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平成十九年(2007年)。 自動車部品の卸売り販売会社に勤める広瀬は、石川県の七尾市に転勤となる。 すでに住処とするアパートも決め、休日にドライブがてらに能登半島を見て回ろうと思った広瀬を地震が襲った。 能登半島沖地震である。 幸いにして広瀬や身近な人々には被害が無かったが、能登全域では死者を出すなど、その被害は小さいとは言えないものだった。 七尾営業所の所属となった広瀬の赴任地での仕事の多くは被災した顧客の手伝いをすることだった。 能登で生活することになった広瀬は上司や同僚、顧客との交流で社会人として――人として成長していく。
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