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2021年3月4日更新
「この中で唯一人、自身の根底に眠る一番叶えたい願いを叶える事ができる権利を与えよう。」 夢の中だけでしか出会えなかった八人に対し、陶器製のアンティーク調の兎の置物が誘う催し。 フィクションの世界ではよくある、ありきたりもありきたりな言葉と共に、渡された一つの穴だらけの文章。謎を解いた者にのみ、その権利を与えると言う俄には信じ難い言葉の数々。 集まった八人は同じ世界で生きながら、是迄、一度たりとも現実では顔を合わせた事が無かった。 そんな彼等を嘲笑うかの様に、古時計は鳴り響く。 夢か現か。 両者を行き来する少年少女が"I"を探す物語。
2021年2月22日更新
"人間に新たな能力を付加させ進化させたい" そんな大それた欲求にも似た願望を具現化させることができる手段を、国家が有してから凡そ二十年。人類は人成らざるものの能力を、成長過程の子供に移植させ、新たなる進化を遂げた人間を着々と作り上げていた。 人ならざる者たちを悪だと教えられた無知な人たちは、人外狩りを始め。 人ならざる者たちは、人間から追われる立場となり。 何らかの事情を抱えた子供達は実験台となる道を選ばされ。 全てを企てた者たちは、更なる高みの見物のための計画に着手する。 これはその三者が、進化について改めて考え直す物語。
2020年11月13日更新
高校一年生の秋、北元心信がいつものように家族四人で過ごしていたある日、自分の父親だと名乗る人物から手紙が来る。 手紙の内容は、今まで知らされてこなかった自分自身の生い立ちについて書かれており、読んだその瞬間からそれまでの日常が、まるでまやかしのように感じてしまう。 家にいるのも億劫になり当てもなく歩いていると、一軒の古民家の前で自身と同い年くらいの少女、一鶴に出会いそのまま古民家へと誘われる。そこは、「マメヤ」さんと呼ばれる人物の持ち家の一つだという。 建物の中は、彼がこれまで知らなかった世界が広がっていた。 古民家内での出逢いを経て、様々な世界が変わっていく物語。
2020年9月27日更新
天と地の狭間にある泉の元で、七人の歌姫たちが自身が何者かも分からずに苦悩していた。 断片的に残る記憶を頼りに、七人の歌姫たちは自分自身が何者であるかを知るべく地へ降りたった。旅の共へと渡された宝石を頼りに、自身の持つ能力"唄"の伴奏を担う奏者を探しながら。 時を同じくし、天に逆らった者たちが七人の歌姫の行手を阻む。 時を同じくし、歌姫の奏者と呼ばれる者たちが天の呼びかけに応える。 時を同じくし、………………。 不完全な少女たちが完全となるための物語が幕を開ける。
言葉遊びにすらならない"何か"