッとしました!

    ※ 注意!このコメントには
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    かぶき六號

    2022年6月29日 16時52分

    水着ステラ
  • 男盗賊

    akiwoK

    2022年6月29日 17時07分

    ほんとにやったらせくはら!

    ※ 注意!この返信には
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    akiwoK

    2022年6月29日 17時07分

    男盗賊
  • れびゅにゃ~

    via

    ♡100pt 2022年8月2日 19時07分

    道具は良いものを使いたいですよね。木を切るのにも抜群の切れ味の剣とか……って、なんとも贅沢な使い方!

    ※ 注意!このコメントには
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    via

    2022年8月2日 19時07分

    れびゅにゃ~
  • 男盗賊

    akiwoK

    2022年8月2日 20時57分

    これ、イェビ=ジェミは剣は消耗品だと思ってるんですよ

    ※ 注意!この返信には
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    akiwoK

    2022年8月2日 20時57分

    男盗賊
  • れびゅにゃ~

    via

    ♡100pt 2022年8月2日 19時06分

    ※ 注意!このコメントには
    ネタバレが含まれています

    タップして表示

    ▼▼

    良き哉 良き哉

    via

    2022年8月2日 19時06分

    れびゅにゃ~

同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • 語り合い「ダイエット編」

    男たちは語り合う──ダイエットについて

    0

    0


    2023年10月2日更新

    秋課題のマラソン、二週目のダイエットについて語り合います

    読了目安時間:2分

    この作品を読む

  • わたしたちはやりがいという言葉に搾取されている。

    まあ、こんな感じです。

    1,400

    0


    2023年10月1日更新

    植竹喜久子はある施設の介護職員。 給料は安く、仕事内容もきついけど、やりがいだけでなんとか仕事している。 だけど、それも……

    読了目安時間:2分

    この作品を読む

  • コメットを目指して

    メンズ地下アイドルの話です。

    0

    0


    2023年10月1日更新

    二十八歳の瀬尾ネアは、四人組メンズ地下アイドル『九龍prinz』で活動していた。 アイドル活動を始めて六年。いつの日か花開くことを夢見て活動を続けていくが、現実は甘くない。コールセンターのアルバイトをしながら、将来と夢を天秤にかけている。 このままアイドルとして売れなければ、どうなってしまうのだろう? 毎日自問するも、答えは出ない。 そんな時、瀬尾はマネージャーである稲塚から日本最大級のメン地下のフェスである『メンズアイドルエクスポ』に出演が決まりそうだという話を聞く。 ようやく報われると彼が思っていたのは束の間、グループの中で一番の人気を誇る藤宮リヒトがアイドルを引退する旨を告げられる。 華やかなステージの裏にある、過激なファンサービスやアイドル同士でのマウントの取り合い。光と闇が混在して蠢くメン地下の世界で、瀬尾はどんな風景を見るのだろうか。

    読了目安時間:12分

    この作品を読む

  • Parfumésie 【パルフュメジー】

    音から香水を作る少女の話。

    236,670

    3,452


    2023年10月1日更新

    フランス、パリの12区。 ヴァンセンヌの森にて、ひとり佇む少女は考える。 憧れの調香師、ギャスパー・タルマに憧れてパリまでやってきたが、思ってもいない形で彼と接点を持つことになったこと。 そして、特技のヴァイオリンを生かした新たなる香りの創造。 今、音と香りの物語、その幕が上がる。 ※Kindleにてまとめて電子書籍で出ています。1冊99円となっているので、まとめて読みたいという方は、よろしくお願いいたします。unlimitedに加入されている方は無料になります。

    読了目安時間:5時間31分

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る

  • 病印 忘却の花嫁

    怪異と戦う一人の少年の物語

    336,700

    92,540


    2023年9月30日更新

    第零部 ある日、霧崎=悠は夢を見た長い黒髪の幼き少女が悠に「遊ぼ」と声をかける。すると手の甲に時が刻まれ、それが零になると悠は「死」ぬと少女が言う。 その遊びの内容は怪異と戦うことだった… 霧崎悠は異能力「黒レコード」を使って怪異の謎を探り推理して怪異となった犯人の正体をみつけて戦う。 第一部 怪異事件から二年後…探偵見習いの理花瑠は事件を解決するため現場に行くと廃墟で怪異に襲われる。記憶を失った少女コハクに助けられ二人はバディを組むことになった。 二年前に起きた怪異事件はまだ解決していなかった。人には視えない怪異達が人々を襲う。 理花瑠とコハクは推理と戦闘を駆使して怪異事件の真相をつきとめ忘却の花嫁を探す。

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:15時間52分

    この作品を読む

  • JK巫女の遥ちゃん

    JKの巫女さんを主人公にしてしまった

    1,443,866

    19,483


    2023年9月17日更新

    ここは埼玉県所沢市のとある町。 この町では現役JKでありながら巫女さんを務めている遥ちゃんという美人で(見た目は)清楚で可愛い女の子がいた。 この物語はそんな遥ちゃんののんびりした日常だったりヒリつく日常の話である。 暴力描写はかなり多めで、思いつきで書いているので話がドンドンおかしくなってますw

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:5時間22分

    この作品を読む

  • 868回敬遠された月出里逢

    無名の少女が史上最強となるプロ野球もの

    40,700

    14


    2023年10月1日更新

    現実より多くの人々が野球に熱狂し、男女問わずプロの舞台にさえ飛び込む別の現代。 無名選手の月出里逢(すだちあい)は高校3年の秋、野球への未練を完全に断ち切る為、分不相応だと自覚していながら敢えてプロ志望届を提出し、その年のドラフト会議の日を迎えた。テレビの前で同年代や大学・社会人の有名選手が次々と指名されていくのを溜息交りに眺めていたが、六巡目で逢はまさかの指名を受ける。 逢を指名したのは、日本球界12球団で"最弱"と名高い天王寺三条(てんのうじさんじょう)バニーズ。そして逢の指名を促したのは、かつての高校球界のスター投手で、現在は女子大生でありながらバニーズのオーナーも務める三条菫子(さんじょうすみれこ)。1学年違いの逢と菫子はお互いたった一度だけ練習試合で対戦したことがあった。 体格に恵まれず、実績的にも本来なら指名に値しない逢だったが、実は人間離れした身体能力を持ち、そして、その身体能力さえも霞む程の類い稀な才能を秘めていた。菫子は逢の破格の潜在能力を見抜き、球団再建に加え、ある別の目的の為に逢を引き寄せたのである。 これは、実力も精神もまだまだ未完の大器である月出里逢が、幾多の困難を乗り越え、やがてとある怪物投手と共に"史上最強"と謳われるまでの英雄譚。そしてそんな彼女と共に困難を乗り越える者達と、彼女に挑む者達の群像劇。 (1~3日に1回くらい?のペースで1回2000文字前後くらいを予定) (更新はAM12:00かPM18:00くらいになることが多いです) twitter:https://twitter.com/best_yayoilover 表紙絵や挿絵、設定画など:https://www.pixiv.net/users/57502957

    読了目安時間:31時間42分

    この作品を読む

  • ダークスレイヤーの帰還

    最初で最後の本格ファンタジー!

    2,091,023

    19,935


    2023年9月24日更新

    【日間総合1位、異世界ファンタジー日間1位になりました!】 【HJ小説大賞2020後期、最終選考!】 ※現在小規模な改稿中です! かつて無限世界の構造に異を唱え、絶対者たちに唯一反旗を翻し、永遠の闘争に身を置いた戦士がいた。 神々の不都合を封じた『永劫回帰獄』の黒い炎を纏い、封じられた戦士たちの力と武器を揮う闇の存在、ダークスレイヤー。 しかし、いつしか彼は忘れ去られ、その戦いも伝説として忘却されつつあった。 一方、緩慢に滅んでいく無限世界の中で、唯一『永遠の地』と呼ばれる異世界ウロンダリアでは、八百年前の大戦を最後に訪れた長い平和に、不穏な退廃が漂い始めていた。 全てが漂着するとされるウロンダリアにおいて、ことさら特殊な漂着者とされる『眠り人』。 二十人を最後に永遠の平和が訪れるとされていた予言は破られ、二十一番目の『眠り人』とされる男が流れ着く。 彼を目覚めさせるのは『眠り女』と呼ばれるさまざまな種族の女性たち。 やがて目覚めた男は何を見、何と戦い、何処へ行くのか? 妙に多い美女たちの謎と、彼女たちとの関係は? 囁かれる『時の終わりの大戦』とは? これは、神と人の時代の隠された断絶と、我々が忘れた戦士の物語。 ※総文字数は350万字を超える予定です。 ※大長編なので、所々に単発エピソードを置いています。『※単発』とあるエピソードは話の進行に関係なく読めます。 広大な異世界ウロンダリアの沢山の物語の一つにして最重要エピソードである、『ダークスレイヤーの帰還』をピックアップした物語です。 政治・文化・言語まで設定された世界を舞台に、素敵なヒロインたちと硬骨な冒険が続いていきますが、やがて物語は多くの他の異世界や無限世界全域の問題を浮かび上がらせていきます。 ※各章話の予定はその項をご覧ください。

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり
    • 性的表現あり

    読了目安時間:45時間56分

    この作品を読む