作品(5件)
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2020年7月30日更新
堤正人は、二つの人格を持っていた。亀のようにゆっくりと、またある時は兎のように早く。 ある朝、駅にはいつもより多くの人々が集まってきていた。そんな中、地震が起きた。 そのことで時空が歪み、眞人にだけ地下鉄に乗れた時と、乗れなかった時の人生が生まれ、同じ空間を二度繰り返すことになる。 地下鉄に乗れた時には、時間に余裕が生まれ、乗れなかった時には、余裕がないばかりか、その後の予定も狂ってしまう。 そうすることにより、歯車も狂い、恋人との付き合い、仕事、家族とゆっくりと、変化をもたらしていく。 そして、歪んだ時空のお陰で、誰かの命が奪われることになる。それは眞人本人なのか。それとも他の誰か、なのか。 そして、今まで疑問を抱えていたこと。自分は、一体、この世の中に必要な人間なのか、という時空の歪みに対し、問うた答えは、一体・・・・・・。
2020年1月21日更新
三年前に夫のDVが原因で、離婚をした小和田彩加。 彼女は、女一人で息子の明を守り、生きることを覚悟した。 弱かった今までの自分を変えるべく、ボクシングを習い、 強く生きることを決意した。 元夫の藪押大和は、高校時代に柔道でインターハイを制している。 ある酷暑の朝。大渋滞に巻き込まれた薮押。 そんな渋滞の中、彼の車のエアコンが壊れ、全く動かなくなってしまった。 うだるような暑さ。 藪押は、突然何もかもが嫌になり、車から降りてしまう。 そして、ある目的を胸に、東の方に向かって歩き出した。 納得出来ない彩加との離婚。 もう一度正直に話をすれば、必ず分かってくれると信じ、薮押は歩く。 そして、誰にも邪魔されないことを願い、廃墟となった旅館にいき、 そこに彩加と息子の明を呼び寄せる。 その廃墟に呼び出された彩加は意を決し、藪押と関係を絶つべく、 戦うことにした。 離婚をしてから、トレーニングを重ねてきたボクシングで、 大男に立ち向かう彩加。 ボクシング対柔道の戦い。 だが、そこに待ち受けていた藪押の常軌を逸したその驚きの姿に、 驚愕することになる。 終わらせたい女と、終わらせたくない男の戦いが今始まる。
2019年9月2日更新
五年前に妻を亡くした川村浩一郎は、 自宅マンションに一人、余生を送っていた。 だがある日、気分が悪くなったので、 布団で横になって、目を瞑っていると、 突然目の前に、黒のテンガロンハットに、 黒のコート、スーツ姿の 怪しげな二人の男が立っていた。 その男たちは古代ローマ時代の人物で、 今は天使をしていると言う。 そして、お前の命はあと二十四時間だ、 と言った。 お前は、天使が無作為に選んだ人物として、 選ばれた男だ。 こうして選ばれた暁には、 お前は死ぬ前に、 今までの人生の中で、 一日だけ戻れるようにしてやる。 時間が押し迫る中、 浩一郎の出した人生の選択。 その結論の末に待っていたもの。 それは最高のプレゼントであった。
2019年8月15日更新
中西工業社長、守の非摘出子として生まれてきた後藤義信。 身寄りのない義信は、怒りと憎しみを抱え、青年になり、中西工業に就職。 そして、真面目を装い、復讐のチャンスを窺う。 そんなある日。中西守が呼吸不全で豊田市の増井病院に運ばれたことを知る。 守が運ばれた増井病院に、夜中に忍び込み、医療事故に見せかけて、中西守を殺害。 この事件を、警察は医療事故と見るが、豊田署の板垣警部補が、他殺の疑いをもち、単独で捜査に乗り出す。 義信とは反対に、裕福な家庭で、何の不自由もなく育った守の息子、英二は日本が認めるプロボクサーに成長。 そして、二十四歳の十二月二十四日のクリスマス・イブに念願の世界タイトルマッチが決定。そのクリスマス・イブ当日。 警察は会場のレインボーホールに限らず、名古屋市一帯に巨大な捜査網を敷き、二千人近い厳戒態勢で義信を待ち構える。 そして、今までの陰の道を正し、陽の道を歩けるよう、ある計画を練った。それは英二がリングに登ったその瞬間に、撃ち殺すことだったー。 一人は日本を代表するボクサーとして、 もう一人はいくつもの事件を重ねる逃亡者として、まったく違った性質の二人が、 レインボーホールの会場で、対峙する
2019年8月14日更新
共栄高校ボクシング部の仲間五人。楢崎、河辺、近藤、三浦は、二十年振りに藤賀の結婚式で再会した。そんな時に話をするのが、やはりボクシング部の日々であり、そんな中、藤賀には忘れられない試合があった。 ボクシング部の仲間は個性豊かな6人だった。藤賀は、キャプテンの川島と楢崎に憧れ、彼らの背中を追いかけるようにして日々懸命に、練習に打ち込んでいた。 その理由の一つとして、憧れの片思いの彼女を想い、その彼女、皆川沙織にインターハイに出場できたら告白しようと決意し、それを目標に日々努力し、練習に打ち込んでいたのだが、そこには思いもよらぬ不運が待ち受けていた。 高校から十九年後。藤賀は、訳あって会社を辞め、一人でアメリカへ向かった。 そこで、皆川沙織と奇跡的に再会をしたのだ。そんな彼女の容姿は少しだけ変化していたが、それよりも彼女がバツイチで、娘がいたことに驚きの色を隠せなかった。それでも藤賀は、それら全てを受け入れ、結婚を決め、式を挙げたのだった。 高校を卒業して二十年振りに再開したボクシング部の仲間も、大きく変化していた。 キャプテンの川島が肺癌で亡くなったこと、年月と共に他の四人も、容姿は勿論、 それぞれの人生も大きく変わっていたこと。 その時に、二十年の歳月を経て、彼らは何を思い、何を話し、 また、彼らは、今の人生に満足をしているのだろうか。 そうして彼らの晩餐会は、続いていった。
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2021年1月21日更新
漫画家・猫崎神奈は愛猫・アメリと死別してしまう。 しかし、アメリは猫耳人間の幼女として生き返り、二人のほのぼの生活がふたたび始まるのであった。 神奈と一緒にお買い物したり、美味しいご飯を一緒に作って食べたり、物ごとを教えてもらったり、お友だちと遊んだり……愛され、のびのびと成長していくアメリをご覧ください! ひたすら優しい作品です。 ※HJ小説大賞・2020後期応募中!
2021年1月21日更新
あらすじ箇条書きです。よろしくお願いします。 1、北海道にダンジョンが出現する 2、人が立ち入れず調査不能の為、行政政府はこれを埋める 3、ダンジョン大爆発(後にブローアウト現象と呼称) 4、ダンジョン内のモンスターが札幌の街に溢れ出る 5、ダンジョン内のモンスター数の許容オーバーが原因だと知る 6、ダンジョンに入場できるのは中学生以上高校生以下と判明 7、北海道、ダンジョン特区を申請、国政はこれを受諾、法改正に入る 8、北海道行政は『モンスターに負けない青少年育成条例』を設立、国会はこれを承認 9、以降、少年少女はモンスター退治にいそしむ(1日1人3体を推奨) 10、積極的にダンジョンに通う少年少女をダンジョンウォーカーと呼称 11、ダンジョンウォーカーの少年少女の一部に『スキル』と呼ばれる異能力が出現 12、北海道はダンジョンの安定化に成功 13、北海道ダンジョンの観光地化に成功 14、月日は流れ、ダンジョン出現から20年後、チート主人公登場 15、主人公、消極的に安定化した北海道ダンジョンをひっかきまわしはじめる。 16、果たして結末はいかに…!
2021年1月20日更新
この世界には色の異なった4つの月が存在している。 月は30日の周期で、赤・青・白・金の順番に光の色をかえて現れる。 「赤い月」は、狂気と破壊を── 「青い月」は、悲哀と衰退を── 「白い月」は、無垢と再生を── 「金の月」は、幸運と栄華を── いつしか月の色には、そんな意味があると云われていた。 実際に月の力がそうさせるのか、それぞれの月の色でそのような事象が起こりやすく、この世界の住人にとってもそれは疑うことのない、それこそ子供でも知っている世界の理だった。 ******************** 4つの月の周期に起こる、月に伴った様々な事件や奇跡に、冒険者たちが巻き込まれて立ち向かう群像劇。 それは時に美しく、時に儚く、時に冷酷な神秘の冒険譚。 クトゥルフ、指輪、ロードスなどが好きな人向けです。 異世界に転生をしたり、魔王や帝国といった圧倒的にして巨大な敵対勢力などとは戦いませんし、主人公が無双するような強さはありませんが、一応それなりの敵が出たりしつつ、シティ・アドベンチャーや冒険者達の生業、仲間たち一人ひとりのドラマや成長、悲哀や恋愛模様を描いていきます。
兎と亀の物語をお楽しみ下さい。