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「私、メリーさん。今日、不思議な人間に出会ったの」 都市伝説であるメリーさんが出会ったのは、背後に立っても慄かず、一杯の味噌汁を差し出してきた人間。 その味噌汁を飲んだメリーさんは、初めて食べた料理に衝撃を受け、もっと色んな料理を食べてみたいと願い始めた。 片や、毎日を生き延びるべく、試行錯誤を繰り返す楽天家な人間。 片や、ただ料理を食べたいが為だけに、殺す事が出来ない人間の家に毎日現れる都市伝説。 互いに嚙み合わないずれた思考が平行線のまま続くも、一つの思いだけが重なっていく日常。
読了目安時間:2時間15分
都市伝説、それは現代に蔓延る口承の一種。 一人なのに何処かから視線を感じる。奇怪な音がした。シミが顔のように見える。そんな出来事から人は想像力で呪いという存在を見出し、そしてその姿形を作り上げた。 勿論噂の大半は虚構なのだが、その存在を完全に否定することはできない。猿島塔子もその一人だった。 塔子は就職活動に失敗し、大学卒業後も働かずに怠惰な生活を送っていた。そんなある日、塔子は母親の紹介で親戚が経営している店の面接へ行く。 『龍ヶ崎美都怪異相談事務所』 幸が不幸か、彼女との出会いが塔子の日常に大きな変革をもたらす……。
読了目安時間:12時間17分