「裏の畑には「モンスター果樹園」がある。」(仮) 

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エピソード:12 / 27

第12話 過去からの来訪者と忠告

  今日は昔の仲間が来た。私がまだ冒険者(ハンター)だった頃の……、若かりし時の仲間だ。 「まさか、冒険者を引退するなんて思っていなかったよ」 「――引退した理由を聞かないのね」  私が冒険者を辞めた理由は、いろいろとある。15年間、それなりに活躍していたが、有名になればなるほど、依頼をさばききれなくなった。それに化け猫と化け犬を保護しているのがばれて、他の冒険者たちに追われるようになったためでもあった。 さらには体の衰えだった。認めたくはないが、確かに体の衰えは、特にハンティング中のケガによる神経痛は、なかなか治らなかった。 「引退した理由は知ってるさ」  昔の仲間のクラウはつぶやく。見た目は優男だが、狩りでは遠距離攻撃を得意としている。強化したエルフ弓を使いこなす。 「ミルク、セレ、アレン……、みんなは元気かい?」 「ミルクとセレは一緒になった。アレンはどうだろうな。最近見てないんだ」  ミルクは男性で騎士だった。セレは女性で魔法も使える戦士だった。アレンは男性で、猛獣取扱者(テイマー)だった。 「あの事件以来、魔術者(メイジ)に転向するとは思っていなかったから、びっくりしたよ」 「死んだあの子たちと同じ名前の化け猫、化け犬に会ったからね。接近戦だけでは守れない。だから、だよ」  ちなみに今は、化け猫ミルも化け犬ジョンやチロも家にはいない。この昔なじみのクラウが今も冒険者で、彼らを狩るために来たとは考えにくいが、用心しておく。 「今はどの名前を使ってるんだ?」 「ぴぐもん」  通り名を口にする。この名前は恩人からつけていただいた大切な呼び名だ。本当はpigeonだったが、恩人のソヨッチは読めなかったらしく、この通り名を考えてくれた。ソヨッチは、私が冒険者として、まだ駆け出しの頃に大変お世話になった方だった。  ――記録鳥(キュウカルチョウ)が会話の部分だけをおしゃべりしてくれている。  どれもこれもが懐かしい。   昔からこういう時の予感は、よく当たる。  先ほど、昔の仲間クラウが帰り間際に気になることを言っていた。 「王様が代わった。前王が行方不明、補佐を務めていたダークソーが王に就いた」 「その情報は知っている」 「それらに伴い、フラグ・キラーに気をつけろ。活発化しているんだ。冒険者とは違う、PKとも違う。彼らは違反を繰り返し、相手がそうなるように仕向けてくる。目撃者が一人でもいれば通報できる。今はそういう仕組みだ。――できるだけ遭遇してほしくないんだよ」  ――牢屋(ジャイル)に入れば、裁判にかけられた上で処刑か追放……。  ――仮に脱獄できても、一生、賞金首だ。  この世界で生きていくには、これぐらいの知識は知っていて当たり前だった。  嫌な予感がする。  心がザワザワしていた。

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