wink killer もし、ウィンクで人を殺せたら――。

読了目安時間:10分

エピソード:20 / 87

第二十話 少女を黒く染めたのは

 帰り道。  目の前の女子高生は制服のポケットから携帯端末を取り出すと、浮かび上がった画面を眺めて愕然とした。  「やばい、お母さんからめっちゃLINE来てる」  彼女は「後で怒られるよぉ」と嘆きガクン、と項垂れた。俺は苦笑を交えながら「まあまあ」と彼女の肩に軽く手を乗せる。  様々な励ましの言葉を並べながら、俺の頭に浮かんでいたのは()()()()()()だった。  ふと、空を見上げた。  真っ黒な夜空に幾つもの小さな瞬きが見えた。  落ち着いてスゥ、と呼吸をすると、夏の夜の匂いがした。  無意識のうちに去来していく思考を頭の隅に押しやるため、俺は心中で「すっかり遅くなったなあ」などと間の抜けた台詞を唱えては、呆けたフリをしてみせた。  頭の中をぬるま湯で満たしていく。  呆けた思考の延長線上で、ふと、俺は驚愕の事実に気がついた。  「やばい。マジでやばいよ未玖」  「……どうしたの、ミタ」  目の前が暗くなっていく。顔からサーッと血の気が引いていく感覚がした。  彼女は項垂れたまま視線だけをジトリとこちらに向けながら、「女子高生みたいな台詞吐くミタの方がヤバいよ」とため息交じりの声を漏らした。  「聞いてくれ、未玖。今日は()()()()()の特番だったのに、録画してくるのすっかり忘れてたんだ……!」  「えぇ。別にいいじゃん、似たようなお笑い番組なんていつでも見られるんだし」  「な、何だと! 全く、君はあの番組の良さを何も分かっていないな?」  未玖が「お笑い番組なんてどれも同じ」と首を横に振るので、俺は呆れのあまりハァ、と肩を落とした。  「いいか、未玖。笑いを堪える姿が滑稽に映るのは、あらゆる世界の共通認識なんだ。俺達の世界では新年になると、絶対に笑ってはいけないという恐ろしい番組が……」  「新年早々暇なんだね」  彼女は口に手をあててクスクスと笑った。  随分と失礼なことを言われたような気がするのに、思わずつられて笑ってしまったのは何故だろうか。自分でもよくわからなかった。  住宅街を抜け商店街に近づくと、周囲の人影が少しずつ増えていった。  こちらに向かってくる人々がチラリと未玖の姿を見ては、特段気に留めることもなく通り過ぎていく。  彼女が()()()()()()()()ことは、大して気にならないのだろうか。  ぼんやりとそんな事を考えていたところで、隣から自分を覗き込む栗色の瞳と目が合った。  「……ミタ?」  「ん? ああ、そうそう、天界は暇なんだ……って、そうじゃなくて! 俺は断じて暇じゃないからな? ハハ、何を隠そうエリートの俺の周りには常に仕事が殺到し」  「サボってたから追い出されたんでしょ?」  「そ、れは」  《下界に追い出されたのは向こうの世界で仕事サボってたからで、それはしょうがないにせよ、だ》  ああ。  そういえば、君にはそう言ったんだっけ。  駅近くの商店街は賑やかで、俺は彼女の背中を追って進んだ。  湿った風が肌に纏わりつく。  彼女に掛けるべき上手い話が思いつかなかった。  黙ったまま一人先へ進んでいく彼女を、人混みの中で見失ってしまいそうになった。  「待って」と声を掛けようとした瞬間――頭の中をピリ、と電撃が走り、  俺は思わず、ハッと息を呑んだ。  (――()()()の気配がする)  その場に立ち止まり、両目を閉じる。  すれ違う人間達が自分をすり抜けていくのも気にせず、俺は先の一瞬感じた気配に意識を集中させた。  捉えた気配は、紛れもなく自分が追っている()の気配そのものだった。  奴が近くにいる。それを理解した瞬間、全身の感覚が鋭敏に研ぎ澄まされていく。  俺は未玖に、嘘をついている。  浮かび上がる雑念を排除し、奴の気配を追うために自らを奮い立たせる。やがて身体の底から湧き上がる使命感は、魂に刻み込まれた使命を思い起こさせた。  それは、必ず果たさなければいけない使命。  俺が下界に来た、本当の理由―― ―――――――――――――――――― 第二十話 少女を黒く染めたのは ――――――――――――――――――  ――それは少し前の天界での出来事。  その日の「宮殿」は、騒がしかった。  《どうだ、そっちにはいたか!》  《いや、こっちには誰もいなかった》  《畜生、あの野郎どこ逃げやがった!》  騒ぎが起こるのも当然のことだった。  その日、牢獄の扉が破壊され、大罪人が脱獄したから。  牢獄警備兵は手練れの死神が任務にあたる。しかし、その日入り口の門の前に倒れていたのは、本来負けるはずのない彼等の方だった。  「あの人」から緊急召令がかかった。  どうやら、大罪人は下界に逃れたとのことだった。  天界と下界はもともと隔絶された世界。そう易々と行き来できる世界ではない。  天界から下界に向かうためには、相当なエネルギーを必要とする。それゆえ、下界と行き来するには大きなリスクが伴う。普通の死神はエネルギーの消耗に耐えることができず、あっという間に消滅してしまうのだ。  俺は「あの人」の元を訪れた。  金色の髪が風になびく。  身に纏った白いローブは眩しく、袖の下でキラリと輝くのは、指に嵌めた金の指輪。  自分に大罪人を追わせてほしい――俺はあの時、そう志願した。  天界において唯一絶対のはずの牢獄から罪人が抜け出した。この事実が明るみになれば、治安を、「あの人」の地位を揺るがす一大事の事件。  「あの人」自身も、一刻も早い事件の解決を望んでいた。  死神に厳戒令が敷かれる中、極秘裏に、「あの人」――総督は俺にこう命じた。  「牢獄を抜け出した大罪人を追え」と。  「ミタ、どうしたの? こんな所で立ち止まって」  後ろを振り返り、戻ってきた未玖が自分に手を差し伸べた。  華奢なその手を取ろうとした瞬間、何かがギュッと胸を締めつけた。  早く、奴を追わなければ。  俺はそのために下界に来たのだから。  だから、早く――  「ごめんね。私がミタの力奪ったりして、こんなに迷惑掛けて。その、サボってるなんて言っちゃったけど、大事な仕事出来なくなっちゃったんだよね」  「それは……」  「私ね、やっと覚悟できた。あのね」  強く風が吹き、一人のか弱い少女の髪をなびかせた。  自分を見つめるガラスの瞳は透き通っていて、少女の真っ直ぐな言葉に俺は、  ――言葉を失った。  「私は、受け入れるよ。この力を。この運命を」  ズキリ、と胸が痛んだ。  (全部、嘘なんだ)  君が力を奪ったなんて、嘘なんだ。  本当は――  真実を口に出そうとした瞬間、喉の奥が乾いて言葉が上手く音にならなかった。  気道が何かに締め付けられているような感覚がして、思うように息が出来なかった。  心底、自分の情けなさに辟易する。  「俺。ちょっと、散歩してくるよ」  辛うじて出した声は震えていた。予想外の反応だったのか、未玖は驚きを顔に浮かべていた。  握る掌にじっとりと汗が滲んだ。  「え、どうしたの急に」  「いや、何となく……かな。ハハ」  苦し紛れに浮かべた笑顔はぎこちなくて、いつものように上手く笑うことができなかった。  「さっき言ってたお笑い番組だって、今から帰れば間に合うかもしれないし……」  「あ、ああ。それはいいんだ。もう」  先程捕らえた奴の気配が、時間と共に少しずつ遠ざかっていく。  途端に、焦りと、依然として腹の奥底から込み上げてくる()()()()が襲い掛かり、息が苦しくなった。  「もし俺の帰りが遅くなっても、気にしないでくれ」  「ミタ……?」  「もし、俺が帰ってこなくても」  握っていた未玖の手を離し、俺は背を向けた。  「待ってるよ、ミタ」  背中の向こうで聞こえた彼女の最後の台詞は、弱々しく震えていた。  空に浮かび上がり、宙を駆ける。  向かい風に逆らい、目標(ターゲット)に向かって俺はひたすら進んだ。  掌には僅かに彼女の温もりが残っていて、無意識のうちに歯を食いしばった。  心配そうに自分を見つめる彼女の最後の表情が頭から離れない。  《ごめんね、私がミタの力奪ったりして、こんなに迷惑掛けて》  ――違う。全部嘘なんだ。  《私は、受け入れるよ。この力を。この運命を》  ――君が苦しんでいるのも、全部、俺の所為なんだ。  君に本当のことを打ち明ければ、この胸の痛みは消えてくれるのだろうか。  君に「本当の仕事」を打ち明ければ、俺の心は楽になるのだろうか。  けれど、君に全てを打ち明ければ、俺の「本当の仕事」に君を巻き込んでしまうかもしれない。  それだけは、あってはならないと思った。  人間なんて、どうでもいいと思っていた。  ――はずだった。  でも、君は。君だけは、守りたいと思ってしまったから。  (近くにいる)  屋根の上を伝いながら、目標の気配を辿っていく。  天界の牢獄を抜け出した大罪人がすぐ近くにいる。  自らに課せられた使命を今一度思い起こし、逸れてしまった思考を再び元へと戻した。  大罪人を捕らえ、天界へと転送する。そのために俺は下界まで奴を追って来たのだ。  スゥ、と息を吸い、湿った空気を肺に送り込む。  ゆっくりと息を吐きながら瞼を閉じ、意識を集中させる。  次の瞬間、ピリリと肌を刺すような気配がした。全身の筋肉が引き締まり、強い使命感が自分を突き動かす。  星の瞬く夜空の下、住宅街の屋根の上を駆けて、駆けて、駆けて、  (『鎌』が使えないのは、アイツも同じはず)  奴と対峙した瞬間を想定し、俺は使命を果たす覚悟を決めた。  ――はずだった。  《待ってるよ、ミタ》  ふと、彼女の言葉が頭を過ぎった。  (はは。どうして)  定めたはずの覚悟は揺らぎ、再び()()()()が肺を埋め尽くしていく。  このまま彼女を一人残して俺が居なくなってしまったら、彼女はどうなってしまうのだろう。  彼女を苦しめた元凶は、紛れもなく俺だというのに。  夜空の黒の中で微かに瞬いていた光が、分厚い雲に遮られやがて途絶えていく。  向かい風がやけに冷たく感じた。  屋根の下の家は家族そろって夕食の時を迎えているようだ。子供達の賑やかな声に混じって、お笑い番組の音が聞こえてきた。  気がつけば俺は足を止めていた。  《待ってるよ、ミタ》  (どうして君の家に帰りたい、なんて)  黒々とした()()()()が去来する。その瞬間、嘘をつき続けた自らの記憶が鮮明に浮かび上がっては、圧し潰されるような強迫観念に囚われた。  すべてはあの日に始まった。  「あの人」に下界に送られた日、俺は大罪人を追っていた。  幽かに感じる気配を辿りながら奴を探し回っていたとき、俺に突然()()()()が見えた。  それはあまりに唐突で。  それは俺の目の前に広がった。  それは、少女が追われ、ナイフを持った男に切りつけられ死んでいく「未来」だった。  気がつけば、俺はその少女に力を与えていた。  死ぬはずだった彼女の運命を変えてしまった。  下界がどうなろうと、俺には関係なかった。  人間なんてどうでもいい、と思っていた。  《つ、使えないよ。こんな力》  そんな目で俺を見るな。  《お願い。返せないの? この力……》  折角助けてやったのに、何故辛そうな目で俺を見るんだ。  責めるような目で俺を見るんだ。  《なあ。何か勘違いしてないか? 君》  全部、君の所為だろ。  《俺は、君のことが嫌いだ》  《俺を面倒臭いことに巻き込んだ、君のことが大嫌いだ》  《折角君は、俺の()()()()()()()()()》  君が死神の力を手にして何を感じようが、どう苦しもうが、関係ない。  君の所為なんだよ。  《ごめんね、私がミタの力奪ったりして、こんなに迷惑掛けて》  俺が与えた力で、君がどう苦しもうが。  《私は、受け入れるよ。この力を。この運命を》  俺の所為で、君がどう苦しもうが。  俺の所為で……。  そうだった。  突然「未来」が見えて、咄嗟に君を助けようと思ったのは、この俺だ。  君はあの時、あの場所で死ぬはずだった。  それ捻じ曲げ、君に死神の力を分け与えたのは、この俺だ。  君の運命を捻じ曲げ、心の優しい君を苦しめたのも。  君に嘘をつき、君にすべての罪をなすりつけたのも。  君の手を黒く染めてしまったのは、  初めから全部――この俺だった。  ずっと心の奥底で感じていた焦りを、全部君の所為にしてしまった。  沸き起こっていた得体の知れない()()()()を誤魔化すために、君に苛立ちをぶつけてしまった。  《それでも、君が死んだら困るんだよ》  《頼むから、死んだ方が良かったなんて、もうそんな事言わないでくれ》  君を苦しめたのは、俺だというのに。  口を突いて出るのはいつも自分を守るための言葉ばかり。  《折角君は、俺の()()()()()()()()()》  俺が()()()()で友人を守った君が泣いていた時、俺はようやく理解した。  腹の底を渦巻いていた()()()()の正体を。  それが罪悪感なのだと、俺はその時点でようやく気がついた。  人間なんて、どうでもいいと思っていた。  でも、君だけは守りたいと思ったから。  ――守らなければいけないと、思ったから。  俺は歯を食いしばり覚悟を定めた。  屋根の下から幸せそうな家族の声が聞こえた。賑やかなテレビの音を背に、俺は再び前へ進む。  《待ってるよ、ミタ》  未玖に本当のことを告げることはできない。  それでも、  (ああ。帰るさ、必ず――)  必ず帰ってみせる。  俺は使命を果たして、そして君を守る。  俺の所為で苦しめてしまった君を、一人にさせないために。  第二章 守る決意 完  ―――――――――――――――  次章予告。  第二十話 少女を黒く染めたのはの挿絵1

これにて、第二章完結となります。ここまでお読みくださった貴方に感謝を。 第三章は2月12日(金)連載開始予定です。どうぞお楽しみにお待ちくださいませ。

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  • 大正むすめ

    英晴

    ♡1,000pt 〇100pt 2021年2月14日 9時34分

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    応援しています

    英晴

    2021年2月14日 9時34分

    大正むすめ
  • キューコ(デンドロ)

    優月 朔風

    2021年2月14日 14時21分

    英晴さん、沢山の応援をありがとうございます……! 英晴さんにとって凄く大切なものですよね。貴重なお心、大変励みになりました。大切に使わせていただきます! 第二章までお読みくださりありがとうございました。第三章もお楽しみいただけるよう、引続き試行錯誤しつつ頑張りますね✩.*˚

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    優月 朔風

    2021年2月14日 14時21分

    キューコ(デンドロ)
  • 女騎士

    みんとす。

    ♡2,000pt 2022年3月6日 8時44分

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    夢中になりました

    みんとす。

    2022年3月6日 8時44分

    女騎士
  • キューコ(デンドロ)

    優月 朔風

    2022年3月6日 10時00分

    みんとす。さん、第二章も読了くださりありがとうございます!! 第三章では警察が出てきたり、死神の使命を掘り下げたりと、物語が少しずつ展開していきます。 またのお越しを心よりお待ちしています✨

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    優月 朔風

    2022年3月6日 10時00分

    キューコ(デンドロ)
  • レトロ扇風機

    Planet_Rana

    ♡2,000pt 2021年2月4日 20時47分

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    これは最高

    Planet_Rana

    2021年2月4日 20時47分

    レトロ扇風機
  • キューコ(デンドロ)

    優月 朔風

    2021年2月4日 23時31分

    あああありがとうございます〜。゚(゚´ω`゚)゚。尊敬する御方にお読みいただけるのは嬉しいことです……! というかこのスタンプ良きですね……!

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    優月 朔風

    2021年2月4日 23時31分

    キューコ(デンドロ)
  • 猫

    朽縄咲良

    ♡1,500pt 2021年8月21日 22時11分

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    「尊い」…現場からは以上です

    朽縄咲良

    2021年8月21日 22時11分

    猫
  • キューコ(デンドロ)

    優月 朔風

    2021年8月22日 2時44分

    朽縄さん、またお越しくださり、第二章読了ありがとうございます! 「尊い」とても励みになります(;;) あらすじの「自分を守る」「誰かを守る」はコンプリートしました。次章から若干ラブコメ要素が入りますが、またお楽しみいただけますように✨

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    優月 朔風

    2021年8月22日 2時44分

    キューコ(デンドロ)
  • ブルーマーメイド

    藤しゃわ

    ビビッと ♡1,000pt 2021年10月10日 22時14分

    《君が力を奪ったなんて、嘘なんだ。》にビビッとしました!

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    藤しゃわ

    2021年10月10日 22時14分

    ブルーマーメイド
  • キューコ(デンドロ)

    優月 朔風

    2021年10月11日 0時12分

    藤しゃわさん、ビビっとありがとうございます✨ 丁度最新話でこの部分に関するお話を進めていたのでタイムリーだ! と思いながら。。 お気に召しましたら是非、第三章も遊びにいらしてくださいませ(*´˘`*)♥

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    優月 朔風

    2021年10月11日 0時12分

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