無限の過去から87歳! 硫化鉄です! というわけで「永遠の○○歳」に対抗しながら参上してみました。 さて、今回のお題である「一。」ですが。 「このエッセイも六回目だろう。今更『一。』とか言っても、ここまでの五回分を『なかった事』にはできんぞ!」と思われる方も多くいらっしゃるだろうと拝察いたします。 ならば何故、今「一。」なのか。 それは今回、初の試みとして、ゲストをお呼びしているからなのです! という事で早速ゲストの方に後をお任せしたいと思います。どうぞ! というサムい出だしで大丈夫だろうか。 千楽亭一作。「蒼翼の獣戦機トライセイバー」の作者である。 「一作」の名の通り、千楽亭名義の作品群の第一作目、つまり全ての始まりを担っており、その作品には強い思い入れが込められている。 という書き出しで始めてみましたが、僕の書いている「トライセイバー」は基本的に三人称作品なので、このように自分の語りで書くのは結構緊張するものです。 web小説での発表第一作という事で、「一番書きたいものを書きたいように書く」事を大事にして書いています。 作品ジャンルはSF。 合体ロボット物でありながら、人間そのものや社会をメインに描く作品で、確執や陰謀、恋愛を通して、「力を得た普通の人」達がどの様に生きるのかを描いています。 この作品で僕が特筆したいのは、 ワンシーンのために世界設定が根本から変わった事、です。 大好きなSF作品、しかもスーパーロボットをリアルに描きたいと考えていた僕は、その設定にすごく悩んでいました。 Gコンやその他の設定(武器やパイロットの能力等も含めて〕はできていたのですが、どうもそれだけでは弱い。 ただスーパーロボットが無双するだけなんて面白くもなんともない。 敵勢力の戦術を考えるのもまた難題でした。 僕は、悩みに悩んで困った時は、限界まで考えた上で一旦別の事を考えるという癖がありまして、今回も一旦その手法で、トライセイバーの書き出し、序章を書き始めました。 序章はそれぞれの主人公達が、このストーリーに巻き込まれていくきっかけを描く部分で、ロボットの性能は取り敢えず関係なかったからです。 冒頭の流れは決まっていました。 大地震とともに、突然暗闇の世界に放り出される主人公達。わずかな光源もないため、全く周囲の状況はわからない。 手探りでわかるのは、周囲におびただしい犠牲者の身体が転がっている事。 そんな地獄絵図を見ずに済むことを、わずかに感謝しながらも、主人公達はこの世界から脱出しようと動き始める。 ここで、問題にぶつかります。 こんな時、僕なら間違いなくスマホのライトを使います。ライトを使わなくても、これほどの闇ならば、画面の明かりだけでも相当な光源になるでしょう。 また、他の生存者に場所を知らせる事にもなるでしょう。 これはまずい。 序章のシーン自体が成り立たなくなってしまう。 かと言って、そんな状況なら持っているスマホを使わない事は考えられません。また、たまたま主人公達のスマホが残らず壊れてしまったという事も考えづらい。 さてどうするか。 登場人物の誰もがスマホや携帯を持っていない事にするには。 ここで思いついたのが、「この作品世界では、何らかの原因で電波が使えない」という物でした。 そして、全てが動き始めました。 電波が使えない理由についての設定が出来ると、かなり裏の方までの設定が組み上がっていきました。 最初に悩んでいた問題についても、この設定が出来た事によって糸口が見えました。 電波が使えないという事は、通信が出来ないだけでなく、レーダーによる索敵、照準が使えないわけです。ならばミサイルなどの誘導兵器はほとんどなく、高速で弾丸を撃ち出すような兵器がメインになるだろう。荷電粒子砲の様な兵器が発達するかも知れない。 そしてもし敵が弱いながらも電波通信を使えたら。彼我の戦術は全く違うものになる。 さらに。 もし主人公達のロボットが、強力なレーダーや通信を使う事が出来たら、それだけでもかなり強い。 ロボット単体の性能だけではなく、戦術、戦略。 電波が使えない状況は、それらを大きく変え、トライセイバーならではの戦いを描くことが出来るんじゃないかとワクワクしました。 序章のシーンのために作った、「電波が使えない」という設定。 これはいつの間にか、トライセイバーの根本とも言える世界観になっていました。 ワンシーンの演出のために、物語や世界そのものが生まれ変わる。 滅多にない事ですが、これも創作の醍醐味だと思います。 そう言えば「蒼翼の獣戦機トライセイバー」は、公開したばかりの頃は別のタイトルでした。 「いかにも合体ロボット物です!」みたいなタイトルだと誰も読まないよ、なんて言われてしまったからで、当時のタイトルは 「俺と彼女が合体ロボットに乗るようになった理由~トライセイバー~」 やはりどうしても納得がいかず、中途半端なタイトルになってしまったため、現在のタイトルに変更しました。 この小説の世界観は、数世紀にわたる物語になっていきます。 全てが完結するまで生きて書き続けたいと思っています。 ってわけで、今回のゲストは千楽亭一作でした! 今回のお題「一。」は、彼の名前からとったものでした。 この。「作者に語らせる!」シリーズはこれからもやっていきますのでお楽しみに! 今日はうまいもん食うぞー! と気合入れて一日過ごしても、なんか気がつくといつもと同じもん食っていがちだよね。
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S.U.Y
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S.U.Y
2020年2月4日 2時20分
硫化鉄
2020年2月4日 2時50分
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硫化鉄
2020年2月4日 2時50分
ぬまちゃん
わははは、良いですね。『一。』先ずは自分からで。 硫化鉄さんて87歳の大御所だったのですね笑
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ぬまちゃん
2020年2月3日 20時34分
硫化鉄
2020年2月3日 22時13分
そうなんですよ。かなりトシです。 こんな感じで、また自作の作品紹介というか、制作秘話なんかも語っていこうかなと思ってます。
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硫化鉄
2020年2月3日 22時13分
双子烏丸
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双子烏丸
2020年2月4日 0時42分
硫化鉄
2020年2月4日 1時01分
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硫化鉄
2020年2月4日 1時01分
橋本 直
2020年2月3日 17時35分
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橋本 直
2020年2月3日 17時35分
硫化鉄
2020年2月3日 18時22分
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硫化鉄
2020年2月3日 18時22分
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