やがて世界の終わりに君を撃つ【第二章連載中】

読了目安時間:11分

18.深雪

 深雪のことが好きだった。  その名の示す通り、深く雪がれたひと。愚直なまでに純粋無垢で、屈託なく笑うひと。誰に対しても平等に優しくて、温かくて、優しすぎたひと。深雪は愚かだった。脆かった。ダイヤモンドは傷つかないけれど、簡単に割れてしまう。  私は柊深雪の三つ下の妹として生まれた。  自分たちで作ったくせして、両親は私たち姉妹を構わなかった。これはあとから知った馬鹿な話。二人して不貞にうつつを抜かし、お互い隠し通せていると思っていたのだという。だから両親は私たちを構わなかったけれど、不仲ではなかった。顔を合わせれば笑い合うし、子どもを愛するふりをするし、体裁を整える程度には私たちに投資をした。酷い話だと思う。私たちのうち、私だけがそれを知っている。  物心ついてからというもの、私の面倒を見てくれたのはもっぱら深雪だった。深雪は優しかった。ちゃんと自分のことを大事にしようとするのだけど、いつも失敗していた。困っている誰かの信号をキャッチして、それを救えるのは自分だけしかいない。そんな思考回路があるのかもしれなかった。損得勘定なしに人を助けて、助かったひとと一緒に笑っている。深雪は清廉だった。深雪の雪がれた(さや)かは人を惹きつける白い光だった。見境なく惹きつけて、すべて受容する。深雪はそれで幸せそうだった。私は誰よりもそんな深雪に憧れた。人を疑うことを知らない深雪は最後まで知らなかったけれど、私は両親のしていることに勘付いていたから、家族という小さな社会で、深雪の清廉は引き立てられてぐんと眩しかった。  私は深雪が好きだった。親愛。敬愛。偏愛。最愛のひとへ捧ぐ純愛は、しかし私に返されることはなかった。深雪の優しさは平等で、崇高な博愛だった。であれば、私の愛はいずれ、神へ捧ぐ崇拝のようなものに変遷したのかもしれない。そうはならなかった。深雪は神様ではなかった。  ダイヤモンドは割れるのだ。 「お姉ちゃん」  十二歳の誕生日だった。うだるような大暑の日。クーラーは去年から壊れていて、私は扇風機だけでじっと午後の熱気に耐えていた。私の誕生日には、深雪がケーキを買って帰ってきてくれる。サーティワンのアイスケーキ。その日も深雪はドライアイスが白い煙を吐く紙箱を下げていた。 「お姉ちゃん?」  玄関に佇む深雪の様子がおかしかった。普段なら、私よりも早く「ただいま」と言うのに。 「お姉ちゃん、おかえり」  深雪は私が三回呼んで初めて口を開いた。ひどく緩慢だった。 「た──」  深雪は最後まで言い切れなかった。唇がわなわなと震えていた。私はますます深雪を訝しんだ。やがて深雪は静かに泣き出した。涙は止まらなかった。紙箱が玄関のタイルに落ちた。  実を言えば私は興奮していた。深雪が泣いたところを初めて見た。深雪は献身と博愛でできた化生で、泣くことなどないと思っていた。私は子どもながらに深雪を崇めていた。親も学校も、身近な世界はどこも果てのない砂漠のようで、私が深雪に縋るのはわけもなかった。深雪は私にとっての神になりかけていた。神が人間へ堕ちるところ。そのとき、私は世紀の瞬間の目撃者となったのだ。  深雪は恋人に振られたのだという。 「こんなこと、きーちゃんにしか言えないよねえ」  ありふれた話だった。思春期の子どもの横恋慕。 「わたし、信じてたのにな。こんなことする人だなんて思わなかった。ずっと一緒にいたのに、誕生日も、記念日もお祝いしたのに」  深雪は泣きながら陳腐な失恋を語った。アイスケーキは、きっと深雪の分だけしょっぱい。 「次の誕生日も、どこいくかとか、プレゼント何にしようとか、ずっと考えてたのに。受験で大変なのにさ、時間作ってさあ……ねえ、きーちゃん、みんなは塾とか行ってるけどさ、わたし、自分だけで頑張らないといけないじゃない。大変なのに、どうしてわかってくれないんだろう」 「お姉ちゃんも、塾行きたいって言っちゃダメなの」 「ダメだよ。パパもママも忙しいのに困らせたくないもん」  深雪は涙の跡が残る頬に微かな笑みを漂わせた。私は釈然としなかった。この頃には、私はとっくに両親の忙しい理由に気付いていた。 「パパもママも忙しくって、全然家にいないくらいだよ。大変なんだよ」  私はきゅっと唇を噛んだ。  あいつら、浮気してるだけだよ。  私の両親への愛は初めからないようなものだから、そう言うのは容易い。なのに、言えない。深雪への忖度と、私のエゴ。  深雪を汚すことは許されなかった。  でも、ね。 「ああ──嫌だなあ。許せない。ずっと好きだったんだもん。わたしだけだったの?」  深雪は。 「大っ嫌い。世界でいちばん嫌い!」 「──おねえちゃん」 「あ! ごめんねきーちゃん、せっかく誕生日なのに」  私はぶんぶん首を横に振った。再び胸に高揚が押し寄せていた。見取られないように。悟られないように。私はアイスケーキをスプーンですくう振りをした。 「お姉ちゃん、その人のこと、嫌いなの」 「……うん」 「世界でいちばん」 「今は、そう」 「どうして? お姉ちゃんのこと裏切ったから?」 「──きーちゃん」  空っぽの頬を思い切りつねり上げられた。顔を上げた先に口を尖らせた深雪がいる。目元はいたずらっぽく笑っていた。 「当たり前だよ。わたしだって、フツーに恋する女の子だもん」  目の前がスパークした。  深雪は人を嫌うのだ。  誰に対しても等しく優しい深雪は、しかしたったひとりを世界で一番と言うほどに憎みもする。  天啓だった。  私も深雪の一番になれる。  私は考えた。深雪が深雪の真っ白な清廉さを失わないまま、深雪の近くにいるまま、深雪に最も深く想ってもらえる方法。そのためには、深雪の周りの人間は少なければ少ないほどいい。  深雪はその性格から人望が厚かった。深雪の周りにはいつもたくさんの人がいて、私とは大違いだった。同性からも異性からも好かれていて、とりわけ深雪に想いを寄せる異性は多かった。  手始めに、私は深雪の周囲の異性のを籠絡した。  幸運にも、私は汚れた人間でありながら容姿は整っていた。とりわけ異性を惹きつける風采に恵まれていた。それは拍子抜けするほど簡単なことだった。いつも「父にされていること」を私から男にすればいい。それから、ベッドの上でちょっとだけ深雪のことを囁く。深雪から離れますように。深雪はお前に相応しくない。適当に嘯いてやればよかった。  深雪はわけもわからないまま孤立した。根も葉もない噂の出所は一箇所には特定できそうになかった。当たり前だ。「あなただけ」。そう囀って良い思いをさせること。それから、秘密の誓いを破った(ペナルティ)を垣間見せること。それだけで有象無象は支配できる。  そうしているうちに深雪は次の恋人を作った。エアコンのいらない時期に家に遊びにも来た。私はついに現れた裏切りの有権者に、顔を綻ばせて出迎えた。  あまりにも簡単だった。私は深雪の恋人を奪った。私は深雪を裏切ったのだ。たった今、深雪は恋人に別れを告げられているはずだ。私が奪ったことを知らされているはずだ。私は深雪を裏切った! 今日こそ、私は深雪の一番になる。  はずだったのに。 「……──きーちゃん」  日が落ちて帰ってきた深雪は、泣きそうな顔で私を抱きしめただけだった。  肩透かしを喰らった気分だった。違う。違うって。私が欲しいのはこれじゃない。もっと強い、私だけに向けられた感情。なのに、深雪はいつもと同じように安い優しさを押し付けるだけだった。  私は繰り返した。深雪に恋人ができるたび、タイミングを見計らって奪う。失敗することもあった。深雪と私の間には三つの年の差が歴然として存在する。その差を埋めるために化粧を覚えたし、服も見繕った。そのための資金の調達に男を使った。私の若い身体にはアルバイトなど馬鹿らしくなるくらいの値段がついた。私は()()を教えてくれた父に感謝した。  私が義務教育を終えた頃、深雪はとうとう人の道を外れた。  善意を善意で返す人間というのは、存外、少数だ。それを除けば残るのは搾取する人間。深雪は誰に対しても平等に優しかった。それが生きる意味なのだと言わんばかりに、人に手を差し伸べる深雪は穏やかな表情を浮かべていた。けれどもその頃には、差し伸べられた人間は悪魔と同じ薄笑いを浮かべている。利用されて、それを疑いもしない献身の女神(アールマティ)。善性の眷属。現実は神話のようにのようにはいかない。  そんな深雪の姿に私はひどく興奮した。  人間は堕ちる。不気味なほどの無垢を携えたまま、反逆のための悪意を持ち得ぬままに底辺へ墜落する。私の深雪への愛はいつ間に別のものへ変質していた。可哀想で、可愛い深雪。私が護ってあげましょうね。あなたが拠り所とする、あなたを搾取する人間。それらは私がそっと摘み取ります。崇拝から独占欲へ。歪曲した庇護欲へ。それでも私は深雪が好きだった。愛していた。  この愛は名を何というのだろう。 「──きーちゃん」  深雪がいつになく暗い顔をして、私に何かを言いかけたことがあった。忘れもしない。沼の底から見上げるような、深く、暗く、獰猛な鋭い眼光。 「……なんでもない。きーちゃんのせいじゃないね」  年明け早々に東京の交通網を麻痺させた大雪の日。 「きーちゃんは、わたしの妹だもんね」 「──? どうしたの、お姉ちゃん」  必死で笑顔を取り繕った。落胆を露顕させないように。  そうじゃないんだって。  きらきらの星を散らせて笑う深雪は変わらなかった。闇の中、最後まで抗う白い光であり続けた。それでも私は忘れない。あのとき一瞬だけ見せた憎悪の煌めき。身体中を電気が駆け巡ったみたいに痺れた。それは本当にわずかな時間で、幻みたいに消えてしまったけれど。  その頃の深雪はとある犯罪グループに与していた。来る者を、頼る者をけして拒まない深雪の仕儀としては妥当だった。深雪はいつだって平等に優しい。  これは、ある日付き合いのあった()()から聞いた話だ。 「なあ、キヨ、お前の姉ちゃんヤバイんじゃねえの」 「ヤバイって、何が」 「こわーい人のシノギに手ェ出したって話」 「そう」 「筋者じゃねえだからどうなるかわかんねえぞ」 「ふうん」  その話を聞いてからぴったり半年後だった。  深雪は売春婦として海の向こうへ売り飛ばされた。  私の高校卒業を控え、ようやく両親が決裂した。父の側の落ち度だった。相手の女が家に乗り込んできたのだ。母は自分の不貞にそしらぬ振りをして父を責めたので、私は芽生えた悪戯心のままに密告を果たした。その結果として得られたのは、私の親権を巡る泥沼の離婚裁判。成人済みの姉はいないものとして扱われた。行方が知れないことをこれ幸いとして議題にも挙げなかった。議題はもっぱらいか養育費を抑えて親権を相手に押し付けられるか。くだらない。どうでもよかった。  私は私だけを見てもらいたかった。特別でありたかった。叶うことなら愛されたかった。しかしその資格はなかった。深雪は新雪の輝きを保ち静かに積もる純白で、私は黒く汚れている。私は優しくないし、偏執するし、蛇に似て狡猾で無垢とは程遠い。私は一縷の可能性にすがったのだ。私だけを見てもらえるたった一つの方法。私だけを強く深く熱く想ってもらえるのなら、たとえドス黒い感情でも素敵なことでしょう。 「でも、きみはそれが罪だと思ってるんだよね」  燦然と星が輝く奇怪な夜に、悪魔はそう囁いた。 「だからきみはお姉ちゃんを見てるんだ。お姉ちゃんはいるよ。ほら。ここに。見える? 見えるでしょ。きみの欲しいものは。理想をきみにあげるよ。償わせてあげる。ほらほらほらほら思い出そうね。きみが本当に欲しかったもの。きみはかわいそうだから施しをあげる。奇跡をあげようね。赦されたいね。解放されたいね。自由になりたいね。贖罪させてあげようね。あの子と同じ。可哀想で可愛いミカと同じ。去し日の荊が絡んで痛いのでしょう。自由に動けなくて、また間違えてしまったこと。繰り返してしまったこと。賢いきみは後悔しているよね。きみは聡い子だから。理解しているんだね。苦しまないでいいんだよ。認めていいんだよ。やり直させてあげようね。あの子と同じように、あの子のもとで」  東京のくすんだ夜空に、こんなに星が輝くわけがない。だったら、どうして? ああ、窓灯りだ。摩天楼のひかりが黒いスクリーンにどろどろに溶けて、輪郭のとろけた星になっている。忘れていた。ビルの背が高くなったのは、空に星を宿すためだっけ。 「愚かで可哀(かわい)い人の子よ。もっと願って。もっと望んで。もっともっと、求めていいんだよ。奪い合おうね。傷付け合おうね。取り返しのつかない罪も、途方もない業も。思うままに償わせてあげようね──……」  ちかちかと真紅の瞳が瞬いて、異質な悪意が夜に溶けていく。浸透する。均されて整然とした現実性の粒子たち。 「なにしてるの。早くしないと、集会に遅れちゃうよ。きーちゃん」 「集会?」  深雪が私の少し先で屈託なく笑う。手招きしている。私の記憶の中の深雪と寸分変わらぬ姿。ああ、そうか。深雪は私と違って無垢だから、大人にならないんだ。 「今、行く」  現実が歪んでいく気配をよそに、私は少しだけ泣きそうになって、どうして涙が出るのかわからないまま深雪に駆け寄った。 「一緒に償おうね、きーちゃん」  そうだね、お姉ちゃん。

(´・ω・`)

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  • 魔法剣士

    駿河防人

    ♡5,000pt 〇500pt 2021年2月26日 7時13分

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    想像の上をいってます!

    駿河防人

    2021年2月26日 7時13分

    魔法剣士
  • うどん

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時22分

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    筆文字「有難きお言葉」

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時22分

    うどん
  • 殻ひよこ

    tara

    ビビッと ♡6,000pt 2021年1月31日 23時13分

    《物心ついてからというもの、私の面倒を見てくれたのはもっぱら深雪だった。深雪は優しかった。ちゃんと自分のことを大事にしようとするのだけど、いつも失敗していた。困っている誰かの信号をキャッチして、それを救…》にビビッとしました!

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    tara

    2021年1月31日 23時13分

    殻ひよこ
  • うどん

    朱坂ノクチルカ

    2021年1月31日 23時58分

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    励みになります!

    朱坂ノクチルカ

    2021年1月31日 23時58分

    うどん
  • 化学部部長

    三日月桜華

    ♡2,000pt 2021年2月2日 0時17分

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    面白かったです。

    三日月桜華

    2021年2月2日 0時17分

    化学部部長
  • うどん

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時35分

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    できらぁ!

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時35分

    うどん
  • ひよこ剣士

    夜明

    ♡2,000pt 2021年1月31日 21時39分

    あああきよちゃんっ、きよちゃん!!!! お姉ちゃんの真相が明らかになりきよちゃんの思いや過去も明らかになり、胸が苦しいです。二人でどこに行こうとしているの。きよちゃん生きて。苗代沢くんは頑張って脱出してくれ。

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    夜明

    2021年1月31日 21時39分

    ひよこ剣士
  • うどん

    朱坂ノクチルカ

    2021年1月31日 23時58分

    きよちゃん〜! しんどかったんだね…という回でした。クソデカ感情は良い文化。煙に巻くような描写で締めてしまったので、次週すとんと落としたいと思います。きっと大円団です。お楽しみに〜!

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    ▼▼

    朱坂ノクチルカ

    2021年1月31日 23時58分

    うどん
  • 土偶

    澄石アラン

    ♡1,000pt 2021年2月28日 0時30分

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    面白かったです。

    澄石アラン

    2021年2月28日 0時30分

    土偶
  • うどん

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時35分

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    ▼▼

    圧倒的感謝

    朱坂ノクチルカ

    2021年2月28日 23時35分

    うどん

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