管理者は今日も悠久を往く

起源の章:第一節 女帝国 『ライユム』

女帝国ライユム

………… 裏路地(うらろじ)淡く(あわ )光る魔法陣、少しでも日が当たっていれば分からなかったかもしれないがここは日が当たらないためはっきりと見える。 「………ふう、着きましたね。それじゃあさっき神様が素敵なフラグを立ててくれたので服を変えますか‥‥」 面倒ごとは嫌いだ、無いならない方がいい。 ~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・ 「「おらおらッ!!荷物全部よこせやッ!!」」 なーんでーなーのー…ほら神様変なフラグ立てるから案の定(あん じょう)こうなったじゃないですかどうしてくれるんですか僕はこういうのはごめんだって心の中で思ってるんですよねぇ神様そこんとこどう思います神様ていうかあなたが何か言ったらそれもうフラグじゃなくて予言なんですよ解ります??? (『ま、まあいいじゃないか…君がそうなったわけでもないんだし…』) (「あのですね、僕がそうならなくても見てしまったら助けに行かなければと思うじゃないですか!」) 今僕たちがいるのは裏路地(うらろじ)を少し進んだ十字路。その右側が袋小路(ふくろこうじ)になっていて角から何か音がすると思ったらこんな状況だったわけだ。カツアゲだろうか、フードを被った少女に男2人が詰め寄っている。 「「おいッ!聞いてんのかよちびっこ!有り金全部出せっつってんだよ!!!」」 「はぁ‥‥来て早々現地の人と争うことに…嫌ですね、まったく…ん?」 (『どうしたの?助けに行かないのかい?』) 「いや、あの子何か‥‥ん?」 「なんだかのう‥‥どうしてこうこのあたりの人間は仲良くできんのじゃろうか‥‥」 少女はさもめんどくさそうに言う。 「「あ”?何言ってんだ‥‥」」 男たちへと向けられた手に淡い光が集まる。それは少女が言葉を紡ぐと同時に幾何学(きかがく)の円となる。 「…………fir daw danna(人々は夜へと落ちて往く)…」 少女がつぶやくと、あんなに荒々(あらあら)しく怒鳴り(どな )散らしていた男達が崩れるように眠った。少女は念のためと言わんばかりに男たちをつま先でつつく。 「「………」」 「寝ました…ね、あれも魔法ですか…?」 (『…こりゃ驚いた…あの人、君の探し人だよ。君の名前に使われている言葉を話し、弓の名手で、自分たちの言葉で編み出した独自の魔法を使う種族。『エルフ』だ!』) …神様のいたずらか、少女のフードが翻る(ひるがえ )。尖った耳、美しい金糸(きんし)のような髪。新芽を思わせるエメラルドグリーンの瞳。 「ん?お主もこ奴らの仲間か?」 少女が右手をこちらに向けつつこっちを見た。可愛い‥‥‥‥じゃなくて… 「いや、違うよ!声が聞こえたから来たんだけど‥‥どうやら君の方が強かったようだね、安心したよ!」 「そうか、助けに来てくれたのか‥‥そりゃすまんかった。わしはシラ・カラド・リンドという。シラでよいぞ!お主は?」 「僕はギリス。ギリス・ロダ・ダス。シラちゃんはこんなところで何をしていたの?服装から見るに、この辺りに住んでいるってわけでもないんだよね?」 ローブのような服の内側にはおよそ平民の服とは思えない程の上質な生地で出来た服を着ている。…がそれはさておき少女は首を傾げ考え込む、やがて合点(がてん)の行ったような顔をすると… 「のう、それよりわしの事何歳に見えとる?」 「12くらいに思うけど…」 「………わしはこう見えても30超えとるぞ…(泣き)」 とうとう会話に(泣き)を入れてしまうほど悲痛(ひつう)そうに言う。 「…す、すいません‥‥そ、それでシラさんはどうしてここへ?」 「ここには知り合いに会いに来たんじゃ…魔法使いのな…」 「魔法使いの…」 「うむ。わしは、魔道を魔導し(まどう  まどう  )魔の深淵(しんえん)を覗くもの…まあ魔法を極めようとしているものじゃ!」 神様、この人… ああ、いいねえ…こういう人なら… 「ねえ、どうかな?僕らの仲間にならない?」|

2019/11月4日ver.2.0アップデート【加筆修正】

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