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国と国とを隔てる雲海を、飛鯨船(ひげいせん)が征するようになって幾星霜。 かつて、この世は一つきりで、神々の戦争で二十に切り分けられたというけれど、神様の名前なんて、魔法使い以外はもう誰も覚えていやしない。 そんな神秘の魔法使いの国だって、鎖国を解いてからは留学がトレンド。 アトラス神を先祖にいただく皇子アルヴィンもまた、異母兄姉にコンプレックスを持つ『特別になりたい少年』でしかなくって、けして『選ばれしもの』ではなかったのだ。 ーーーそう、その日までは。 多重海層世界。 世界を鳥瞰した学者たちは、列なる二十もの海と大地を、そう定義した。 魔女の予言が残った最下層、フェルヴィン皇国の末皇子アルヴィンは、優秀な異母兄姉の存在にコンプレックスを持つ14歳。 留学も失敗して鬱屈とした日々を送っていたある日、謎の一団に城が占拠され、囚われの身になってしまう。さらには、分身である魔人『ミケ』の命と、自らの頭蓋骨を盗まれてしまった。 冥界に堕ちんとしたそのとき、預言に従い『星』の宿命を負って蘇ったが、しかしその肉体は、神の炎に焼かれていてーーー。 自らの頭蓋骨をもって、人類根絶の使徒として甦った憧れの英雄ジーン・アトラスに対峙するアルヴィンは、肉を焼く灼銅の鎧と、獣の咆哮をもって立ち向かう。 一方そのころ。 市井では、やけに肝の据わった魔法使いの若者が途方に暮れていた。 「魔法使いの国行きの飛鯨船がサァ……そこらへんの丘で低空飛行してねえかなぁ……」 「そんな都合のいいこと、あるわけないじゃん」 やがて魔法使いサリーは、なし崩しに、皇子奪還に命をかける羽目になって……。 海外の児童ファンタジーみたいな王道ヒロイックサーガを意識しています。『人間讃歌』と『その血の運命』って感じの異世界ファンタジーです。 (テーマは、愛と絆と神話と魔法。あと少しの【メメントモリ(恐れず生きよ)】の精神。) (『昔読んだ海外児童書みたいなファンタジー読みたぁい!』から生まれた、泥臭いファンタジー活劇です。) (この世の神話を異世界で再構成。序盤はギリシャ神話がベースです) (テンプレも好きだけど、たまには王道もね! ) (☆が挿絵のあるページでふ)
読了目安時間:9時間14分
ここは『×××××』。俗に管理局といわれている組織だ。きみは憶えているかな。自分がどこで、どうなっていたか? ……そう、血反吐を吐いて倒れていたきみを保護し、体の異常を取り去ったのは我々さ。 ここはどこだって? さっき言ったじゃないか。管理局だって。 ここでは君のように遭難した異世界人を保護し、適切な生活を保障して、仕事を斡旋している。 なかには危険な仕事もあるが……一般的な仕事ももちろんあるよ。 必要な技能の習得も、惜しみなく支援しよう。 もし家族ができたなら、そしてきみにもしもの時があったなら、労働をせずとも家族を養える制度もある。 終身の文化的で健康的な生活を、我々はきみに保障する。 え?もとの世界に帰りたいって? ……そうだね。そうだろうとも。でもね、それは無理なんだ。 だってもう君の体は作り替わってしまったんだから。 みんなそうだ。みんなそうなんだよ……。
読了目安時間:20分
よく見る夢は、水彩画のように淡く滲んでいた。 それはいつかのことで、もうぼくの頭の中にしかない夢だ。 紫と青、ピンクと水色。 紫陽花とアサガオ。アヤメ。藤の花。 いろんな花を、夢の中で見る。 ■□ 遠くへ行った友達を思い出す話。
読了目安時間:2分
居酒屋で若者が二人。怪談話を語る二人の元へ、怪しげな男が語りかける。 男は語り出す。黄泉の船頭と、彼が出会った奇妙な亡者。 亡者は語り出す。とある場所に、とある二人。かつて人であった二人。 一蓮托生。二つの体に昼と夜の姿。 空船(カッちゃん)と雲児(クウ)。生きていたころの記憶を探す二人の半妖。 秘められた過去の鍵を握るのは、麗しき人魚と、野心あるその従者。 彼らの口から語られるのは、過去と現在、二つに分かたれた物語。 一つは、消えた雲児を追う空船の追跡劇。 もう一つは、雲児と空船の正体に迫る巽と柳の回想と、亡霊からの逃亡劇。 物語は箪笥のように、彼らの記憶の引き出しを開けることで綴られます。 その引き出しを開ける狂言回しに、もう一組。 黄泉にて名前を失くした船頭と、船頭の消えた過去を知るという同行者。 同行者は船頭に語り掛けます。 「思い出せ。これは、ぼくと、あなたの物語である」……と。
読了目安時間:3時間43分
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ネタバレ
僕の親友はとってもおいしい3
2020/6/8 19:17
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田舎町のよろず屋魔術師アミュウは、義理の姉から彼女の縁談相手を見定めるよう依頼を受ける。 ところがその縁談相手というのが胡散臭い牧師で、見合いの日、彼は姉を連れ去ろうとする。 姉を取り戻すため、アミュウは二人に縁切りのまじないをかけた。 「わが四方に五芒星は燃えて、柱の上に六芒星は輝けり。因縁を断ち切れ!」 しかしまじないの思わぬ副作用で二人の記憶の一部が失われ、さらにアミュウは不思議な夢を見るようになって……? 絡まり合う因縁の糸。 アミュウたちは運命に抗い、糸を解きほぐすことができるのか。 ◆異世界が現地、昔ながらの王道ファンタジーです。美味しい料理にハーブティーが登場。5話から物語が動き始めます。 ◆伏線と描写もりもり。設定ははじめチョロチョロなかパッパ。恋愛要素はビターかつサワーです。 ◆筆者の描いた挿絵がございます。苦手な方はお手数ですが非表示設定にしてください。(右上「表示調整」から「挿絵表示中」をクリック) ◆最新話は「小説家になろう」にて連載中。 三部構成予定のうち、第三章にて第一部(カーター・タウン編)完。 第四章より第二部(ソンブルイユ編)突入! 現在七章執筆のため休載中。2022年冬に連載再開予定です。 ◇第一章ではアミュウたちと聖輝の出会いが語られます。 ◇第二章では新たな登場人物ジークフリートも加わり、過去へと伸びていく運命の糸はますます絡まっていきます。 ◇第三章ではアミュウと聖輝の関係に緩やかな変化が訪れ、教会内部の勢力抗争が垣間見えます。 ◇第四章は舞台を王都の玄関口、ラ・ブリーズ・ドランジェに移し、調香師の恋物語をお届けします。 ◇第五章、一行は精霊鉄道に乗って王都ソンブルイユにたどり着きますが、アミュウは大切なものを失います。 ◇第六章、消沈するアミュウは故郷カーター・タウンへ一時帰郷を果たそうとしますが……? ※ Twitter企画「第二回いっくん大賞」文章力部門受賞。ありがとうございました。
読了目安時間:26時間24分
2020/10/10 200話記念により表紙がつきました。 志茂塚ゆり様、ありがとうございます!! 基本は書き手の私ですが、自分に足りないものを補うため、色んな思いやその中に隠されたものを理解しくみ取る能力を身に着けたくて隠れた名作を読んで学んでいきたいと思っています。正直者ゆえ、酷評になってしまいがちな可能性はありますが、それでもいいですよ!という心優しい方の作品をお待ちしています。もしかすると、勝手に読んで勝手に感想の時もあるかもですが、そのへんは許してくだされ…… 皆さまの素敵な作品をお待ちしています。よろしくお願いいたします。 *** ※200話以降のエピソードは「次へ」のボタンを押さないと開けません。 201話以降のエピソードを探す際はお手数ですが次のページを開いてくださいね! ※何度か自主企画の運営をお手伝いor企画を立ち上げる、といった回数が多くなりましたので、読書順番票の次のエピソード、『4話』に参加する企画、主催する企画などのお知らせを残していくようにいたします。終わった際はお礼を述べた後に<非公開>させて頂きます。 作品紹介と共に、よろしければチェックしてみてくださいませ。
読了目安時間:13時間1分
異世界転生ものによくある、転生前のちょっと天使とか神様とかとお話するパートあるじゃないですか。あれ、全編でやります。 何かしらの理由で死んだ「私」は奇妙な羽の生えた「天使」に、異世界へ転生させてもらえると約束された。記憶はそのまま転生できるそうだが、そもそも自分が何故死んだのかも思い出せないし、自分の知識が異世界で通用するかもさっぱり分からないので、ちょっと作戦会議を開いてみることに決める。 私がたどり着いたこの変わった空間には、時々私と同じように命を落とした人間がやってくる。私が作戦会議をしている最中に、彼らはどんどん異世界に転生しているようだが、私も同じように転生……え? できないの?
読了目安時間:50分
BLACK LOVER'S CONCERTO ──ブラック・ラバーズ・コンチェルト──
大欲界のド真ん中を笑顔でブチ進め
3,200
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現代/その他ファンタジー
長編
5話
26,228字
2023年2月21日更新
表紙イラスト:陸一じゅん先生 ヴァンパイア(左のちっこいの)✕ウェアウルフ(右のでかいの)の現代ファンタジーwith少しダークなBLです かつてバチバチに殺し合っていたヴァンパイアとウェアウルフの王たちは、雨の夜の一戦の後に姿を消し――とある東の島国のボロアパートの一室で、逃避的ハネムーンを開始した! のんびりゆったりふたり暮らしは、しかし、いくつもの壁にブチ当たる。 ツテもねぇ、金もねぇ。追手と襲撃は売るほどある。 ふたりは中指突き立てる。それがどうした糞くらえ!!!! 自由に生きたいふたりが、枷をぶっ壊すまでのお話。
読了目安時間:52分