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「3年間、ずっとずっとお待ちしておりました……クラリッサ様に再びお仕えできるのを……」 リリー、と呼ばれた少女は今にも泣きそうになりながらそう告げた。 クラリッサはとある事件によって3年もの間眠り続け、ようやく目覚めたが、以前の記憶――俗に「思い出」と呼ばれる、自分のことや人との関わりに関する記憶――を失っていた。 眠っている間ずっと庇護下に置いてくれていた叔母のユリアナから説明を受け、従兄妹達のいるクロスフォード公爵家に身を寄せることになったクラリッサ。 「こんな人クラリッサじゃない」なんて言われたらどうしよう、と不安を抱くが、クロスフォード公爵家の人々と過ごす内に、その不安が杞憂だったことを知る。 そして、クロスフォード公爵夫妻と養子縁組をすることで、クラリッサはやっと安心できた――筈だった。 「あれがウルラの後継者……?」 貴族の子弟が通う学院への入学申請のため訪れた王都で待っていたのは、周囲の貴族達の探るような眼差しと、「ウルラの後継者」という謎の言葉。見ず知らずの大人たちの目線と囁きに、クラリッサは恐怖を抱く。 逃げる様にその場から離れたクラリッサを待っていたのは――? これは、3年の眠りから目覚めた少女の成長と記憶、そして運命の物語。
読了目安時間:15時間15分
「――おはようございます。四等階級国民の皆さん、朝食を提供します。本日の労働に備えましょう」 スピーカーから流れる無機質な声を合図に、壁のシャッターがガラガラと音を立てながら上がっていき、食事を載せた白いトレーが流れてくる。 10115(トリコ)は、四等階級国民だ。長きに渡る戦争の果てに荒廃した世界は、全国民を一等階級から五等階級までの5段階に分け、それぞれの能力に応じた仕事を割り振る「役割分担・身分管理制度」を導入した。 肉体労働を役目として任される四等階級国民は、毎日毎日毎日、同じことの繰り返し。同じ時間に起きて、同じ時間に食べて、同じ時間に働いて、同じ時間に寝る。完璧に管理された食事に、完璧に管理された労働時間と労働内容。 そんな変わらない日々を過ごしていたある日、10115(トリコ)は監督役の三等階級に呼び止められた。話の内容は、「部屋の移動」。それが、10115(トリコ)の運命を変えることになるとは、この時の彼女はまだ知らなかった。 恐怖のチョコ三題噺コンテストのお題である「恐怖」「チョコレート」「告白」を使った書き下ろし短編です。
読了目安時間:20分
雪の降る竹林を一人歩くその人は、一体何を想うのか――。
読了目安時間:1分
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大昔イギリスと呼ばれた国、イルビア。各国に魔法使いが存在し、それはイルビアも同じだった。 ノーマジと呼ばれる人間、魔法使い。そして、魔術師。3つの種族は複雑に交流を持ち、不安定ながらにも平和に過ごしていた。表面上だけではあるが。 そんなイルビアに喫茶店を開いた魔法使い、否、魔女が居た。その魔女の名はミア・リード。 表向きは喫茶店と称してはいるが、実際は様々な事件や依頼を受けては解決する何でも屋の仕事をしていた。魔女の淹れる珈琲は絶品らしいが。 そんな魔女の元に1人の男が現れた。 「やあ、魔女さん。俺を弟子にしてくれない?」 色気が漂う正に、色男。微笑む男の真意は不明。 様々な事件と陰謀に巻き込まれる2人の魔法ファンタジー。喫茶店スカーレットへの来店、お待ちしております。 ――闇と光がぶつかり合う時、魔女は戦う 復讐と大切な人の為に―― 魔女と自称弟子が織りなす、依頼屋ストーリー。目的を知った時、魔女は何を思うのか……。 交わらない筈だった2人はどうなるのか、これは闇と光が戦う魔法ファンタジー。 【ノーマジとは】 ノーマジック、魔法なしと言う意味からノーマジと名付けられた。世界共通語で魔力を持たない人間の意味。 ※この物語はフィクションです。実際の事象・人物・団体名等とは無関係です。 カクヨム様にも投稿させて頂いてます。 今回この作品で素敵な絵師様と、たいあっぷに参加させていただくことになりました。表紙、口絵、挿絵を現在作成中です。閲覧者ページの公開がまだ、決まっていないので決まったら告知させていただきます!
読了目安時間:7時間51分
●異世界×ジャーナリストの情報戦ファンタジー! 佐伯伊月はオカルト雑誌社に勤める3流記者だった。しかしある日、魔女マリベルの勘違いによって出版社ごと異世界に召喚されてしまう。 混乱する伊月と他の社員にマリベルが差し出したのは、伊月達の出版しているオカルト雑誌。マリベルはここに書かれた宇宙人との対談話や、異世界に行った話を読み、伊月達を歴戦の冒険者だと勘違いし、この超ハードなファンタジー世界アマルガムに呼び出したのだそうだ。バカなのかこいつは。元の世界に帰りたいけど戻る手段がない。お金もないし言葉も通じない、生活様式もまるで違うこの世界で明日からいったいどうやって生きればいい? そうだ、記者としてのスキルを活用して、情報収集や出版業を営んでみてはどうだろうか。この世界には新聞やテレビ、インターネットなんてものはない! これはむしろ記者として成功するチャンスなのでは!? 魔王や勇者、王様やモンスターに突撃取材して記事にしてしてしまおう! チートも魔法も使えないけど、記者としての腕だけで、私はこの世界で成り上がっていくことに決めました! ファンタジー世界をペン1本で駆け抜ける異世界記者道。突き進んでみせます!
読了目安時間:4時間6分