サヴァイヴ・アライブ ―殺戮人形の矜持―

読了目安時間:3分

エピソード:46 / 58

JOHNs Report『ジョン・アンバーという男』

『大革命』を一応は沈静化させたと言うなぞの傭兵、ジョン・アンバー。この項ではなぞの多い彼について少し触れたいと思う。 2038.09.13 ジョン・ヒビキ少尉 記  このレポートを書くうちに一日が経過してしまった。本当は一日でなんとかまとめたかったけれど、書きたいことが山積みで、エピソードの取捨選択もついていない。しかも「僕の文章力で国民はわかってくれるのか?」という懸念もある。この話が無駄となるようならば、けっきょくリ・アメリカの人形はその程度だったと呼べる。おいおい、これでは本国から遠く離れた南の島のホテルに籠もってまで、筆を取った意味がなくなるぞ。  さあ無駄話はやめよう。今回は大革命の真っ最中に、慌てふためく国民を尻目に俊敏な対応を取った民間軍事会社『ブラック・マリーンUS』社とその企業に所属していると言われる「謎の英雄」……『ジョン・アンバー』について語りたい。  大革命が起きてから、国は大混乱となった。国民達は暴力をふるい、あるいはふるわれ。逃げ惑う女子供は身も心も犯された。国中のあちらこちらで暴動が起き、その後は虚無にも似た不気味な静けさが満たした。  僕は幼い頃からこの光景がとても疑問だった。あの演説でバーンズが発した言葉は、ずばり言ってしまえば大したことはない。証拠が薄いし、根拠もない。ただでまかせをくちゃべったと言っても気にするやつはいないだろう。  この大革命の一つの真相については、別項の『SナノとAナノ』についてを参照願いたい。「願いたい」と言ってもかなりショッキングな内容ではあるので、心臓が弱いお年寄りやなにかに影響されやすい思春期の子供は自己責任でお願いする。  その大革命の最中に僕も所属したことがある民間軍事会社『ブラック・マリーンUS』社がいた。旧アメリカ政府は最後のあがきで莫大な投資で賭けに出たのだ。「アメリカを潰すか? 存続させるか?」てね。  この民間軍事会社(PMC)には一人の男がいた。情報局(CIA)出身のその男はかつてバーンズと一緒に作戦を遂行した過去があり、バーンズを誰よりも知る人物とされていた。それがジョン・アンバーだ。  男の素性は明らかにされないことが多かった。ジョン・アンバーというふざけた名前も偽名の可能性が高いとされている。わかっているのは東欧系の四〇代男性ということくらいだ。  この男……ひいては男の出身とされていた東欧について調べたところ気になる箇所が出てきた。紛争地帯で目まぐるしい戦果をあげていた少年兵についてだ。その少年は一本のナイフで広大な敵地を荒らして回っていたらしい。旧アメリカの介入によって終結したこの紛争を最後に少年は姿を消したと言われている。  そして四〇代のアンバーとこの少年の経歴を照らし合わせてみたところ、見事に合点がいった。  しかしこの男、素性不明なのに不思議と親近感(シンパシー)を感じるのは僕が同じナイフ使いだからだろうか?  実際に会って話してみたいところだが、僕個人にそこまでする手段もない。  でもそこでクラーク司令との掛け合いを思い出す。たしかあの時 【文章が政府(リ・アメリカ)によって削除されました。ここから先は表示できません。】

コメント

もっと見る

コメント投稿

スタンプ投稿


同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • レジェンド・オブ・ダーク遼州司法局異聞 

    アラサー女子上司達に鍛えられる物語

    856,235

    2,483


    2022年8月17日更新

    感想コメントで『キャラ多すぎで覚えらんねえ』と言うことで減らして『特殊装甲隊 ダグフェロン『廃帝と永遠の世紀末』 甲武の闇』となりました ほとんど事件の内容は同じですが、キャラは覚えやすいよう『濃く』しました ギャグも増えました 地球人類が初めて地球外人類と出会った辺境惑星『遼州』の連合国家群『遼州同盟』。 その有力国のひとつ東和共和国に住むごく普通の大学生だった神前誠(しんぜんまこと)。彼は就職先に困り、母親の剣道場の師範代である嵯峨惟基を頼り軍に人型兵器『アサルト・モジュール』のパイロットの幹部候補生という待遇でなんとか入ることができた。 しかし、基礎訓練を終え、士官候補生として配属されたその嵯峨惟基が部隊長を務める部隊『遼州同盟司法局実働部隊』は巨大工場の中に仮住まいをする肩身の狭い状況の部隊だった。 さらに追い打ちをかけるのは個性的な同僚達。 直属の上司はガラは悪いが家柄が良いサイボーグ西園寺かなめと無口でぶっきらぼうな人造人間のカウラ・ベルガーの二人の女性士官。 他にもオタク趣味で意気投合するがどこか食えない女性人造人間の艦長代理アイシャ・クラウゼ、小さな元気っ子野生農業少女ナンバルゲニア・シャムラード、マイペースで人の話を聞かないサイボーグ吉田俊平、声と態度がでかい幼女にしか見えない指揮官クバルカ・ランなど個性の塊のような面々に振り回される誠。 しかも人に振り回されるばかりと思いきや自分に自分でも自覚のない不思議な力、「法術」が眠っていた。 考えがまとまらないまま初めての宇宙空間での演習に出るが、そして時を同じくして同盟の存在を揺るがしかねない同盟加盟国『胡州帝国』の国権軍権拡大を主張する独自行動派によるクーデターが画策されいるという報が届く。 誠は法術師専用アサルト・モジュール『05式乙型』を駆り戦場で何を見ることになるのか?そして彼の昇進はありうるのか? 表紙絵 ぶぶききさん

    • 暴力描写あり

    読了目安時間:33時間9分

    この作品を読む

  • 時間線手術

    ワイド·スクリーンバロック世界にようこそ

    100

    0


    2022年8月17日更新

    ※作者より一言。 これは絶滅種のSFです。今どき、こんなハチャメチャSF書ける人間、他にいません。他所では絶対、読めません。むちゃくちゃな話ですが最後まで付いてきてください。とにかく、希少。とにかく、すごいです。 ※あらすじ わたしは二度、時を遡った。一度は過去を変え、新しい世界を生み出すために。二度目は滅びの定めの自分の世界を救うために。これは、わたしが旅立ち、そして、帰るまでの物語。わたしが変えた歴史が生み出した、数々の驚異と奇蹟の記録である。 ※2022年9月11日完結。毎日21:00更新

    読了目安時間:1時間0分

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る

  •         【 R·O·S·E 】

          女主人公のダークファンタジー

    141,655

    460


    2022年5月1日更新

    ▼ 女主人公のダークファンタジー ▼ ▼ 学園が舞台で設定も細かく丁寧 ▼ ▼ 壮大かつ無慈悲な世界をお楽しみください ▼ ───◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆─── 異物の異郷【ミスティルテイン】剣聖学園。 毎年、何百人もの入学生を迎える世界の中心にある剣の学園へ入学した女性【リディア・ローズ】は異郷での六年間を開幕させる。 不安定な安寧、不特定な混沌が蠢く世界の中心で、墓標に朽ちた【極剣】と新たな【極剣】を携え、復讐の華を咲かせる。 許しなど必要ない。自分にも誰にも、世界にも。 最低な選択でもいい。それで未来を一滴たりとも残さず奪えるのなら。 九年前に平凡な未来を奪われた少女が今度は未来を奪う、なんて事ない平凡を失った、少女達の復讐劇。 ───◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆─── ★ジャンル日間一位★ ★総合日間六位★ 一章【ローゼングレイヴ】だけでも是非一度!! ※最新話の約、3ヶ月から5ヶ月後 に章規模で更新※ ※ひとつの章、8万から10万文字程度※ 【R·O·S·E】の特設ページなるものを設置しました! R·O·S·E本編をより深く楽しめるようにタイミングを見て随時追加していこうと思っています。 活動報告なども設置しましたので、よかったら覗いて見てください。

    • 残酷描写あり
    • 暴力描写あり

    読了目安時間:14時間44分

    この作品を読む

  • 白い魔女と小さな魔女

    魔女とお客さんの物語。

    37,550

    5


    2022年8月16日更新

    どこにでもありそうな普通の住宅地。 その片隅には異人館を彷彿とさせる小さな洋館が建っており、そこには白い魔女が住んでいた。 髪も肌も、心までどこまでも白く清純で、瞳もまた透き通るように青く美しいその魔女は、モノを修復する魔法を生業に暮らしていた。 これは、その白い魔女と小さな魔女、そしてお客さんの物語。 イラスト:mia(@mamia_14)様

    読了目安時間:44分

    この作品を読む