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2020年12月31日更新
僕の言葉は誰にも届かないだろう。 彼女の言葉もまた、誰にも届かない。 だから僕を、彼女を理解できるのはお互いの存在だけだ。 ここで何を言っても意味はないだろう。 僕の人生を嘲笑うような人間が僕らの心の内側を覗こうとするのだと、 ────────そう思う。 僕らの言葉は誰にも伝わらないのだから。 ◇◆◇◇◆◇◇◆◇◇◆◇ 書き直したい、もう少しいい感じにしたいという欲が出たのでチャレンジしてみました。「青春心中」をそのままに少し字数を増やした感じです。「青春心中」は普通にこのサイトで読めます。
2020年6月25日更新
姉は人間に恋をして海を出て行った。まるで、人魚姫の様に。 自分の幸せの為にルーシャは海の外へと行ってしまった。 私を置いて、家族を捨てて。 ────それが百年以上も前の話だ。 それからどうなったかはわからない。姉は帰って来なかったから。 だから私は知りたかった、その恋の結末を。 どういう想いでどういう人生を過ごしたのか。 今でも考えている、人間としての愛を、恋を、幸福を味わえたのか。 幸せだった?嬉しかった?楽しかった? 私はまだ、その意味を知らない。 人間としても、人魚としても────。 「それでは対価を貰おうか。君の声を契約の下にこの魔女が貰い受ける。さぁ、ミルラ。君が次の人魚姫だ────」
僕らは現実を見る。夢を忘れられるように。