ゼロからわかるストーリー創作講座

心得がもたらす恩恵とは

冒頭の「なぜ行き詰まるのか」を読んで下さった方の中には、どんなに小さな湧き水のような観念であったとしても「ストーリーにとっての物理的な法則」が大事であることをお分かり頂けたかと思う。それに加えてここでは、心得が作品を生み出す気概にどのような恩恵をもたらすか、ということについて触れようと思う。 個々人の様々な見解があると思うが、私見を言及させて頂くと、人が生まれる目的があるとするなら、それは「使命」であるように思う。その使命が作家とリンクしているのなら、運命は間違いなくあなた自身を高みへと導いてくれるはずだ。 成功に関する話に踏み込むと、何かの分野に特化する、もしくは一つのことを極めるためには、それに対する熱い情熱が必要だ。それもすぐ燃え上がってたちまちにして焼失するという単発的なものではなく、静かに燃えたぎりながらもその内側は見かけ以上に灼熱の温度を有している情熱がものを言う。それがやがて揺るぎない信念を生み出し、あらゆる困難や苦境に直面しても立ち向かっていける覚悟と耐性を育てていくことに繋がるのだ。 それでは、情熱を持つためには何をすればいいのか。 一つはどんなことでも構わないから、「これ」と思った分野に興味を持ってみることだ。筆者自身、大の理系嫌いの出身だったが、本という媒体を介して様々な書籍と触れ合っていくうちに科学分野の本にも関心を示すようになった。 本当に好きになれるものというのは、どこに転がっているか、一見するとわかりづらいところにある。 ただ、一度見つけたら、どんなに三日坊主でもいいから、断続的であってもそれを継続することだ。 当然だが、一つの分野が熟するには、それ相応の時間がかかる。作品に対する深い思い入れもいきなり燃え上がるわけではない。そういう意味で自身の気持ちをゆっくりでいいから、徐々に育てていく必要がある。短絡的な安泰や成功を求める方々には誠に申し訳ないが、非常に凝った作品を短期間で生み出せるほど、自身の成長や創作の上達が早まることはない。それをもって大きな成果を手に入れられるほど、この世界は甘くないはずだ。 しかし、それでも様々な苦難を乗り越え続けて「この作品には徹底的な思い入れがある!」と信じられるようになってきたなら、あとはそれが日の目を見る日までただひたすらに黙々と邁進すればいいだけだ。 使命もそう。自身の気持ちというものは深い思いやりをもって育て上げていくものであり、突発的に至高の定めが舞い降りてくるものではない。 忍耐と努力が自身を高めるというのもあるが、何よりも他ならぬ自分自身と常に向き合い、温かい愛情を持ってその気持ちが次第に大きな存在へと変貌を遂げていくのを長い目で見守ってあげることだ。自分以外の外側にうまくいかない原因を探すことをやめて自身の感情や思いと徹底的に向き合っていければ、おのずとやりたいことも好きな分野も、そして使命も必ず見つかる。 そういう意味で夢を目指す人、またはそれを見つけようとする人たちには、大いなる希望がある。 話が逸れるが、日本も世界もこれから大きな分岐点に差し掛かる。だからこそどんな形であれ夢を持つ者たちが、自身を受け入れられない弱みから逃げてはならない。高慢や思い込みは自身を破滅させるだけだが、弱点はその存在によって自身の強みが何であるか、その気付きを与えてくれるきっかけになる。そのような視点から自身を俯瞰することを持続させていければ、天はいずれ必ずその人の人生に栄光を与えてくれるに違いない。 それでは、始めよう。

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