「裏の畑には「モンスター果樹園」がある。」(仮) 

読了目安時間:1分

エピソード:13 / 27

第13話 難破船

 今日は、ついていない日だった。  今朝、この島に流れ着いた難破船を見た。  行き倒れの男を助けた。どうやらその男は犯罪者だったようで、男を追いかけてきた冒険者たちにその男の仲間と誤解される。  用心のために持ち歩いていた氷塊の剣が役に立った。誤解されたまま、襲ってきたので「吹雪」でお返しした。だが、その吹雪の中でも動くものがいて、油断した。するどい痛みに気づいて、わき腹を見たら小さなダガーが突き刺さっていたのだ。急所は外れたが、けがを負った。  ――体が硬直したように動かない。 「麻痺……、毒か……」  おそらく突き刺さっている小さなダガーにでも塗ってあったのだろう。下手に動いて全身に毒が回るのは御免だ。動けないでいると、数人のハンターたちがこちらに向かってくる。動けない、よけれない。  ――と、その時だ。私の真横に青いゲートが開く。ゲートの中から出てきた腕に引っ張られるようにして、青い渦の中へ。そこまでは覚えている。  気がついたら、どこかの治療院のベッドの上だった。傍らには心配そうな化け犬たちがいた。  そして声がする。懐かしい声だ。  すごく会いたくて、でもいつもすれ違っていて会えなかった彼女は治療者(ヒーラー)だった。 「気づいてよかった」 「――ミミ」 「もうー。何かあったときは呼びなさいって言ってたでしょ? 大変だったんだから!」  そういえば約束したっけ、私がまだ冒険者だった頃に……。まだ覚えていてくれたんだ。泣きそうになって、奥歯をかみしめた。 「彼らは?」 「衛兵隊に引き渡したわ」  どうしてあの場所が分かったのだろう?  その疑問を聞く前に、眠たくなって、眠りに落ちた。ミミが私に眠りの術をかけたためであった。 「さぁ、少し寝かせておきましょう。こっちへおいで」

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