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蝦夷梅雨も終わりかけの北の大都会・札幌。休学中の美大生である宇津木詩音はこの街で酒と性に溺れる生活を送っている。ある日、詩音は不倫相手の内田恭子に連れられて行った居酒屋で浅村佳澄と出会う。そこで忘れてしまったライターを返され会話をした日からしばらくの後、土砂降りの中で傘も差さずに立ち尽くす喪服姿の佳澄を見つける。 詩音は幼少期に一冊の画集を手にしてから降り頻る雨の中でキャンパスに描かれる少女性を見つめ続けていく。佳澄、恭子、妹の詩乃、そして真珠の耳飾りの少女。 これは宇津木詩音が画集を手に入れてから手放すまでの、そして詩音が描く少女たちの物語。 「君と見た夏の海」 第一景 ※作中には一部、未成年者の飲酒・喫煙・不純異性交友シーンが含まれますが、それらの犯罪行為を助長する意図はありません。あくまでも小説上の演出であることをご理解ください。
読了目安時間:3時間57分