百鬼夜行御伽草紙 キビナ姫

読了目安時間:14分

エピソード:12 / 23

キビナ姫、ハリマの神宮で死鳥と会う

 ハリマの港へ上陸したキビナ姫一行は、港から通じる大きな市に入りました。そこはゴウライの都の大路のような広い通り一杯に店が立ち並び、たくさんの怪異や人が集まり、行き交って、物を売り買いしたり、話をしたり、食べ物を食べたりしていました。それはとても賑やかで心が浮き立つ光景でした。 「ふえぇ。まるで祭りみたいだよう」 「カラモノの町にも負けない賑わいね」 「ハリマの港市は昔から大いに栄えたところでしたから。しかも以前よりさらに盛んになったと見えます」  前世の記憶を辿りながらキビナ姫は答えます。かつてのハリマの市よりも、人も物も増えた上に、居並ぶ商家や土倉はさらに立派な建物に変わっているように見えました。  そのように様変わりしていた街並みでも、道の形自体はさほど変わっていないようで、キビナ姫の案内で一行は迷うことなくあるくことができます。 「なあ、ゲツハイ姫やい。なんだか周りの連中がずっとおいら達を見てるきがするんだよう。気のせいかな」  キョロキョロと首を巡らせながらフセ姫は言いました。尻尾も耳もふりふりと動いていて、興味津々に辺りを見回す様子は、典型的なお上りさんといったところでしょう。  ゲツハイ姫はため息をついて答えます。 「こんな人がいっぱいいる場所を、こんな麗しい女の一団が堂々と歩いてるんだもの。人の目を惹いて当然よ」  キビナ姫も二人の御供姫も、潤うもろ肌の多くが見える格好ですし、四肢の線も露出され、肉の詰まった胸や尻の柔らかさや腰の円やかなつくりまで、服や鎧越しとは思われないほど強調されていますから、その場にいる老若男女の視線を集めてしまうのは仕方ないことでしょう。ゲツハイ姫は調子よく、路傍で熱いまなざしを向ける名も知らない男性に流し目や微笑みを投げて、相手を挑発します。 「ふふん。ちょろいわね」 「何やってんだよう。まあいいや。おいらはともかくキビナ姫さまがすげえ綺麗なのはまちがいねえし、それで周りが見てるってんならしょうがないな」 「あら、フセ姫も元気でかわいいから、人の目を集めていると思いますよ」 「そうよ。フセ姫姉さんは自分ではわからないかもしれないけど、とっても綺麗よ」 「ええ? そ、そんなこと言われてもおいら分かんないよう」  頭をくしゃくしゃと掻きながらも、頬をほんのり赤らめる姿には、キビナ姫もゲツハイ姫も、そしてそれらを遠巻きに見る男たちの胸をくすぐられるものがありました。 「もう、姉さんったら子供なんだから! まぁいいわ。そのうちお化粧やお洒落の仕方でも教えてあげる」 「うふふ。いつかそんな事が出来るくらい、平和な時が来るといいのですが。さ、二人とも、そろそろ着きますよ」  三人は注がれるこそばゆい視線を肌に感じながら市を通り抜け、脇道に入り込んだ。そこには石の階段が丘の上に向かって伸びているのでした。 「この上です。ここにハリマの港を見守る神宮があります」  ハリマの神宮はハリマの港とそこに暮らす民を見守る守護神霊、そしてそれに仕える神守の一族が暮らしていたとキビナ姫は記憶しています。 「神宮の神守のもとには、ハリマのあらゆる人や物の話が集まってきます。球の船について何か知っているかもしれません」  長い長い階段を進んでいった三人の前に、参道を示す鳥居門が現れ、その先には翼を広げたように大きな庇のある屋根を備えた社殿が現れました。  それはそれは豪華絢爛な社殿でして、見渡せば神木と思しき大樹は縄で飾られ、東屋には手水鉢が並んでいて、こんこんと水が流れ落ちていました。足元は石が敷かれ泥雨を避けて通えるようになっています。  社殿のある丘の上は広く、建てられた建物も風情も、まさにこの反映するハリマの象徴たるものがありました。 「ふわあ! すげえ立派なお社だよう」 「こんな険しい丘の上に、よくもこれだけのものを……」  御供姫はそれぞれに感動を覚えました。しかし、キビナ姫だけは違います。その顔には険しいものが混ざっていました。 「どうしたんですよう、キビナ姫さま」 「妙ではないですか。これほど豪華な社殿を備えながら、この地は異様に静かすぎます」 「確かに、参拝者が誰もいないわ。それに……」  ゲツハイ姫は注意深く社殿に向かって歩きます。周囲を観察することも忘れません。 「なんだか、あんまり手入れがされていないような気がする」  そう。神宮の建築群の立派さに反して、そこには人の息吹のようなものが欠けていました。手水鉢には絶えず水は流れていても、浮草や小石が中に沈んでいるようですし、神木の周りには落ち葉が溜まっています。社殿を巡っている廊下の手すりにも土埃が薄っすらと乗っていました。 「神守の方を探してみましょう……しかし、これは……」  キビナ姫たちは社殿に上がり込みました。一抹の不安を抱えたまま堂内に入ると、そこは最低限の祭具が並べられただけの殺風景な部屋でした。  さらに廊下を渡っていくと、神主や置き巫女が詰める社務所や、巡礼する修験者などを宿泊させる御旅所、奉納されたものを納めておく御蔵などがありましたが、どこも鍵が掛けられている上に、暫く触った様子がありませんでした。   そして社殿のある敷地から一段下がった土地に神守の一族が住んでいた屋敷がありました。しかし、そこも人が全くいませんでした。 「そんな……一体、どうして……」  これにはキビナ姫も落胆を隠せませんでした。それは先に市の繁栄を見た結果一層深いものでした。 「キビナ姫様、気を落とさないでくださいませ」 「そうだよう。当てが外れたかもしれないけど、おいらたちもがんばるから、なんとかなるよう」  御供姫は敬愛する主の落ち込んだ姿に心を痛めながら、懸命に慰めてくれました。キビナ姫はその健気な様に癒されました。 「……そうですね。人も物も、大いに変わってしまうことは仕方ないことなのかもしれません。それに確かに、私にはこんな可愛らしくて頼りになる家来がいるのですから。気落ちしていてはいけませんね」  二人の頭を撫でてやると、フセ姫は嬉しそうに、ゲツハイ姫は少し恥ずかしそうにしました。  ひとまず三人はこの場を出直すこととし、ふたたび市に降りていこうと社殿の正面に戻ってきました。  そこで不意に、フセ姫の耳と鼻が反応します。 「むむっ」 「どうしたのフセ姫姉さん」 「ここ、何かがいやがるよう。むむむ……そこだっ!」  フセ姫は神木の生い茂る枝葉の中に向かって石を投げました。矢のようにまっすぐ飛ぶ石は神木の中に飛び込み、枝と枝の間を跳ねまわります。 「うぎゃあっ!」  その瞬間、大きな羽ばたき音をさせながら巨大な影が飛び出しました。 「やっぱりいた! おいらの耳と鼻をごまかせると思うなよっ!」 「けけっ、ばれちまったらしようがない」  その正体は巨大な鳥形の怪異『死鳥』でした。大きな爪のある五本指の足を持ち、羽根は黒、灰、茶の三色を混ぜた大変地味な色をしています。そして特徴とするべきは、腹から胸、そして顔に掛けては女人の形をしていることでしょう。顔は美人と言えるくらいに整ってはいましたが、肌はひどく垢に塗れており、羽混じりの髪は汗と泥で固められ、元の色さえ分からない有様です。そして何より、死鳥という怪異は猛烈な悪臭を放っていることで知られました。 「うーわ、くさっ! あんた一体何食べたらこんなに臭くなるの!? っていうか身体を洗いなさいよっ!」 「きょけっ、化粧臭い奴に言われたくないね」  ゲツハイ姫は露骨に死鳥を見て顔を歪めます。フセ姫は頭上で羽ばたき、風と共に異臭を振りまく死鳥を見て短刀を構えました。 「キビナ姫さま! おいらわかったよう。きっとこいつが犯人だ!」 「はあ?」  死鳥は首を転げそうなくらいかしげます。フセ姫は短刀を突き付けます。 「こいつがここに住みついちゃったから、神宮にだれも来なくなっちまったんだ。そんで、神守の一家も食っていけなくなって逃げちゃったんだ。そうだ。そうに違いねぇ!」 「なるほど。点と点が繋がったわね!」  合点がいったゲツハイ姫も団子珠を構えます。胡乱な気配を見せる相手に対し、死鳥の方も警戒を強めます。 「ああん? やんのかこいつ! 言っておくけどここは俺の縄張りだ。出ていくつもりはねぇからな!」 「生意気な鳥ね! 待ってなさい、今すぐとっ捕まえてそこの手水鉢で洗ってやるんだから!」 「二人とも落ち着きなさい。そこな怪異が原因とは限りませんでしょう」  キビナ姫は武器を構える二人をなだめて言いました。 「そこな鳥形の怪異、死鳥とお見受けします。私はキビナ姫と申すもの、こちらはフセ姫とゲツハイ姫」 「はん。お姫さまが三人そろって何の用だか。しかもそんな色っぽい恰好でさ!」 「恰好はともかく、私たちは旅の途中で話を聞きたくてここに参ったのです。貴女はここに住み着いているようですし、何か事情を知っているのではないですか」 「知ってるよ。俺が住み着く時に神守と話をしたからな」 「なんだとう!」 「なんですって!」  御供姫は驚きます。どうやら本当にこの死鳥を原因だと思っていたようです。 「なんだったら、鍵だって持ってるよ。俺にはこの神木さえあればいいから用がないんでな」  死鳥は神木の枝葉の中に首を突っ込むと、何かを咥えて飛び出し、三人の足元に吐き出しました。  それはかなり汚れていました。死鳥の唾液や残飯、抜けた羽毛に塗れていましたが、しっかりした作りの鍵が束になったものでした。 「うええ、き、汚い……」  ゲツハイ姫が力なく言いました。顔色も悪くなっています。 「……ごめん、キビナ姫様、フセ姫姉さん。私、もう限界かも……」 「ああもう、しょうがない奴だよう。キビナ姫さま、ちょっとこいつを休ませてきていいかな」 「ええ、見てあげてください。私はその間にこの方と話をしたいと思います」  それを聞いてフセ姫はゲツハイ姫を介抱して手水鉢まで連れて行くのでした。 「うぅ。もうやだ。船に戻りたい……」 「我慢するんだよう。ほら、綺麗な水で顔でも洗ってしゃきっとしてな」 「姉さんは鼻がいいのにどうして平気なのよ」 「あいつが木から出てきたときから、鼻なんてとっくに馬鹿になっちまってるよう」    さて。ゲツハイ姫を休ませている間に、キビナ姫は神木に住み着いたという死鳥からハリマの神宮が現在の状態に至った経緯を語り聞きました。  それはさながら、さざ波がじわじわと砂浜を洗って侵食し、ついには岸の家屋を倒壊させるように、ゆっくりと始まったと言います。  ハリマの港に行き交う船は年々増えていき、それに合わせて人も物も増え、ハリマの商家の富はうなぎ上りに積み上がっていきました。商家の多くは信心深く、折に付け神宮に通って財産の一部を寄進したり、神宮内の建物の建て替えを申し出たりなど、自分たちを見守って下さる守護神霊と、神守の一族を大切に扱ってまいりました。  しかし、富を求めてやってくるものが、いつも誠心をもって取引してくれるとは限りません。  ある時、ハリマの港に乗り付けた船から、武装した一団が現れて、港と市の一部を占拠する事態になりました。  港守と神守、それに市の勇士ある一部の方によって、この水軍は退けれました。しかし喜んだのも束の間、水軍は去り際に市と港に火を放って逃げていったのです。  建物から建物へ、火は瞬く間に燃え広がっていきました。神宮と神守は逃げ延びた人々を受け入れ、眼下で灰になっていく船や屋敷を眺めているしかありませんでした。  やがて焦土となった市と港を再建するべく、神宮は人々を励まします。財産をうしない、商いを続けられない者には、今まで預かってきた寄進財の放出も行いました。  そうして市と港は再建され、民草の生活は元に戻ったのですが、人々の心には影が生まれました。  普段、あれほど熱心に通い、財産も差し上げていたというのに、いざという時、守護神霊様も神守も、自分たちの財産は守ってくれなかったじゃないか。  そんな暗い気持ちが、再建後のハリマには広がっていきました。そんな中、ハリマの神宮では八年に一度の例大祭が控えていました。  例年であれば、それは豪華絢爛な山車が蔵から出されて市中を引き回され、朝日が昇って陽が沈み、次の日の太陽が昇るまで続く通夜神楽が舞い踊られる、人々には御神酒の樽酒が振る舞われる。そんな素晴らしい祭が繰り広げられるはずでした。  しかし例年なら積極的に協力してくれた商家ですが、不信人の増えたこの時は以前ほどの協力はしてくれません。  そのため神守は以前であればやったはずの通夜神楽を減らし、山車の引き回しも減らしました。しかしそれでも人々の目は変わりません。むしろ、引き回される山車を冷ややかな目で見ましたし、樽酒の大半が手つかずのまま残りました。  とはいえ、一応例大祭は終わりました。ですがその後、神守の一族を災難が襲います。  不完全な例大祭によって、神宮が本殿の奥で普段より封印していた悪霊の瘴気が漏れ出て神守たちが病に倒れたのです。  神守は急ぎ病魔に侵された者たちを看病しつつ、不完全だった例大祭によって破れかけた封印を綴り直すため、大きな祭儀を行うべく準備をします。それには多額の財が掛かりました。  以前であればそのような場合、商家は気前よく浄財寄進を申し出ていましたが、もはや過去の話です。商家たちは神守たちに担保を要求します。港の再建や例大祭などによって豊かだった蔵の財も底をつきかけていた神守はやむなく代々の家財や神宝を放出します。  そうして辛うじて集まった人や物を結集させ、悪霊の再封印がされました。しかし、もう神守たちは限界でした。 「俺がここにやってきたのはちょうどその頃だよ。良い具合に寂れてたし、港に行けばまだ食える魚や野菜が捨ててあるから食べ物にも困らない。最高の住処だよ、ここは」  神木の大枝に掴まって話す死鳥を見上げる格好でキビナ姫は話を聞きます。 「神守の一族はどうなったのですか」 「捨てたのさ、ここをね。いや、本人たちはそうは言ってないよ。『諸国を行脚勧進して借財を返済する』とかなんとか言ってたけど。ありゃもう夜逃げ同然だよ」 「おいおい、それじゃここにおられるっつう守護神霊さまは、本当になんにもしてくれねえのかよう」  ゲツハイ姫を休ませてきたフセ姫が近づいてきて言いました。 「さあ? 俺はここに住み着いて長いけど、守護神霊さまっつうのがどんなのか知らないし、それらしい怪異も人も見たことはないね」 「守護神霊は我々のようなこの世の者とは異なる世界の存在です。その陰を窺えこそすれ、そのものがこの世に降りたたれるのは極めてまれなことです」 「へぇ、キビナ姫さまも見たことはないのかよう」 「ありませんね。仮に、降り立たれるとすれば、それは守護神霊の一部を体に降ろした神体となった者がいるときでしょうね」 「ううん? むつかしいことばでおいら、あたまがいたくなってくるよう」  こんこん、と自分のこめかみを小突いてフセ姫は唸りました。 「さて、死鳥や。それでは暫くの間、この神宮に我々が寝起きしてもよろしいですか」 「別にいいよ。俺は使わないし」 「なるほど。それではフセ姫。今夜のお宿はここですよ」 「はい! 軒先を借りるぞ、死鳥やい」 「え~、船で寝起きすればいいじゃないの……」 「うふふ。ゲツハイ姫、陸で寝起きすれば肉を食べる機会もありますよ」 「え! お肉食べていいの?!」 「市に行けば鳥も鹿も羊もあるでしょう。ここは様々な国の食べ物が集まりますから。少々、保存のための塩が効きすぎているかもしれませんけど」 「やった~! お肉お肉~!」  ゲツハイ姫は浮かれ上がって小躍りしていました。 「現金な奴だよう」 「うふふ~今日はお肉~♪ 姉さん、あたし餃子が食べたい!」 「知らねえ料理はつくれねえよう。あと飯の支度の前に寝床の準備をするんだよう。分かったらほら、行くよい」  ご機嫌になった妹分を連れて、鍵を受け取ったフセ姫は再び社殿の奥へと行ってしまいます。 「あんたもあんな手下連れて大変だな」 「そうですか? 可愛いでしょう」 「……あとさ。あんまりここの住人に期待しない方がいいよ。どいつもこいつも金勘定ばかり気にしているろくでなしさ」 「お気遣いありがとうございます。それでも、私はこの国の人たちに期待したいと思います」 「へえ? どうやって」 「このように」  そう言うと、キビナ姫は社殿の脇にある建物に向かいます。高床に柱があり、屋根が置かれ、四方の壁のない開けた建物です。  それは神楽台といい、祀られている守護神霊に向けて、歌や踊りを行って奉納するためのものでした。  そこにキビナ姫が跳び上がりました。跳ぶ瞬間、足袋を脱ぎ捨てたことで素足て着地したのですが、音もなく静かな立ち姿を取ります。  そこでキビナ姫は不思議な型を構えると、流麗な足運びで動き回り、手や足を振りあげて舞い踊りました。楽の音が一切ない、歌もない中で、踏み出す足音の静かな音だけが伴った神楽舞でした。  しかしそこには確かな美しさや雅さが含まれた、神霊に対する信心が感じられる静謐な踊りがありました。  最後にゆっくりと、しかし全身に気を配った所作を取りながらぴたり、と動きを止めた時、キビナ姫と死鳥の視線が合います。  にっこり、と愛嬌よろしく微笑むキビナ姫を見て、死鳥は見惚れていたことを見透かされたことに気付き、慌てて神木から飛び立つのでした。

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