ラセリアさんは屈しない! 〜絶対に屈しない女騎士の日常〜

読了目安時間:1分

エピソード:7 / 161

5話 夢なんかに屈しない!

『ママぁー……』  大通りの真ん中で少女がぐす……ぐす……と泣いていた。道ゆく人は誰も、少女を助けようとはしない。ただ一瞥してさってゆくだけ。  あまりの不安に少女が息を荒げ、顔をしわくちゃにしてまた泣き出そうとしたその時、ふいに声がかかった。 『どうしたの? 迷子?』 『……おねえさん、だれ?』  おねえさんと呼ばれた、甲冑を見に纏う女性は笑顔を浮かべる。 『あたしは、騎士のマカナ。さあ、私が名乗ったんだから嬢ちゃんも』  そう言って、マカナは少女に手を伸ばす。少女はその手を取りながら答えた。 『わたし、ラセリア…。マ……お母さんとはぐれちゃったの。いっしょにさがして?』 『ばっちこい! あたしがいればもう安心だよ! 何てったって、あたしは誇り高き女騎士だからね! そんじょそこらの騎士とは違うのよ』  マカナは誇らしげに胸を叩く。だがそこには、()()()の胸当てが…… 『ゴッ!』 「はっ、夢か……」  そういって飛び起きたラセリアは少し虚空を眺め、幸せそうな表情を浮かべる。 「……一度見た夢(やったこと)を途中で見終わる(やめる)わけにはいかない。私には女騎士としての誇りがあるのだ」  少し寂しそうに呟いてそのまま布団に潜り込んだ。 『ぶふふ、随分活きの良い女騎士じゃないか』 『くっ……殺せ!』  柱に縛り付けられたラセリアの前にオークが立っていた。オークは舌なめずりしながら、ラセリアの体を舐め回すように見やる。 『悪くない! ぶふふ』 『やめろ! 私は誇り高き女騎士! 心までは屈しない‼︎』  そう叫ぶラセリアにオークの手が…… 『「うわああああっああ……夢か……!」』

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