「裏の畑には「モンスター果樹園」がある。」(仮) 

読了目安時間:1分

エピソード:25 / 27

第25話 女難の相 ②

 はぁ、なんでこうも絡んでくる奴は絡んでくるんだか。はた迷惑である。  ――というのも、公務で移動していた時のことだ。ま、移動といっても徒歩か、移動魔法か、もしくは騎乗生物に乗っての移動かに分かれるんだけど、いつもは移動魔法で移動する私。今日は珍しく、騎乗生物に乗っての移動だった。  魔法都市は大きな島である。島の中央に各都市をつなぐ月之門(ゲート)がある。ゲートの魔力を維持してくれている結界を修復するのも公務の一つなのだが、その仕事をしていた時に、それは起きた。  一人の女性がゲートから出てくるなり、私を指さした。そして 「あなた、私の彼氏に手を出したでしょ!」  唐突の疑いである。 「えっとー。どなたかとお間違えではありませんか?」  身に覚えはないのだが、その女性は続けてまくしたてる。 「忘れたとは言わせないわよ!」 「はぁ。だれかとお間違えではありませんか?」  話を聞けよ! と言いたくなるほど、その女性はまくしたてている。でもそのおかげで、女性が誰だかが分かる。3代ぐらい前の市長の恋人とうわさされていた女性である。お酒が好きで、酔うと、だれかまわず絡んでくる。 「……で? また酔っているんですか?」  話が一通り終わったところで、また話し始める前に立ち切った。 「まだ、酔ってないわよ!」  あらら、図星だったようだ。そういえば、と思い出す。彼女が「()()」というのは「すでに酔っている」ということになる。そういう絡み方をするのだ。 「それでは公務があるので、失礼しますね」  移動の魔法で騎乗生物ごと、その場を後にした。ちなみに「公務がある」というのは嘘で、口実なら何でもよかった。  酔っ払いの相手などしている暇がない。

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