一茜の歌集(にのまえあかねのうたのーと)

読了目安時間:2分

あしあとを

足跡を 沖つ白波 (おお)ふなら (あら)たしあした 今や向かはむ 《私の真面目訳》 足跡(あしあと)を 沖の白く泡だつ波が 覆いかぶさって消してゆくならば 新しい明日に 今向かおうと思う 《脚色した現代語訳 (語り口調)》 もし今までのあなたとの記憶を海が消し去ってしまうなら、新しい明日に向かって今新しい人と恋をしようと思います。 《一応の解説》 真面目訳と脚色現代が少し違いますね。 本歌取りなのでそこを補足します。 風吹けば 沖つ白波 竜田山 夜半(よわ)にや君が ひとり越ゆらむ 《現代語訳》 かぜが吹くと沖に白波がたつ。その「たつ」ではないが竜田山をあなたはひとり寂しく超えていくのでしょうか。 《背景》 ある男の人は夜中に女の人の家から出て、他の女の人のところに行っていました。女の人はいつも嫌がらずに送り出してくれるので、自分がいない時に不倫をしているのではないかと男の人は疑いました。 なので家を出たふりをして庭に隠れていると、女の人はこの和歌を詠みました。それを見た男の人は、もう他の女の人のところには行きませんでした。 (この時代は一夫多妻なので、一途なのはレアだと思います。) つまり今回は「沖つ白波」を入れることによってこのようなイメージを引き出そうと狙ってます。 (本来本歌取りならもっと長く持ってくるべきかもしれません) 白波 白く泡だつ波。 (あら)たし 古語で「新しい」という意味。 《つぶやき》 「足跡」ですが、今回は象徴的に「思い出」を表そうとして入れてます。 「自分の過去の行動によってできたもの」という点で共通していますね。 少し無理気味と言われそうですが、あくまで脚色現代だから。うん。 そのままいくと、「未練を捨てて明日に向かおう。」という失恋から立ち直るイメージですが、使用場面は恋が上手くいかない時に送る時なのでしょうか?(多分現代では恋人に和歌送っても困らせるだけでしょうが) 昔は一夫多妻です。 源氏物語では、天皇があまりにも桐壺ばかり愛し、他の女性を愛さないことを家臣が文句を言っているような場面があります。 天皇の血筋を絶やさないための方法ですね。 一途(いちず)な恋ができる現代に感謝。(男子諸君!昔が良かったなんで思っちゃダメだぞ!) 今回はここらへんで終わろうと思います。最後まで読んでいただき有難うございました。 皆様に31音の魔法がかからんことを

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  • 野辺良神社の巫女

    兎禾

    〇10pt 2020年5月13日 0時36分

    お疲れ様であう。最近忙しくて、しっかり読みたくて間が空いてしまいました。GW中は大変貴重な返答ありがとうございました。しかし、無知を知った私は今ドツボにハマっていて……歌を詠んでは違うよなと(笑)アラは隠せないし、未熟さ満載ですが、成長過程でも歌を詠んでいこうと思います。

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    兎禾

    2020年5月13日 0時36分

    野辺良神社の巫女
  • 十二単風ノベラ

    一茜

    2020年5月13日 21時53分

    あ、和歌の沼に?!私もあれ書きながら、「とは言いながら私も未熟だなぁ」となってましたのでなかなか難しい所です。書いてないですが縁語のこととかもあれに絡んできますからね。私としては仲間が見つかることも嬉しいです。一緒に悩んでいきましょう!

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    一茜

    2020年5月13日 21時53分

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  • 女魔法使い

    ALIA

    ♡1,000pt 2019年9月12日 9時25分

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    応援しています

    ALIA

    2019年9月12日 9時25分

    女魔法使い
  • 十二単風ノベラ

    一茜

    2019年9月12日 15時47分

    お久しぶりです!私は生きてます!というか投稿できなくはないけど、ランキングの関係でまとめて投稿する方がメリットが(>人<;)あと質の意味で妥協しないので!(ここが1番の原因)最近和歌の本を買い足して頑張ってます。ぜひお待ちください(少し寂しかったので嬉しかったです(//△//)

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    一茜

    2019年9月12日 15時47分

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  • 殻ひよこ

    裏方

    ♡500pt 2019年7月28日 16時58分

    前回のお返事…あ、あれ、涙が…。身長ですか…ない袖は振れませんものね…(制服だけに)強い風と高い波の先で崩れるようにして生まれる白波。その白波を作ったのは高ぶる感情なのか、それとも積み重なった思い出の大きさなのか…青春です…海を眺めながらよみたい素敵な歌でした!

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    裏方

    2019年7月28日 16時58分

    殻ひよこ
  • 十二単風ノベラ

    一茜

    2019年7月28日 22時20分

    裏方さんいつもありがとうございます!いつも返信が詩的で嬉しいです♩もう青春は過ぎ去ってしまいましたが、現在歌ノートに投稿してる和歌はほぼ全て私の高校時代に詠んだものです!現実はあまり青春してないけれど(色々こじらせたせいで)作品を楽しんで頂けらたら幸いです^_^

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    一茜

    2019年7月28日 22時20分

    十二単風ノベラ
  • 文豪猫

    芥生夢子

    ♡300pt 2020年2月27日 0時25分

    ああ〜ロマンチック!!逸話もいいですね!

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    芥生夢子

    2020年2月27日 0時25分

    文豪猫
  • 十二単風ノベラ

    一茜

    2020年2月27日 2時58分

    当時は本当に和歌が本当にモテ要素ですからね〜。女性は結婚相手によって経済状況まで関わってきますし、結構怖くもあったりします。少し浮世離れして心に余裕がある貴族だからこそ、忙しく生活してる私たちの気づかないことに……(ちょっと硬すぎますねw)

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    一茜

    2020年2月27日 2時58分

    十二単風ノベラ
  • ブルーマーメイド

    まちるだ

    ♡300pt 2019年7月23日 9時33分

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    待ってました!

    まちるだ

    2019年7月23日 9時33分

    ブルーマーメイド
  • 十二単風ノベラ

    一茜

    2019年7月23日 10時10分

    継之助さん、ポイントとスタンプありがとうございます! 和歌ってコツコツ書くものではないので、詠む頻度は大きく異なります。ジョブズさんのコネクティングザドットの話のように、不意に自分の体験や知識が結びつく時が来るかどうかが……でも、精一杯頑張ります!出来るだけ毎日投稿続けます!

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    一茜

    2019年7月23日 10時10分

    十二単風ノベラ

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