怪説書 ~完全版・怪奇短編集オフィシャルファンブック~

読了目安時間:1分

エピソード:11 / 88

九、長靴

 大切な人を失った結果、どこか狂ってしまったお母さんのお話。  旧版の方では娘をひたすら「彼女」と表記して叙述トリックを狙っていた……のだろうと思います。  そこを伏せて進めていくメリットを感じなかったので改稿の際に迷わず「娘」と表記するようにしましたが(笑)  編集担当さんからもらったのは「娘の傘をさして長靴を持った女がいたら不気味」というワード。  打合せの時には深く考えず「それもありですね!」と受け入れてしまったのですが、いざその要素を取り入れようとするととても難しいことに気付きました。  もともと母親の一人称視点で書いていた短編だっただけに、そこからどうやって三人称視点の不気味さに持っていくか。  非常に悩みました。  母親視点からだと、さも当然のような流れでそういう行動に移っていそうですからね。  とはいえ800字程度の短編の中で一人称→三人称に変わるのも……と考えた末のあの結末です。  旧版でもそうでしたが「怖い」より「切ない」の方が勝るお話になってしまいました。  本当はとことんまで狂って、サイズの合わない娘の長靴を履かせたりしたかったんですよね。  でも、さすがに幼児サイズの靴に大人の足を押し込むとなるとシンデレラ越えのグロシーン(シンデレラの原作では姉たちがつま先やかかとを切り落としてガラスの靴を履こうとします)が登場しそうですからねぇ。  前にも増して怖い話続きだったこともあり、箸休め的な緩やかな終わりのお話になりました。

コメント

コメント投稿

スタンプ投稿


このエピソードには、
まだコメントがありません。

同じジャンルの新着・更新作品

もっと見る

  • 名言っぽいものを思いついたら集めるところ

    名言っぽいものを思いついたら集めます

    439,700

    246


    2022年9月26日更新

    名言、格言、金言、箴言、金句……。 「なるほど、深い!」と思わせるフレーズは数あれども、動もすれば私たちはそれら言葉の重みや意味よりも、”誰がそれを言ったか”に目を向けがちではないでしょうか?。 誰が言ったか? ではなく、何を言ったか? それこそが重要なのではないでしょうか? そこで朝起きてから夜寝るまでの間、なんとなく頭に浮かんだ名言っぽいものをここに掻き集めることにしました。 もしかしたらこういうのが何十年、何百年先にも残り語り継がれるかもしれません。 偉人でも有名人でもない、ひとりの無名がそれっぽいことをただ言うだけ。 読者諸氏の生き方のヒントになったり、考え方を変えるキッカケになったりと、何かしら影響を与えるものになればと思います。 (できるだけポジティブな内容になるよう努めますが厭世的、虚無的なものもたまにあります。また常体、敬体の統一はしていません)

    読了目安時間:49分

    この作品を読む

  •  

     

    8,500

    0


    2022年9月26日更新

    読了目安時間:1分以内

    この作品を読む

読者のおすすめ作品

もっと見る