ゼロからわかるストーリー創作講座

七部構成とは~その2~

③の出来事への関与、これはいずれストーリーにおける出来事の主流となるメインの流れに主人公を巻き込むために、彼または彼女の場所を失わせた時、起きた事件と主人公の内面を関連付けるような、自然とした「リンク付け」の意味合いとしての機能を果たす。つまり、「なぜ、自分は巻き込まれることになったのか?」という主人公自身の問いかけが事件の真相を探っていく動機となり得るのだ。もちろん、単に巻き込めばいいという類いではなく、そこに主人公が巻き込まれなければならなかった必要性を前提として考える過程も生まれてくる。それだけでなく主人公にそう考えさせる環境または状況の構築も必要になってくる。 大抵の場合、その原因はストーリー上で展開される変化、つまり出来事の変遷の流れを解決へと導く「キーポイント」となるもの―実際のストーリーで言うなら例えば世界を救うアイテムのようなものだ―を主人公が所持、またはそれを手に入れるきっかけとなりうるものを所持しているパターンが頻繁に扱われる。先ほどの「トランスフォーマー」で言えば、オールスパークの在り処が刻まれた先祖のメガネを主人公が所持している、といったようにだ。このようにハリウッドではどちらかというと後者のパターンがよく使われる。 お気づきの方もいらっしゃるかもしれないが、このキーポイントとなるツールの登場は、実は前回書いた三つのタイムラインのうちに出てきた「キーポイント」そのものである。物語を収束させるためのカギとなるものはこの時点ですでに謎として提示されていることになるわけだ。 なぜ、そのキーポイントとなるツールを直接所持することではなく、そこへと導くためのきっかけとして用いられることが多いのか? それは端的に言えば、主人公を冒険させるためであり、ストーリーの中で出来事が起こる真相、つまり真髄に近づくためのプロセスとして必要だからだ。換言すれば、ストーリーという話の流れが起こる以上、その出来事が起こる真因が順番に明かされていくことで、そこで初めてそのキーポイントであるツールの必要性が生じるプロセスが必要不可欠だったと読者に理解してもらうためだ。 別の表現をすれば、メインイベントが起きてから初めてその用途が明かされるという話の順番に従うために、主人公に直接それを追求するための道のりを歩かせる必要があるからだ。 余談ではあるが、こういった順番を踏まえることがまさにストーリーという「変化」に醍醐味を持たせる何よりの基礎知識となる。 話を元に戻そう。 この項目がストーリーにおいて開始された時、主人公はメインとなる話の流れの潮流にすでに乗っており、これと平行してその潮流となるメインの出来事は別個に進行していくことが多い。それは主人公に真相を追求させる動機を強めるだけでなく、主人公がストーリーの真髄、言ってみれば話のテーマとなる核心的部分に接近していくためのプロセスを読者に分かるようにして展開していく前倒しの役割も併せ持っている。そのプロセスこそが、主人公が巻き込まれなければならなかった必要性が明かされるための準備段階として表層化していくことになるわけだ。

コメント

コメント投稿

スタンプ投稿


このエピソードには、
まだコメントがありません。

読者のおすすめ作品

もっと見る

  • 生意気最強メカ娘と往く空中都市の冒険譚

    ♡518,700

    〇3,538

    SF・連載中・84話・478,673字 新星

    2021年1月17日更新

    機械の四肢で空を駆けるメカ娘『奉姫』が人を支える空中世界『カエルム』 空の底、野盗に捕えられた奉姫商社の一人娘『アリエム・レイラプス』を助けたのは奇妙なAIと奉姫のコンビだった。 『奉姫の神』を名乗るタブレット、カミ。 『第一世代』と呼ばれた戦艦級パワーの奉姫、レミエ。 陰謀により肉体を失ったというカミに『今』を案内する契約から、アリエムの冒険が始まる。 カエルムと奉姫のルーツ、第一世代の奉姫とは? 欲する心が世界の秘密を露わにする、蒼空世界の冒険譚。 ・強いて言えばSFですが、頭にハードはつきません。むしろSF(スカイファンタジー) ・メカ娘を率いて進む冒険バトル、合間に日常もの。味方はチート、敵も大概チート。基本は相性、機転の勝負。 ・基本まったり進行ですが、味方の犠牲も出る時は出ます ・手足武装はよく飛びますが、大体メカ娘だ。メカバレで問題ない。 ※2020.3.14 たのの様(https://twitter.com/tanonosan)に表紙およびキャラクターデザインを依頼・作成いただきました。この場を借りて感謝申し上げます ※2020.8.19 takaegusanta様(https://twitter.com/tkegsanta)にメカニックデザイン(小型飛空艇)を依頼・作成いただきました。この場を借りて感謝申し上げます

  • 2021年1月20日更新

    高校入学と同時に親元を離れ、この春からひとり暮らしを送ることになった岡園 蓮(おかぞの れん)は、家事が万能なことから『オカン』と呼ばれていた。 そんな彼が出会ったのは、ミルクティー色をしたロングヘアと、透き通るほどの青い瞳が特徴的な美少女『天ノ川(あまのがわ) かのん』で、彼女は蓮を見るなり、突然抱きついて喜びの声を上げる。 「会いたかった蓮くん! ずっと……!」 「だって、私たち幼なじみだもの!」 突然の展開にまったく理解が追いつかない蓮。 これはそんな戸惑いの中から育まれていく、家事万能のオカンな男子高校生と、『自称・幼なじみ』な美少女とのラブコメディ。

同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る