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作者のおすすめ作品
人を殺した記憶、あなたにはありますか?
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ミステリー
完結済
長編
105話
267,381字
2023年1月29日更新
国立陸奥大学に通う大学生・高槻守人は最近、妙な悪夢に苦しめられていた。 人を殺す夢だ。 それも犯罪史に残る快楽殺人犯「赤い影」と酷似した手口で……。 ストレスのせいかと思い、可愛い理系女子大生・能代臨とつきあってみるが、悪夢は消えない。 このままでは恋人を自分の手で殺してしまうかも? そんな不安の余り、精神神経医学の准教授・来栖晶子に相談し、心理分析を受けると、彼の中に忘れ去られた過去があると判る。 9才の頃、守人は眼前で「赤い影」の犯行を目撃していたのだ。 怖いものから逃れる為には、その怖いものになれば良い! そんな心の安全装置が働き、守人の中に「赤い影」と似た別人格が作られているらしい。 この時、凶悪な殺人は守人の幻想内に留まらず、現実世界で頻発していた。 十年前に姿を隠し、死んだと噂される「赤い影」が帰ってきたのか? それとも、守人の中に存在する凶悪な疑似人格が、悪夢を現実にしているのだろうか? アルファポリス、エブリスタ、小説家になろう、にも投稿しております。
読了目安時間:8時間55分
時は慶応四年(1868年)。 大政奉還が行われたにも関わらず、迫る官軍の影に江戸の人々は怯え、一部の武士は上野寛永寺に立てこもって徹底抗戦の構えを見せている。 若き御家人・能谷桑二郎も又、上野へ行く意思を固めていた。 吉原へ一晩泊り、馴染みの遊女・汐路と熱い一時を過ごしたのも、この世の未練を断ち切る為だ。 翌朝、郭を出た桑二郎は、旧知の武士・戸倉伊助が「田吾作」と名乗る奇妙な女衒相手に往来で刀を抜き、手も足も出ない光景を目の当たりにする。 長い六尺棒を豪快に振るう田吾作の動きは何処か薩摩・示現流を彷彿させるもので、もしや密偵か、と勘繰る桑二郎。 伊助の仇を打つ名目で田吾作に喧嘩を売るものの、二人の戦いの行方は、汐路を巻き込み、彼の想定とは違う方向へ進んでいくのだった……。 アルファポリス、エブリスタ、小説家になろう、にも投稿しております。
読了目安時間:21分
時は2039年。金無し、仕事無し、妻子無し、お先真っ暗のアラフォー・宮根正和は一発逆転の大チャンスを手に入れた。 幼馴染・市川亮のコネにより、世界に冠するIT企業ガッフルの中途採用試験を受ける事になったのだ。 しかも採用を勝ち取る裏ワザがある。 今やどの企業もAIが人事を牛耳っており、ガッフルの一次面接、二次面接で合否を決める高性能AI「シーバ」は亮が研究開発した代物。 つまり面接官の攻略法を亮から教えてもらえる訳で、一次、二次は楽勝。難関はガッフル東京オフィスで行われる最終面接のみだ。 勝ち組としての人生に夢を膨らます正和だが、ビル内の広大な空間に設けられたコミュニケーション・エリア「森」には、ろくに働かず、遊びに興じる社員達の姿がある。 エリートなんて呑気なもんだ。 そう思ってみたものの、彼らの遊びが「命がけ」であると知った時、正和自身も後戻りの効かない危険なゲームの渦中にいたのだ……。 アルファポリス、エブリスタ、小説家になろう、にも投稿しております。
読了目安時間:24分
深夜の病院で、「俺」は深い眠りから目を覚ました。 酷く記憶がぼやけており、何故、ここにいるのか、すぐには思い出せない。でも、すぐ傍にある新生児用ICU(緊急治療室)の分厚いドアのお陰で、一つだけ大切な事を思い出した。 生まれて間もない「俺」の子が、今、この扉の奥で死にかけている。 何故、こんな羽目に陥ったのか? いつの間にか、すぐ側に来ていた妻・真奈美に訊ねても、成り行きは判らない。 必死で頭を巡らせる「俺」の前に、深夜の病院を徘徊する異界の住人が姿を現し、思い出せないままでいる「俺」の罪を告発し始める。 真っ暗な病棟を逃げ惑う「俺」が最後に辿り着く真実とは……? アルファポリス、エブリスタ、小説家になろうにも投稿しております。
読了目安時間:28分
長い間、老朽化が進む施設で暮らしていた77才の女性・土井千春は、これまで近づいた事も無い真っ白なドアの部屋へ、ある日、足を踏み入れる。 そこには端正な顔立ちの青年がおり、画架の前で絵筆を握り、千春へ微笑みかけた。 「私の筆は時を超えます」 そう言い放ち、戸惑う千春を椅子に座らせた青年は、幾つかの質問を投げかけながら、似顔絵を描き始める。 今の年老いた素顔ではなく、若く、華やかだった頃を再現する手腕に千春は目を見張るが、絵が完成した時、忘却の彼方にある過去の痛みへ呑み込まれていく運命が、彼女を待っていたのだ……。
読了目安時間:4分
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*おしらせ 読んでくださり、ありがとうございます。 11月より当面の間、更新日を変更致します。 毎週土曜日、19:30頃を予定しています。 今後ともよろしくお願い致します。 2022.10.23 *最後のお話まで完結しています。 順次公開していきます。 常にヒトの側にいる動物、馬。 時に荷を運び、時に散歩の足となり、狩やスポーツの際にも、ヒトとの見事なコンビネーションを見せてくれます。 悲しいかな戦争の歴史においても、言うに及ばず。 機械化が進み、現代の生活のほとんどにおいて馬力を必要とはしなくなったものの、多くはスポーツや趣味の分野において、乗馬クラブや牧場、イベントなどで、彼女たちと深く関わることができます。 そんな馬たちに敬意を表して、この作品をお届けします。 乗馬には様々なスタイルや流派があります。 その中で本作は、和式馬術に則っています。 和式馬術: 日本において、武士たちにより発展したと言われる馬術です。 馬は、小型の在来馬。 重い甲冑をつけていても馬に負担をかけず、かつ、戦闘に適した乗り方です。 なお、拙作「スケーティング弓術部ニーケ」のスピンオフ、クロスオーバーではありますが、本作だけでも楽しめるかと存じます。 SF的要素あり。
読了目安時間:3時間32分