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「はじめまして、朝比奈栞と申します! 気軽に栞ちゃんって呼んでくださいね!」 その持ち前の鋼の精神により多種多様の気難しい作家を担当する編集者・朝比奈栞が担当を押し付けられたのは今をときめく売れっ子純文学作家・明津ナギ。 「先生、失礼ですが」 「失礼だな」 挨拶初日、強引なまでの栞の勢いに押されてか、ナギは悪態をつく程度には栞と会話してくれるようになる。気難しいと評される彼の中で何があったのか、暇を告げようとする栞に泊まるよう言ってのけた。 そんな彼の自宅は物に溢れ足の踏み場もない惨状、栞はナギに振り回されながらも彼の家を片付け、おまけに食事まで用意する羽目になる。 「夕飯はキッチンにカップ麺があるからどれでも食べて構わない」 「人を泊まらせる台詞として最悪な部類であることのご自覚はされておいでで?」 初対面の年上作家にも遠慮なく言葉を打ち返す栞を酷く気に入ったらしいナギは、偏屈という噂とは裏腹に栞に対し笑みを見せ始めた。ナギの独特のペースに巻き込まれながらも、栞は持ち前のコミュニケーション力でナギの心を溶かしていく。 「僕を絶望させる言葉はやめてもらえませんか」 「随分とお手軽な絶望だ」 対する栞も、取り付く島もない言葉を返してくる割には時折ふと笑みを見せるナギに対し、心の奥底で火が灯っていく。数日経たず仲良くなれたように思えたが、言葉の足りないナギと言葉を隠す栞の間で、心はかみ合わなくなり── 年下楽天家世話焼き系スパダリ攻め編集者×年上偏屈生活能力ゼロ系誘い受け小説家の遠慮ない掛け合いが特徴的な基本的にコメディBL小説。小説内に性的表現はありません。 協力・スペシャルサンクス:桃月紗夜 ※「BOYSFANコン」募集テーマ『お題フリー』応募作品。
読了目安時間:2時間17分
綺麗な満月の夜、妹は見るも無残な姿で見つかった。 腐った街、権力により妨害される裁き、碧い月明かりの下で笑うのは碧眼の殺人鬼。 両足義足の道化師は愛する妹のため復讐を誓う。 これは碧眼の死神に惑わされた物語。 ──道化師の復讐譚:第一部「夢幻の碧い月」 混沌と無秩序の無法地帯、最下層と呼ばれる橋の向こう側。 すべての歯車が狂ったのは貴族の街、一番街での出来事。 碧眼の殺人鬼が生まれた経緯を、彼自身はもう覚えていないけれど。 これは碧眼の死神に忘れられた物語。 ──最下層の群像劇:第二部「泡沫の碧い空」 天使の救済の手でも悪魔の堕落の手でもどちらでもよかったのだ。 ただ、その手に命を救われた。 それは白々と明けていく光のように。 これは碧眼の死神に救われた物語。 ──死神と奴隷少女:第三部「薄明の碧い光」 「橋の向こう側に行ってはいけないよ。あの街には化物がいる」 幸福と救済にまつわるCRACKPOTシリーズ、『碧』の三部作。 現在第三部『薄明の碧い光』準備中。 ※セルフレイティング全てにチェックが入る話です。 ※登場人物に常識と倫理が備わっていない描写が多いです。 ※各種犯罪行為の容認・推奨は一切しておりません。
読了目安時間:7時間30分
財閥のお嬢様桐生先輩と一般庶民の湊くん。 笑顔で辛辣な言葉を繰り出す桐生先輩は家柄の違いを微塵も気にせず即座に打ち返す湊くんがお気に入り。 「その神経いっそ尊敬に値するね」 「お褒め頂き光栄ですよ、湊くん」 時事ネタから季節ネタまでネタさえあれば罵り合いながら喋り倒すふたりの日常。 「湊くんの初恋は私ですね?」 「斬新な聞き方やめてもらえる?」 恋愛に発展しそうで全く発展しない先輩後輩関係。 「全くこの私がお願いしているというのに貴方は本当に高慢ですね」 「先輩にだけは言われたくない」 そんな特に進展のない桐生先輩と湊くんの皮肉と嫌味の応酬合戦短編集。 特に各話に繋がりはありません。思い出したように不定期連載。 お題に挑戦するのも大体このふたり。短編お題に挑戦した際はこちらにリンク記載します。 明記が無ければ桐生先輩3年生、湊くん1年生の1年間のどこかの話であり、時系列順ではありませんのでどこからでもお読みください。
読了目安時間:20分
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「変身しないで、ありすちゃん」 かわいいものが大好きな、夢に生きる高校生、姫乃ありす。彼女はある日流星群にぶつかって、魔法少女に変身した。 世界を守るため、彼女は今日も魔法少女ピンクに変身して、魔法の力で敵を倒していく。 ――――と、思い込んでいるのは彼女だけだった。 黒い怪物の姿に変身する少女。恐ろしい獣の姿に変身する少女。ドロリとした触手の姿に変身する少女。異形の姿になった少女達は自身を『魔法少女』だと思い込みながら、世界を壊す。 街にはびこるドラッグ。ゴミ箱から見つかる人差し指。聖母様を崇める宗教団体。 昔見ていたアニメの魔法少女はただの幻だった。魔法少女達はゆっくりと現実に気が付きながら、副作用によって壊れていく。 本当の敵は誰なのか。 自分が本当は何者なのか。 ずっと夢見ていた願いは何だったのか。 これは、願いと夢と現実に壊れていく、魔法少女になった怪物の物語。
読了目安時間:32時間19分
冬空の下、未必の故意により失業し社会からはぐれた青年・苗代沢。さらにある日、追い討ちをかけるように旧友にハメられ借金の肩代わりをさせられかける。そこに偶然現れた正義のヤクザ・タカ。彼によって一時は窮地を脱する——かと思いきや、苗代沢無職の一因を作った居候こと厄介者、ミソノが介入し事態は悪転。勘違いが勘違いを生んだ果てに苗代沢はタカに莫大な借金を負ってしまう。……こうして、およそ300日にわたるはぐれ者どもの「戦争」が幕を開けた。 良くも悪くもヒキの強い無職、謎めく美貌のアウトロー、自称正義のヤクザ、希死念慮のダブりJK、ヒーローになりたい家出少女(仮)──これは、「普通」からはみ出たはぐれ者どもと取り巻く人々、巻き起こる事件。そしてそれらを通じて、彼らが居場所を取り戻すまでの記録である。 ⚠️完全版の表紙イラスト(初期版)が「本日未明の宣戦布告」に掲載されています。ぜひご覧ください! ⚠️本作品に登場する人物・組織・団体等はいずれもフィクションであり、実在の物とは一切関係ありません。 ⚠️更新は毎週日曜20時です。 🚫この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。 ㊗️年間ジャンル最高3位ありがとうございます!
読了目安時間:6時間12分
とある寂れた地方都市の平凡な公立中学・紅黄中学校。南校舎三階の一年C組は、目立った問題児のいない平均以上に平和なクラスだった。 仲の良い友達。成績優秀な同級生。 何不自由ない、美しく平穏な日々。 だが、些細な事件をきっかけに運命の歯車は狂い始める。曲がったことが大嫌いなクラス委員・小田巻智春は、C組で起こった盗難事件の解明に乗り出す。非日常に踏み込んだ彼女を待っていたのは、予想だにしない真っ赤な真実だった。 かりそめの笑顔の裏で密やかに崩れていく人間関係。エゴに塗れた執着。暴走する少年少女の一途な願いは、やがて現実に歪みをもたらす。 十三歳の『絆』と『願望』が交錯する、灰色の青春群像ジュブナイルサスペンス! ◆不定期更新中。まずは1章(006まで)をどうぞ! ◆軽度の暴力表現、虐待描写等を含みます。 ◆2021.08.29 序盤を読みやすいように分割しました。内容に変化はありません。
読了目安時間:19時間32分
魔法も科学も異能もぜーんぶ、美味しいトコロだけイイ感じに発展した、どこかの世界にて。 非業の死を遂げた少女は、禁術師の手によってこの世にふたたび生を受けた── ◆ 「ろくでもない殺され方」でこの世を去り、その記憶を失いつつも現世に蘇った少女がいた。彼女の名前は夕月(ゆづき)。 そんな彼女に目をつけて、開発中の蘇生術式の実験体として利用した、非道なる禁術師がいた。彼女の通名は冒涜者(ブラスフェミア)。 彼女らを見守り、保護しつつも時折軽薄にからかってやる役割を命ぜられた男がいた。彼の自称は「オムレツ」。 彼女らの暮らす世界は特に優しくもなく厳しくもなく、ただ当たり前のように毎日死者を生み、それに纏わる喜劇や悲劇を生み、劇的に変わることもなく日々を繰り返す。 それ以上も以下もない。それだけでいいと願ったのは誰だったろう。その願いが叶ったかどうか、観測するのは誰であるのだろう。 何もわからないから綴られる、ちょっとダウナーでいい加減でゆるーい物語……の、はず。 ◆ まかぶるろっきんほーす と読みます。 だいたい毎週日曜日に更新しています。 作中に登場する「ミレーユ」という人物は、お世話になっている友人が考案し、この作品に登場させることを許可してくれたキャラクターです。 この場を借りてお礼申し上げます。彼をこの世界に呼ぶことを許可していただき、ありがとうございます。
読了目安時間:5時間59分