ミリメシ以外の話もしよう

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超雑! ガンアクションの描写講座 実戦(狙撃)編2

「預かり知らぬ間に妹が生まれていた、どうも助っ人です。えーとですね今、前回設定したフィールドの南狙撃地点に来ています」  などと言いながらシオンは竹製の骨組みにギリースーツをかぶせる。  浅く地面を掘った場所の周囲にそこらで切ってきた竹を突き刺し、適当な梁を渡した、人間2人がギリギリ這って入れる高さと幅の屋根である、それにギリースーツ(モリゾーみたいなモコモコ網の塊、本来なら人が着るもの)を乗せ、さらにそこへむしった草や枝なんかを乗せていく。すぐに竹の骨組みは見えなくなった、もちろん内部の空間も。 「このフィールドには狙撃地点候補が3つあります、ひとつめが敵拠点西側の斜面にある廃屋、ふたつめが東側の丘の上、そしてみっつめが南側の山の上ですな。  このうちまず西側は論外です、敵拠点から300メートルしか離れておらず、廃屋なんて目立つものがある地点を敵が目をつけない訳がありません、既に敵の支配下にあり、見張り拠点として活用されている可能性が大です。さらに背後は身を隠すものの無い草原、逃げようとしたって背中を撃たれるのがオチでしょう。  次に東側、こちらは西側とは逆に逃走には有利な場所ですが、監視に十分な視界がねーので本末転倒となります。今回は道路の周りが森になっているので、最低限、木の高さを超える視界がいります。  ですんで消去法で南の山を選びました、この場所は木が少なく潜伏場所に困るのが難点ですが、このようなスナイパーハイドを作ればその問題は解決します」  あーよっこいせ、とか言いながら匍匐前進で中に入り込む。中にはスナイパーとスナイパーライフル、スポッティングスコープ、アサルトライフル、使用頻度の高い最低限の道具があり、シオンが入るともはや寝返りも満足に打てなくなった。もう少し広く作ってもいいのだが、大きければ大きいほど遠くからも視認できるようになっていく。名前こそかっこいいが要は単なる屋根なので前後は開いており、後ろの穴から這って入ると前の穴からは南北に伸びる自動車道と、監視するべきパーキングエリアが視認できた。 「スナイパーハイドは短期間の使用を想定した狙撃拠点です、可能な限り目立たないよう建てられ、敵の攻撃や悪天候への最低限な耐性を持ちます。数ヶ月張り込むつもりならも少し凝ったのを作りますが、今回はこれで十分っすね。草木のある場所なら木のそばに穴掘って草撒き散らかす、荒地とかならキャンバス生地張って土盛るのもありです。これで隠れ場所の不足は解決します、あとはちょーっと、7.62ミリのM24じゃ厳しい射距離800メートルですがそこはスナイパーが気合いでなんとかします」 「父さん母さんお元気ですか、私はもうダメです、相方が精神論語りだしました」  シオンの準備が完了次第、ヒナはM24E1を前に突き出し二脚で立て、右手をグリップに、ストック背面を右肩に、左手でストック下面を保持する。その隣に三脚で自立するスポッティングスコープ、シオンはそちらにつく。 「じゃあまず本格的な監視を始める前に狙撃に必要な情報を収集しておきます。スナイパーハイドからパーキングエリアまで800メートルですが、見張り台や道路の封鎖線はそれより手前にありますし、迫撃砲陣地はずっと奥にあります。目につく標的物との距離を事前に測っておけばのちのち慌てずに済むんですわ」 「でさ、さっきから測距儀探してるんだけど見つかんないのよね」 「持ってきてねーです」 「エッ」 「装備の不十分な貧乏傭兵って設定なんで、レーザー測距儀は縛りました」 「( ・᷄-・᷅ )」 「ナイトビジョンとサーマルも今回使いません」 「( 'ᾥ' )」  レーザー測距儀とは、目に見えない光を出してそれが跳ね返ってくるまでの時間により距離を測定する装置である、測りたい場所に向ければ一瞬で距離が出る。  本来それを使うべきところだったが、シオンが取り出したのは紙とペンのみ。紙には半円の図形と格子の表が並んでいて、「レンジカード」との名前がある。 「出発前に自分の視力を把握しておいてください、どれくらいの大きさのものがどれだけの距離まで見えるのかです。ヒナ、検問の手前にある速度制限看板読めます?」 「ギリ80マイル」 「ならあの看板はここから300メートルの位置にある、道路の破線はワンセット20メートルあるので……検問まで400メートルってとこですかな。次、駐車場に止まってるT-72戦車は全長9.5メートル、これがスコープでどのくらいのサイズに映るか」 「800メートル」 「よろしい」  そうやって距離を割り出しながら半円の中に絵を描いていく。目についたポイントには番号を割り振り、表の方に距離を記載する。 「絵心はないようだ」 「うるせえな。温度21度の気圧998ヘクトで湿度は不明、風が吹いている様子はなし、後はノリで」  温度計気圧計付きの腕時計をちょいと見てレンジカードの作成を終了、両者の間に置いておく。これでいつでも撃てるようになったのでライフルとスポッティングスコープをどかし、双眼鏡に切り替える。スコープでもなんとかはなるが視野が狭い、見張るだけなら双眼鏡を使うべきだ。 「ついでに食べ物の話もしときましょう。ここまで見てわかる通りスナイパーチームはかなりの量の荷物を徒歩で運ばなければなりません、食糧に割けるペイロードは限られます。アメリカ軍MREが1パック平均1200キロカロリーで700グラム、LRP/MCWが1500キロカロリーの500グラム、FSRが2900キロカロリーで1キロ程度です、ご参考ください」 「カロリーメイトは400キロカロリーで80グラム」 「優秀が過ぎる」

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