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我々の棲む世界の隣に「扶桑之國(ふそうのくに)」という、小さな島国がある。遡ること四十年前、およそ三百年続いた旧政府を打倒した。 二度の大戦を乗り越えて名実ともに近代国家となった矢先、その進歩と成長を水泡に帰すような困難に直面した。この困難にあって、扶桑八領として伝わる甲冑の「美騎爾」が再び歴史の表舞台に登場することになる。 そしてこの奇妙な導きによって二人の乙女が、美騎爾とともに扶桑之國史上稀に見る戦いへ赴いていく。 一人は剣技において「海内無双」と称され「鬼園部」の異名で知られる近衛士官候補の園部八重、もう一人は幼少から彼女の剣をよく知る幼馴染の月岡伊織だった。乙女の美しき覚悟が力に変わる時、美騎爾は彼女たちの加護たらんと幾多の奇跡と新たな伝説をもたらすこととなる。 美騎爾という甲冑が辿った歴史、誕生のきっかけとなった「柔らかい機械」と呼ばれる奇妙な金属の正体、そして八重と伊織が出会った多くの人々との思い出をここに記す。 【QBコンビキニアーマー大賞参加作品:中間選考突破】
読了目安時間:11時間38分
我々の棲む世界の隣に「扶桑之國(ふそうのくに)」という、小さな島国がある。今から三年前、この島国は旧政府を打倒する革命の内戦を経験した。 この国を三百年に渡って統治した軍事政権が崩壊、王政復古が成し遂げられると革新派が新政府樹立、このため国内では陸海軍を二分した内戦が勃発したのだった。 そんな三年前の出来事が、空に浮かぶ月のように遥か遠くに感じられる。そんな風に永川勝彦は、二十歳を迎える前夜に十代という季節を振り返っていた。 あの新時代の嵐が青春の真っ只中に吹き荒れており、自分たちは懸命に生き延びた。時に剣を提げ、銃把を握っては弾丸雨飛の戦場を駆け巡った。 あっというまにあの時代は過ぎていった。それまでの景色も、出会った人々も、歴史の激動とともにどこかへ消えてしまった。自分にとっての青春とは振り返ることのできない時間なのかもしれない。 それでも勝彦はどうしてもあの二人を忘れることができなかった。自分は彼らに友情を見出したのか、それとも愛を見出したのか。 彌生惣三郎と美堂敬介、もし自分たち三人が共有した青春に色彩というものがあるのならば、それは自分たちが所属した隊旗と徽章を彩った漆黒と真紅、そして三人の間にあった奇妙な色彩だった。 空に浮かぶ月のようにはっきりしていながら決してとらえることが出来ない、あの色彩を今でも覚えている。 全てが変わった今、この色彩だけは、色あせることなく確かに存在している。しかし、この奇妙な色彩によって引き起こされる事件を彼はまだ知る由もなかった。 その色彩が齎した事件の顛末を、ここに記す。
読了目安時間:49分
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ネタバレ
【伏魔団地】メスガキ×洋画×クトゥルフ2
2022/3/30 0:56
3
2022/2/5 23:59
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感想コメントで『キャラ多すぎで覚えらんねえ』と言うことで減らして『特殊装甲隊 ダグフェロン『廃帝と永遠の世紀末』 甲武の闇』となりました ほとんど事件の内容は同じですが、キャラは覚えやすいよう『濃く』しました ギャグも増えました 地球人類が初めて地球外人類と出会った辺境惑星『遼州』の連合国家群『遼州同盟』。 その有力国のひとつ東和共和国に住むごく普通の大学生だった神前誠(しんぜんまこと)。彼は就職先に困り、母親の剣道場の師範代である嵯峨惟基を頼り軍に人型兵器『アサルト・モジュール』のパイロットの幹部候補生という待遇でなんとか入ることができた。 しかし、基礎訓練を終え、士官候補生として配属されたその嵯峨惟基が部隊長を務める部隊『遼州同盟司法局実働部隊』は巨大工場の中に仮住まいをする肩身の狭い状況の部隊だった。 さらに追い打ちをかけるのは個性的な同僚達。 直属の上司はガラは悪いが家柄が良いサイボーグ西園寺かなめと無口でぶっきらぼうな人造人間のカウラ・ベルガーの二人の女性士官。 他にもオタク趣味で意気投合するがどこか食えない女性人造人間の艦長代理アイシャ・クラウゼ、小さな元気っ子野生農業少女ナンバルゲニア・シャムラード、マイペースで人の話を聞かないサイボーグ吉田俊平、声と態度がでかい幼女にしか見えない指揮官クバルカ・ランなど個性の塊のような面々に振り回される誠。 しかも人に振り回されるばかりと思いきや自分に自分でも自覚のない不思議な力、「法術」が眠っていた。 考えがまとまらないまま初めての宇宙空間での演習に出るが、そして時を同じくして同盟の存在を揺るがしかねない同盟加盟国『胡州帝国』の国権軍権拡大を主張する独自行動派によるクーデターが画策されいるという報が届く。 誠は法術師専用アサルト・モジュール『05式乙型』を駆り戦場で何を見ることになるのか?そして彼の昇進はありうるのか? 表紙絵 ぶぶききさん
読了目安時間:29時間0分
常にヒトの側にいる動物、馬。 時に荷を運び、時に散歩の足となり、狩やスポーツの際にも、ヒトとの見事なコンビネーションを見せてくれます。 悲しいかな戦争の歴史においても、言うに及ばず。 機械化が進み、現代の生活のほとんどにおいて馬力を必要とはしなくなったものの、多くはスポーツや趣味の分野において、乗馬クラブや牧場、イベントなどで、彼女たちと深く関わることができます。 そんな馬たちに敬意を表して、この作品をお届けします。 乗馬には様々なスタイルや流派があります。 その中で本作は、和式馬術に則っています。 和式馬術: 日本において、武士たちにより発展したと言われる馬術です。 馬は、小型の在来馬。 重い甲冑をつけていても馬に負担をかけず、かつ、戦闘に適した乗り方です。 なお、拙作「スケーティング弓術部ニーケ」のスピンオフ、クロスオーバーではありますが、本作だけでも楽しめるかと存じます。 SF的要素あり。
読了目安時間:1時間31分