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今日も今日とて、槃瓠 八房《ばんこ やつふさ》は、悪霊祓い。 特殊技能を必要とする仕事であるため、報酬金額は請負人のさじ加減ひとつで――大金、がっぽり。 と、 そんなに世の中、甘くなく。 姉であり社長でもある、玉梓《たまづさ》が中抜し、微々たる給与で仕事する――会社の犬であった。 そんな八房が仕事現場から帰社しようとしたときだった。 空間の一部が捻じれるのを感知し、また、姉である玉梓が悪戯していると判断した八房。 事あるたびに姉から弟いじりをされている仕返しに、脅かしてやろうと――――その空間に手を突っ込む、と…………。 ※この作品は、カクヨム様でも執筆しております。
読了目安時間:26分
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冒険と英雄の時代は、リクが生まれたときにはもう終わっていた。 平和になった世界では、武器も魔法もすべて違法。 かつての英雄は、法律で牙を抜かれ、りっぱな社会不適合者と化した。 そんな世界で。 最強の勇者夫婦の子供として生まれたリク。 彼を監視する幼なじみの法律家アルル。 二人の合法的ファンタジー。 リクは絶大な潜在能力を持つ。 冒険と人助けにあこがれるが、理不尽な法律にしばられる。 彼の武器は「世界の半分を手に入れる」という「ある能力」。 アルルは違法行為をした勇者を完全に無力化できる。たとえ相手がどんなに強くても。 ただし戦う力はない。 彼女の目的は、リクが「ある能力」を自覚しないよう防ぐこと。 平和な日常が続くはずの世界に、消えたはずの過去の奇病がよみがえる。 リクはこの土地を救わなければならない。 かつての最強の英雄たちに接触し、 その中から犯人を見つけ、 倒すのだ。 しかも「合法的」に。
読了目安時間:13時間42分
ズヒューン、相手のライフルから発射されたビームが動力源の核融合炉を貫いた。ドカーンという轟音とともにその機体が爆発した。 「野郎!」と仲間の死に激高した彼はその機体を追った。「待て。退け。重力に捕らわれるぞ。」という上官の声は彼の耳には届かなかった。 しばらくすると彼の機体は大気との摩擦で真っ赤に染まった。「しまった。」と彼は思い、引き返そうとしたが強大な重力に逆らうほどの推力は出せない。 機体は崩壊をはじめ、恐怖におののいた彼は「助けてください、少佐!」と叫んだが、通信機能はすでに破壊されていた。 実はこの一文には科学的には正しくない表現が含まれています。 物語だから、フィクションだから、異世界だからで片づけてしまうのはもったいない。 科学的に正しい表現を使うことで、物語に厚みと説得力が出てくるはず。 それに、科学は創作のネタの宝庫と言っても過言ではありません。 「錬金術」など科学そのものです。 科学を知れば物語が生まれてくる。 そんな創作と科学のコラムです。
読了目安時間:6時間6分
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